アニメーションにつきものなのは、オープニングとエンディング。

今回は、エンディングが素敵な作品をテーマに、お話させて頂きます。

一般的に、躍動的でダイナミックなオープニングが多く、エンディングはそれに比べると、ぐっと静かで、ムードのあるものが多い印象です。

キャラクター紹介や世界観、人間関係を紹介するようなオープニングに対して、エンディングではキャラクターの日常風景を描写したり、ボーナストラック的な印象のものが多いような。曲も、切ないものや可愛らしいものが多いです。

 

 

エンディングの曲と映像が素敵なアニメ

「化物語」

まず思いつく「素敵なエンディング」のアニメは、「化物語」(バケモノガタリ)です。

第一シリーズである本作のエンディング曲は、「君の知らない物語」。

担当は、supercellです。

 

物語シリーズは秀逸なエンディングが多いですが、個人的に、その中でも特に好きなのが、この曲と、セットの映像。クレヨン画を思わせる愛らしい映像が動き、それに合わせて女性の伸びやかな声が流れます。

 

「あれがデネブ、アルタイル、ベガ……」という、作中の戦場ケ原さん(正ヒロイン)の台詞を思わせる歌詞がありますが……

個人的に、この曲はヒロインの一人・羽川さんのテーマ曲だと思っています。

 

好きな人に、好きと言えなかった女の子の歌ですから……。

叶わなかった・実らなかった恋を歌う、どこか切なくて美しい曲。

 

だから、私にとって、作中の羽川さんの気持ちとリンクするように感じるのです。

彼女もまた、主人公である阿良々木くんへ、想いを伝え損ねた女の子なので。

不思議な味わいのイラストと共に、とても好きなエンディング映像です。

 

 

「進撃の巨人」

次に思い出すのが「進撃の巨人」第一期シリーズの、エンディング。

後期の「great escape」。メインキャラクターが次々に現れ、日常風景が映し出されます。

そして後半は、巨人に挑む映像、最後は主人公と同期の後ろ姿のショット。

 

抑えた色合いの映像に、自分の正気を問いかけるような歌詞。

「生きた屍みたいだった 俺達は壁の外へ」という箇所の歌詞は、見事に作品の内容にマッチしています。

躍動感溢れるオープニングも好きですが、このエンディングもとても印象的でした。

 

 

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「BLOOD+」

そして、少々昔の作品ですが……「BLOOD+」(ブラッドプラス)もまた、素晴らしいエンディングを有する作品です。

長期間放送されただけあって、オープニングもエンディングも、それぞれ複数回変わったのですが……。

どれも素晴らしいけれど、個人的に特に好きなのは、まず第一期エンディングの「語り継ぐこと」です。歌は、元ちとせさん。

元々彼女の歌が好きでしたが、これは楽曲はもちろん、映像もとても好きでした。

箸井地図さんの愛らしい絵で表現される、主人公・小夜(さや)の色々な表情。

止め絵が少しずつ動いていく映像と、それにマッチした、壮大な歌詞が見事に融合していました。

「語り継ぐことや 伝えてゆくこと 時間のうねりを渡ってゆく舟」という個所が、長大な時間を生き続ける主人公・小夜に重なります。

どこか民謡を思わせる曲調も、哀愁があってピッタリだな、と。

 

同作では、中島美嘉さんが楽曲を担当した「CRY NO MORE」も印象的でした。

静かで穏やかな曲はもちろん、淡い色のイラストが動く演出も。

眠る小夜の頬を伝う涙と、それを拭う誰かの手。それが誰の手か、分からない演出もなかなか憎いな、と。

激しいバトルの本編とはガラリと変わった、穏やかなエンディングでした。

 

 

「有頂天家族2」

そうそう、「有頂天家族2」のエンディングも、とても素敵です。

映像は、ずっとヒロイン(?)の弁天さまの、本編の内容をなぞるような映像。

女優さんのプロモーションビデオを見ているような映像です。

 

そしてfhanaさんの楽曲「ムーンリバー」は、まさに弁天さまの曲でした。

主人公の矢三郎視点の、弁天さまを歌った歌詞だな、と。

「今また遠くへと 飛んでいく 君はほら彼方の人」という部分など、気まぐれで、決して自分のものにならない弁天さま。そのものです。

明るさと切なさがミックスされた曲も心地よく、毎回楽しみに聴いていました。

 

 

BLEACH

BLEACH(ブリーチ)の数あるエンディングの中からは、特にSunSet Swishさんの楽曲「さくらびと」を推します。

どこか切ない曲調と、歌詞。

「生まれ変わったら桜の下で また逢いましょう」という歌詞は、過ぎた時を懐かしむ気持ちと、再会を願う強い意志を感じます。

時に過去の出来事も関わる、本編の「斬魄刀異聞編」の内容ともマッチしていますし……。

 

篝火の中、仮面をつけた主人公と、本エピソードのキーパーソンである朽木白哉が剣を交わす映像も、謎が多い内容とピッタりでした。

不可思議な行動をとる義兄を案じる、ルキアの姿も描かれていたのを覚えています。

 

 

他にも、まだまだ魅力的なエンディングのアニメは多くあります。

機会があれば、また取り上げてみたいです。