1996年から週間少年ジャンプで掲載された封神演義は2200万部を売り上げた人気コミックス。
その封神演義が満を持してリメイクされました。
しかし第一話が放送されてからと言うもの、数々の矛盾点や欠点が浮き彫りになり、ファンの間では騒然となりました。
その理由とは・・・?
目次
アニメ「覇穹 封神演義」のあらすじ
TVアニメ「覇穹 封神演義」新PV
©安能務・藤崎竜/集英社・「覇穹 封神演義」製作委員会
アニメ「覇穹 封神演義」より引用
藤崎竜さん版の原作は安能務さん訳、講談社文庫で発行された小説の封神演義が元になっています。
古代中国殷王朝時代。明君と称えられた第30代皇帝、紂王は絶世の美女妲己を迎えて以来、傀儡となってしまった。まつりごともせずに国は荒れ果て、民は飢え苦しんだ。
そんな人間界をうれいた仙人、元始天尊は導師太公望に悪い仙人を倒して魂を閉じこめる計画、封神計画を命じた。
覇穹封神演義の制作は今期でも人気なゆるキャン△のC-Station、シナリオ構成は咎狗の血や俺物語の高橋ナツコさん。
数々のアニメに関わってきた方ですが2クールという短い期間で原作の最初から中盤までを描くというのは無理があったのでしょう。
アニメ「覇穹 封神演義」のひどいミスまとめ
原作ファンとしてはとにかくミスが多いように感じました。
もうね、こんなんなら無理してアニメ化と化しなくて良いですから・・・。
僕がそう感じた理由をまとめていきます。
アニメ「覇穹 封神演義」|名軍師太公望の描写ミス
太公望は日本では釣りのイメージが強いですが、後世の兵法に多大な影響を与えた名軍師。
原作でも正面からは戦うことは滅多にない、策略を張り巡らして勝ってしまう知将キャラです。
ですがアニメの太公望は原作からのカットが多く、なんと始まってすぐにラスボス妲己のいる禁城へと乗りこんでしまいます。
原作は妲己の妹を人質に取ってから乗り込みましたが、アニメではカットされていて手ぶらです。
妲己の妹は琵琶が正体だったので、宮廷音楽家に仕官するわけですがアニメの太公望は楽器もなしに宮廷音楽家に志願。
さらに妲己の宝貝の特殊能力、テンプテーションで人が操れることを太公望が事前に知っていたことに注目しましょう。
それでも無策で挑んだ太公望はらしくないと言わざるをえません。
案の定、仲間の霊獣が誘惑されてしまいました。
容赦なくされる公式ネタバレ
封神演義といえば魅力的なキャラクターたちですが、一話からキャラクターの結末が冒頭に描かれています。
四話冒頭の黄天化の死亡シーンを見てみましょう。
初視聴者に取っては活躍していた黄飛虎が死に、さらには新キャラの天化と太公望が戦うことになります。
新キャラがいきなり出てきて死ぬと言われても視聴者はピンと来ません。
毎回冒頭にネタバレをするのですが、それ以外のカットが多く、間もないためこのシーンさえなければ他のシーンをやれるのにとすら思ってしまいます。
全体的に控えめなBGM
1999年に放送された、仙界伝封神演義は非常に耳に残るBGMやサウンドエフェクトが特徴。
中でも有名なのが楽器の弦を使った演奏。
禁城で幽閉された姫昌と息子が合奏した名シーンは今見ても色褪せることはありません。さらに姫昌は崇城で敵の説得にも弦を使っています。
覇穹封神演義は全体的にBGMの音量が小さく、環境音は聞こえない場面が多いです。
鞭や太公望の宝貝が放つ風の音、敵の雷の音なども弱く目立ちません。
さらにBGMは主張しすぎないスローダウンのものが目立ちます。
またキャラクター登場時にいつも同じ曲がある仙界伝とは違っていて、キャラクターや場面ごとのテーマ曲もないらしくメロディーが覚えにくいです。
声優は仙界伝封神演義から大きく変えたキャストが話題を呼びました。
しかし配役にあってるかは疑問が残り、男性声優ばかりで固めた弊害で子供のキャラクター天祥と猫の霊獣である黒天虎に違和感がでてしまっています。
またシリアスなシーンに情感がこもっていないのは、明らかにテンポが早すぎる構成のせいでしょう。
間らしい間がまったくない上に、太公望がいきなり軍師になっていたりと視聴者の理解が追いつく前にセリフが流れていきます。
もちろん前の声優さんと比べても違和感のない方はいますが、叫んで宝貝を使うシーンにいまいち迫力がないのは音響のせいではないでしょうか。
ここはどこ?何年?
地名の表記は禁城の最小限だけしか出ず、年号すら出ません。
さらに時系列がいきなり前後したりと覇穹封神演義は非常にわかりにくくなっています。
さらにあきらかな改変と作画ミスも加わって時間の経過すらわからなくなっています。
7年幽閉されたため原作では白髪になった姫昌ですが、アニメでは幽閉時には茶髪のまま・・・。
しかしその後太公望と会った姫昌は白髪になっており、一気に白髪になっていて、ますます時間の経過がわかりにくいです。
綺麗だけど動かない作画
覇穹封神演義の作画は原作の初期の絵にそっくり。
妲己の腰のラインまで再現した線画は綺麗ですが、そのせいかまったく動いていません。
宝貝を使った風や雷、鞭が飛び交うアクションバトルがキモの作品で動かないのは致命的。
アクションバトルがメインの5話は納期を過ぎてしまい、ついには延期になりました。
これからますます激しくなるであろうアクションバトルの作画ですが、早くも覇穹封神演義には暗雲が立ちこめてきています。
原作ファンとしては「あーあ、やっちまったよ」の一言に尽きます。
まだこの作品を見ている人はいるでしょうか・・・。
僕も粘り強く見るつもりですが、ホント無理してアニメ化すんなよ・・・。
今回が仙界大戦、二期で殷周戦争編、最後に女媧編と上手く編集するつもりならまだ期待はできますが、どうでしょうね。