個人的に実写アニメ問わず、ホラーものは苦手です。
気が小さいので、ビクビクドキドキしたくなくて……。
ですが、時には「怖いもの見たさ」で、気になることも。
今回はそんな、ホラーが苦手な人でも見られる作品をご紹介させて頂きます。
ホラーアニメランキング
「直視出来る程度に怖い」作品をオススメさせて頂きます。
ホラー作品ではなくても、見ていて背筋が凍る、やたら恐ろしい場面がある……怖いモノが平気な方は、ぜひ一度視聴してみて下さいね。
ただし入浴など、用事を済ませてからご覧下さい。
怖くてお風呂等に入れなくなっても、責任は負えませんので。
悪しからず……。
ちなみにあくまで「ホラー」なので、グロテスク系や血みどろ系は、今回対象外です。
グロい系はこちら。
また個人的なチョイスなので
「こんなの全然怖くないよ、中辛の怖さだよ!」と思われたらすみません……。
第3位:まんが日本昔ばなし 茸の化け
これはとてもマイナーなのですが、個人的に外せないトラウマ作品なので……。
幼い頃はもちろん、少し大きくなってから見ても、色褪せない怖さでした。
「まんが日本昔ばなし」らしい、不気味なお話です。(前半は可愛い話、後半は怖い話というのがデフォルトでした)。
「茸の化け」は、秋田県に伝わるお話とのことです。
主人公は、山奥に一人で住むお婆さん。
ある晩気付くと、どこからか小屋の中に若い娘が三人現れます。
三人はユラユラ上半身を揺らしながら、不気味な表情で不思議な歌を歌います。
森の奥はまっくらけ
おらたちゃ あばの家がええ
囲炉裏の火に下から照らされ、どこか恍惚とした表情で歌う三人は、えも言われぬ不気味さ。
今見ると「変なお薬がキマってるのでは……?」と思うほど。
市原悦子さんの歌声も細く高く、不思議な怖さです。
また娘達の目は白目が大きく出ており、なぜか天井を見ています。
しかも、そっくりな顔が三人並んで……。
娘達は毎日いつの間にか現れ、朝まで歌い、気付くと消えています。
そしてお婆さんは、日に日に衰弱していきます。
何かおかしい……お婆さんは歌の歌詞に出てきた、「うすい峠の法覚坊」という坊主を訪ねます。
やたらとエネルギッシュな法覚坊は、モリモリ鍋を食いながらあっさりと娘達の正体を告げます。
彼女達は山の茸の化身であり、お婆さんを弱らせ、殺しに来ているのだとか。
驚くお婆さんに、法覚坊は「茄子を食わせれば大丈夫」とアドバイスを与えました。(なぜ茄子?)
その晩いつものように現れた娘達に、お婆さんは用意していた汁物をご馳走します。
碗によそった汁を、無言で飲む娘達。
息を呑んで見つめるお婆さん。
汁を口にした瞬間、娘達の顔がひきつります。
止め絵になり「ひっ……!」と響く悲鳴。
同時にお婆さんも意識が遠くなり……。
この場面の演出が、妙に怖いのです……。
小さい頃は、録画ビデオを見る度に怯えていました。
ちなみにお婆さんが朝目を覚ますと、茸が三つ転がっていたとか……。
このことから、「茸を食べる時は、茄子を一緒に食べると良い」と言われているそうです。
1987年の番組ですが、その不気味さからか、今もネット上で動画を視聴することが出来ます。
ぜひ見て、映像や歌声の不気味さを感じてみて下さい。
【怖】まんが日本昔ばなし「茸の化け」
「日本昔ばなし」では「姫と白蛇」「梨山の大蛇」など、不気味だけど惹かれる話をたくさん知りました。
前半のほのぼの可愛いお話も、大好きでしたが……。
第2位:ヘルシング
平野耕太/少年画報社・Hellsing製作委員会
アニメ「HELLSING」より引用
言わずと知れた、吸血鬼作品の殿堂です。
原作は、平野耕太先生の同名漫画。
緩急が激しく、日常パートやクスッと笑えるギャグシーンもとても多いのですが(そこが好きです)。
本作は、英国を化け物から守る主従の戦いを描いています。
英国貴族のインテグラ女史が従えるのは「化け物の中の化け物」「不死の王」と呼ばれる吸血鬼・アーカード。
彼は吸血鬼でありながら日光、十字架、ニンニクなどの弱点を克服した、反則的な存在です。
普段の見た目は黒ずくめの青年で、普通の人間にしか見えません。
しかしその気になれば、姿を変幻自在に変えることが出来る……壮年の紳士から、年端もいかない少女まで。
実体はあくまで人ではなく、人外ということでしょう。
そしてアーカードの最大の特徴は、その無限大の力と不死身性、いざという時に見せる残忍さでしょうか。
普段は飄々と軽口を叩く一面がありますが、いざ敵と対峙する時は徹底的な殺戮を行います。
主であるインテグラが拘束制御術式「クロムウェル」を解いた時、アーカードは本当の実力の片鱗を現します。
特に印象的なのは、ネオナチ「ミレニアム」との戦いです。
人間を遥かに越える怪物が、更に恐ろしいアーカードに恐怖し怯え、いつの間にか許しを乞う、哀れな生け贄に見えてくる……。
主人公のほうが悪役に見えてくる場面が、幾度もありました。
中でも敵のリップヴァーン・ウィンクル中尉と対峙した時。
マスケット銃でどんな敵でも仕留める、恐るべき「魔弾の射手」と呼ばれる彼女。
もちろん吸血鬼であり、英国空母を襲撃して皆殺しにする恐ろしい怪物です。
しかし、そこに送り込まれてきた相手が最悪でした。
戦闘機で最速で辿り着いたアーカードは、人からかけ離れた姿になり、リップヴァーンの部下達をあっという間に殲滅します。
自分を上回る怪物に怯え、ただの少女のように涙を流す中尉。
ギリギリで自分を取り戻し、決死の覚悟で敵に銃を向けますが……アーカードは圧倒的な力で蹴散らした上、彼女自身の銃剣を心臓に突き刺し、トドメを刺します。
怪物を上回る怪物に狙われる、リップヴァーンと部下達の恐怖。
どこから敵が来るか分からず怯え震える様は、まさにパニックホラー映画の趣があります。
アーカード役が中田譲治さん、リップヴァーン役が坂本真綾さんなので、余計に……。
アーカードの怖いシーンは初期の「ヴァレンタイン兄弟襲撃事件」など、色々ありますので視聴してみて下さいね。
「主人公がラスボス」と言われる、彼の魅力(恐怖?)が、たっぷり味わえます。
第1位:伊藤潤二コレクション
家族が原作ファンで、アニメも横でおっかなびっくり見ていたら、何となく癖になりました。
ホラー漫画家の大御所、伊藤潤二先生の作品を一話完結でアニメ化したシリーズです。
原作同様作品のタイプが幅広く、本気で怖い作品や、後味の悪い作品から、どこか笑えるホラーギャグ風味の作品も。
個人的には怖さの中にギャグが香る、「双一の勝手な呪い」「布製教師」など、双一くんシリーズが好きです。
第一話を始め、度々登場する双一くん。
どんな人物なのでしょうか。
第一話や第五話で登場しますが、双一くんは家族の中で一人だけ、浮いた存在です。
彼の家族は皆、まともな人物ばかり。
優しい父と母に、気さくな祖父。
そして美形で爽やかな兄の公一と、姉のさゆり。
原作によると双一くんの外見と性格は、亡き祖母譲りのようです。
なぜお祖父さんは、双一そっくりの祖母と結婚したのか……永遠の謎です。
しかし主人公の双一くんは、見た目からかなり不気味。
ニヤついた目に、ワカメのようにうねる前髪。
目元に落ちる影と、他人を小馬鹿にするような表情。
何より、いつも口に数本の五寸釘を咥えています。
これは「貧血気味なので、鉄分を補給する為」と本人は説明していますが……いやいや、突っ込みどころがアリ過ぎでしょ!
第一危ないですよ、うかつに転んだりも出来ない……。
ちなみに双一くんの声は、三ツ矢雄二さんが担当されています。
タッちゃんからポプ子、双一まで……。
三ツ矢さん、本当に幅広いなあ……。
そして彼の一番の特徴は、その独特な性格と思考です。
平たく言えば陰険で執念深いし、しかも「自分には呪いの力がある」と硬く信じているのです。
説教してくる兄と姉、自分に恥をかかせた同級生。
しかもその内容が、「俺の尻を白日のもとに晒した罪」・・・つまり、よくも俺の尻を見たな!というくだらないもの(笑)。
別に誰も見たくないよ、あなたのお尻なんて……。
相手の和歌山くんも「ゲッ!」と言っていたし。
ほとんどが自業自得なのですが、双一くんは相手を逆恨みし、彼らに呪いをかけます。
彼には自分が悪いという発想がなく、非は全て周りにあるという思考回路の持ち主。
小学生とは思えないほど、ヤバい方向に完成されています。
正直、絶対お近づきになりたくないです(笑)。
スタンダードに藁人形に釘を打ち、トイレットペーパーで相手をぐるぐる巻きにし……
挙げ句の果てには同級生の顔に、呪いで髭を生やしてしまいます。
まだ小学生なのに……。
そして自分で作り出した、教師とクラスメイトの人形が本物に成り代わり、暴れ始める……!
もうシャレにならない迷惑さで、学校中が大混乱。
双一は満足げな笑みを浮かべますが……。
私が双一シリーズを好きなのは、「寒気」などの他の話と違い、ちゃんと彼がしっぺ返しを喰らうところです。
伊藤潤二作品は不条理だったり、結末がはっきりしなかったり、後味の悪い終わり方の話も多いので……。
「布製教師」では暴走した教師人形に追いかけられ捕まり、全校生徒の前でお尻を晒す羽目に。
「双一の勝手な呪い」では地主の仕掛けた罠にはまり、宙吊りに。
しかも、双一を上回る危険人物の地主に殺されそうになり、肝を冷やします。
所有する杉林を荒らされたとは言え、人間相手にトラバサミを仕掛け、ブッ殺そうとする……。
この地主も、かなりアブナイ人物ですね……。
外見からして、危険さがプンプン漂っていますし……。
しかし罠にはまった双一の「にゃー」という猫の鳴き真似と、「騙されるか!」という地主のやり取り……不覚にも笑ってしまいました。
緊迫した場面のハズなのに……。
双一は危ないところを、兄・公一の機転で救われます。
地主の行き過ぎた行為を指摘し、弟を解放させた公一。
しかし双一は反省せず、兄に感謝もしません。
助け甲斐の無いヤツ……。
それにしても、散々迷惑を被っているのに、弟を助けてあげる兄は本当に良い人ですね。
困った性格だけど、どこか抜けていて、すぐ痛い目に遭う。
ホラーだけど勧善懲悪であり、笑いもあり。
怖いお話が苦手な人にも、双一シリーズはオススメ出来ます。
ぜひ視聴してみて下さい。
絵柄はかなりリアルで、回によっては気持ち悪い描写もありますが。
「寒気」の回は、特に生理的に気持ち悪い描写があるので、ご注意下さい。
反対に「緩やかな別れ」は死者との静かな別れを描く、優しさと切なさのある話です。
こちらもシリーズの中では異色ですが、オススメです。
ちなみにオープニング曲「七転八倒のブルース」や映像はカッコ良く、こちらも癖になります。
エンディングの「互いの宇宙」はうって変わって切なさがあり、こちらも素敵です。
以上がホラーアニメランキング。
今後も随時コンテンツを追加していきますのでお楽しみに!