アニメ「DYNAMIC CHORD」感想。

2017年の意外な話題作。

熱狂的な中毒性と魅力の考察をします。

 

 
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「DYNAMIC CHORD」の魅力


©ASGARD/DYNAMIC CHORD
アニメ「DYNAMIC CHORD」より引用

 

近年のアニメでは制作期間や資金が限られることが多いので放送延期や作画崩壊といったハプニングも度々起こってしまうものですが、一概にそれがデメリットというわけではありません。

というのも2017年秋アニメとしてスタートした「DYNAMIC CHORD」もSNSなどで作画崩壊などと指摘する声が話題になっていますが、このアニメの場合、逆に視聴者の心をつかんで離さない中毒性を生み出しています。

 

放送は深夜にも関わらず毎回多くのツイートが投稿されてトレンド入り、またニコニコ動画での配信では視聴回数にひけをとらないコメント数が寄せられています。

こういった反響は覇権アニメと呼ばれる人気タイトルと肩を並べる勢いです。

 

一般的に作画クオリティが低いと目が肥えているアニメの視聴者にスルーされやすいですが、なぜ「DYNAMIC CHORD」はこんなにも視聴者からの熱い視線が寄せられるのでしょうか。

3つの観点から考察していきます。

 

 

1、「DYNAMIC CHORD」の背景作画

原作はパソコン向け乙女ゲームでシリーズ化されており、[r・ve parfait]、Liar-S、KYOHSO、りapple-polisherという全4グループのバンドマンとの恋愛が楽しめる仕様になっています。

ただアニメでは恋愛要素やヒロインは一切登場をせずに、バンドマンたちの音楽に対するこだわりや日常の話が中心になっています。

 

まず「DYNAMIC CHORD」を一躍話題にしたのが作画崩壊という制作側にはあまり嬉しくない言葉ですが、視聴者にとってはそういった話のネタになる部分から興味を持ってアニメを見始めるという層も少なくありません。

逆に言うとどうなに名作でも話題性がなければ商業作品のアニメとしては成功とはいえません。

ただの作画のクオリティの低さであれば一回見て終わりというのがほとんどですが、「DYNAMIC CHORD」のケースでは継続して視聴する層が多く、中毒性があるとむしろ好評なのです。

 

それはどうしてなのか、理由はダイナミックすぎる背景の作画にあるのではないでしょうか。

特に街中の風景は、思わずツッコミを入れたくなるくらい摩訶不思議なつくりをしているので注目するべき点です。

ぱっと見きれいな風景だと思いきや、道路の高低差がぐねぐねと都会なのに箱根マラソンばりにあったり、キャラクターたちが訪れたオープンカフェのテラス部分が歩行者側の道に突き出していたりと、一般的にはあまり見ない風景や建物の設計になっているのです。

また、[r・ve parfait]の香椎玲音らが通う大学のキャンパスに設置された噴水も水柱のように巨大で、人物との比較から尋常ではないサイズだということが判明しています。

これらはやはり一般的には作画ミスと指摘されかねない部分ですが、「DYNAMIC CHORD」ではこういった背景画が日常茶飯事なので、放送を重ねるごとに慣らされている感があるのも事実かも知れません。

ただ作画のダイナミックさはある程度は制作側の意図ではないかという部分も確実にあり、意図的かそれともミスなのか煙に巻いているところが、視聴者が呆れずアニメを楽しむ理由になっているのでしょう。

 

 

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2、「DYNAMIC CHORD」の動物やキャラクターの描写

「DYNAMIC CHORD」が視聴者から熱い視線が寄せられる2つ目の点は、動物やキャラクターの描写のこだわりにあります。

背景はたまに不安定なところもありますが、作中に登場する猫、鳥や犬、昆虫などはリアル感があり、これでもかと高い作画力を見せつけています。

特に鳥の描写には力が入っていて、使い回しがほとんどないのが特徴的です。

 

それから話の本筋に大きくは絡まないモブキャラクターも個性豊か過ぎると好評です。

合宿中に夏バテで元気のない玲音を往診に来た医者はまるでヨーロッパを舞台にしたお伽噺に出てくるような品のいい老人で、スタイリッシュなバンドマンと同じ画面に存在するというだけで思わず吹き出してしまいそうになる共演でした。

「DYNAMIC CHORD」のメインキャラクターのデザインはスマホ向けアプリ「A3」でもお馴染みの富士原良さんということでインパクトあるイケメンが多数活躍しますが、それに引けをとらないアニメオリジナルの動物、キャラクターたちの存在感は、原作準拠が多くなっているアニメ界では今や異色です。

こういったオリジナル要素も多いのも「DYNAMIC CHORD」がゲームのシナリオを辿るだけの作品にならない個性が光った部分でしょう。

 

 

3、「DYNAMIC CHORD」のシナリオ

そして3つ目は「DYNAMIC CHORD」のシナリオがアニメの話題性を呼んだ一因になるでしょう。

アニメで描かれるメイングループ[r・ve parfait]の先輩グループであるKYOHSOのYORITOが第1話から第3話にかけて過去の傷を抱えたまま失踪、第4話から第6話ではLiar-Sの4人が仕事での不満から失踪、第7話では[r・ve parfait]とapple-polisherの8人がマネージャーには何も告げずに京都へ失踪していてます。

最終章では今度は[r・ve parfait]のマネージャーである八雲が失踪と、言わずもがなこのアニメは失踪でできているといっていいくらいほとんどの主要メンバーが姿をくらましています。

同じような展開が何度も続くアニメというのは何も珍しいことではありませんが、失踪を様々なパターンで作中に織りまぜているところはむしろ「DYNAMIC CHORD」の監督やシリーズ構成をした脚本家やスタッフの腕の見せ所だったのではないでしょうか。

 

金太郎飴のような似た展開でも飽きずに話題になり続けたのは、制作陣のまさしく意図したところだったでしょう。

乙女ゲームのヒロインを登場させないため恋愛要素抜きで構成しなければならなかったアニメをここまで面白くしたのは評価されるべき点です。

 

作画崩壊や失踪アニメと先行したイメージがある「DYNAMIC CHORD」ですが、視聴者が熱狂的に中毒になってしまうのには巧みな制作陣のリードがあったからでしょう。

これがアニメ「DYNAMIC CHORD」の魅力です。

 
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