「幼なじみ萌え」。
確かに存在する概念です。
幼い頃から身近に居る、よく知る相手……。
良くも悪くも慣れていて、時に家族のような感覚でさえある。
そのせいで、異性として意識できないことも……。
はたまた、何かあった時に頼れる、頼もしい相手であることも。
そんな素敵な「幼なじみ」が登場する作品を一つ、ご紹介させて頂きます。
BLEACHの幼馴染恋次とルキア
BLEACHに登場する幼なじみと言えば、僕にとってはこの二人です。
朽木ルキアは本作品の副主人公で、悪しき霊と戦う死神の一人です。
黒髪の小柄な女性で凛々しい女傑ですが、時にメンタルが弱くなることも。
久保帯人/集英社・テレビ東京、電通、studioぴえろ
アニメ「BLEACH」より引用
そして阿散井恋次は、彼女の幼なじみの男性死神です。
久保帯人/集英社・テレビ東京、電通、studioぴえろ
アニメ「BLEACH」より引用
小柄なルキアと大柄な恋次(144センチと188センチ)は並んだ時、デコボコ具合が可愛いコンビです。
髪の色も黒と赤色で、対照的ですし。
気品あるルキアとワイルドな恋次で、タイプ的にもギャップがあり、そこが好印象です。
二人は共に「犬吊」というスラム街で育った家族同然な仲。
犬吊は治安が悪く、子供は周りの大人に搾取され、殺されてしまう場所。
盗み、殺しは当たり前。
孤児達は身を寄せ合い、助け合わねば生きていけません。
恋次とルキアは同じような子供達と共同生活をしていましたが、過酷な環境の中、仲間は一人、また一人と命を落とします。
この環境から抜け出す唯一の手段は死神になること。
死神になれば、安全な街の中で暮らすことが出来るのです。
幸い霊力を持つ二人は、入学試験に合格。
しかし成績の差で、二人は別々のクラスに。
寂しそうな表情のルキア。
そして、決定的な事件が起こります。
なんと雲の上の存在である大貴族が、ルキアを養子に欲しがっているとのこと。
ルキアを迎えに来た貴族・朽木白哉は、身分も強さも、足元にも及ばない相手でした。
久保帯人/集英社・テレビ東京、電通、studioぴえろ
アニメ「BLEACH」より引用
恋次は彼女の幸せの為に辛い気持ちを隠し、あえて笑顔でルキアを送り出します。
この時から身分の差が生じ、疎遠になってしまった二人。
恋次はこの時彼女の手を離したことを、深く後悔し続けます。
貴族の姫になったルキアは、もはや言葉を交わすことも出来ない遠い存在なのです。
それから、50年・・・。
離れている間、ひたすら実戦を繰り返し、腕を磨いた恋次。
彼の目標は死神として地位を得て、もう一度ルキアの傍に行くこと。
努力の甲斐あり、とうとう朽木白哉の隊の副官に抜擢されました。
一方のルキアは貴族の家に馴染めず、義兄の白哉とも距離が縮まらず……。
貴族ということで周囲からは遠巻きにされ、辛い50年を送っていました。
それでも良い上司と同僚に恵まれ、仕事に励むうちに現世の仕事を任されます。
訪れた現世で出会ったのが、主人公の黒崎一護。
久保帯人/集英社・テレビ東京、電通、studioぴえろ
アニメ「BLEACH」より引用
彼とその家族を助ける為、死神の力を一護に移したルキアはその罪を問われます。
そして、そのルキアの捕縛命令を受けたのが義兄の白哉とその副官の恋次でした。
追いかけ焦がれ続けたルキアとの久しぶりの再会が、彼女を捕らえる任務とは……動揺しつつも、ルキアを連れ帰る恋次。
そして裁定は、更に恋次を打ちのめします。
ルキアは重罪とされ、異例のスピードで処刑されることに。
恋次は彼女を助けたい気持ちはありながら・・・掟と朽木白哉への恐怖で揺れ動きます。
目の前に立ちはだかるのは、神の如き強さの上司達。
それに逆らうことは、即ち「死」を意味します。
そんな中、一護は仲間と共にルキアを助けに来ましす。
一護と闘い、全力で剣を交えて敗れた恋次。
ルキアを必ず助けるという、一護の強い決意と強さを感じ、恋次は「ルキアを助けてくれ……!」と、初めて本音を口に出します。
本当は自分の手で助けたい。
それが叶わない歯がゆさ、口惜しさ。
そして怪我が癒えた恋次は、今度こそルキアを助ける為に反逆者になることを決意します。
仲間たちと敵対し倒すことになっても、もう迷わないと……。
そんな彼の前に立ち塞がるのは、上官である朽木白哉。
恋次が最も恐れ、最も超えたいと願い続けてきた目標です。
掟を絶対視する白哉は、義妹であろうと処刑すると言い放ちます。
彼を倒さなければ、ルキアを救うことは出来ない……。
恐怖を抑え、白哉挑む恋次……難解な奥義・卍解(バンカイ)を会得し、白哉をいつになく追い詰める恋次。
「必ず助けると誓った……俺の魂にだ!!」
しかし……もちろん「歴代最強の当主」である白哉は、それほど甘くはありません。
白哉は恋次を上回る卍解を披露し、副官を瀕死の状態まで追い詰めます。
満身創痍で戦い続けますが、体中に刃を刺され、血を流し、傷ついていく恋次……。
それでも諦めず、最後の力を振り絞って折れた刃を突き立てますが……哀れ、剣は砕け散り、恋次は意識を失いました。
その戦いぶりをみて、初めて相手を認めるような素振りを見せる白哉。
「見事だった。貴様の刃、確かに届いていたぞ」という餞の言葉を贈ります。
命尽きたかに見えた恋次ですが、人徳のおかげで部下に助けられ、なんとか蘇生します。
彼が向かった先は、処刑場。
ちょうど一護が処刑台を壊し、ルキアを救出したタイミングでした。
この場を切り抜けるには、歴戦の猛者たち……特に絶対追ってくるであろう、朽木白哉を倒さねばなりません。
白哉は俺が倒すから、ルキアを安全なところに逃がせ!と叫ぶ一護は、ルキアの身体を思い切り投げつけます。
勢い余って転がりながらも、しっかりキャッチした恋次。
一護は「テメーの仕事だ!死んでも離すな!」と告げ、戦い始めます。
その心を受け止め、ルキアを抱えて逃走する恋次。
勝つことより、戦うことより、今大切なのは逃がすこと……。
ルキアは「離せ!一護が殺されてしまう!」と懇願しますが、恋次は一蹴します。
「背負いすぎなんだ、テメーは。なんでもかんでも背負って立てるほど、オメーは強くないだろ」
「分けろ、俺の肩にも、一護の肩にも。俺達は、そのために強くなったんだ」
それは50年前ぶりに取り戻したルキアへかけた、心からの言葉でした。
もう二度と失わない為に、心身ともに強くなった恋次。
恋か家族愛かは分かりませんが、その想いの強さにジーンとする、良い場面です。
荒々しいけど情が深い、彼の魅力がよく出た名台詞ですよね。
ルキアは恋次の腕の中で、涙を堪えます。「ありがとう、恋次……」と。
そしてまあ、色々省きますが(アバウト)黒幕が動き出し、ルキアを捕獲する為の刺客が現れます。
一瞬にして移動させられた先に居たのは、黒幕の藍染惣右助。
久保帯人/集英社・テレビ東京、電通、studioぴえろ
アニメ「BLEACH」より引用
ルキアの体内には、凄い宝玉(語彙が不足)が隠されていたのです。
処刑も、それを手に入れる為の非合法なものでした。
ルキアを渡せと迫る藍染に、恋次は断固拒否を示します。
当然攻撃され、どんどん傷つきますが、それでも腕の中のルキアを離す気はない、と告げる恋次。
ルキアは恋次が助かるならと行こうとしますが、恋次はそれを押しとどめ、ぐっと彼女を抱き寄せます。
「誰が離すかよ……バカ野郎……!!」
このままでは、二人とも殺されてしまう……!
という場面で登場したのが、我らが主人公・一護くん。
まあその後、一護も恋次も揃って藍染に斬られてしまい、危ないところでルキアを救ったのは「非情なふり」をやめて、義妹を守る決意をした朽木白哉だったのですが……(いいとこ取り)。
ともあれ一連のエピソードだけでも、二人の強い信頼と絆、深い想いが伝わると思います。
この後は何かと一緒に過ごすことが増え、上位死神同士としてタッグを組むようになった二人。
恋次にとってもルキアにとっても、嬉しいだろうなあ、と感じるのです。
疎遠になっていた家族と、再会したかのような気持ちでしょうから……。
そして恋次のルキアへの深い愛情は、果たして家族愛なのか、それとも異性愛なのか?と、長い間ファンの中でも意見が分かれていました。
個人的には「一護とルキアの絆は恋愛感情ではない」という原作者の言葉もあり、恋次とルキアが将来カップルになるのでは……?
恋次は家族愛と異性愛、両方を持っているのでは?
と考えていました。
インタビューの中で、恋次役の声優さんがルキアのことを「(恋次の)惚れた女」と発言していたのも、大きいと思います。
さて、結局ルキアは誰と結ばれるのか……?
長い間ファンの関心の的でしたが、その結果は原作漫画の最終回で描かれました。
あくまで個人的な感想ですが、「うん、順当!!」というものでした。
最終章はまだアニメ化されていないので、もしされる場合は、ぜひ最後まで描いて頂きたいです。
たくさんの困難を乗り越え、幸せになったメインキャラクター達の笑顔が、とても尊いものだったからです。
とりあえず、BLEACHは実写映画の公開が控えていますが……。
果たして、どんな作品になるのやら?
ちなみに2.5次元舞台になったこともありますが、こちらは皆素晴らしくハマリ役でした。
素晴らしい楽曲も多くて……実写映画も、良い作品になると良いのですが。
ファンとして正直なところ、期待半分・不安半分です……。
ルキアも恋次にどんな感情を抱いてるかも気になります。
少年漫画のファンの中でも恋愛話に気になる人達が結構いるんですね。
私も少年漫画の中のドラマの部分が好きです。