優れた作品の中には、よく印象に残る名言が登場します。

ここぞ!という場面で発されたモノ。

はたまた、さりげなく登場したけれど、妙に記憶に残るモノ……。

今回は、そんなアニメの名言を、いくつか厳選してご紹介させて頂きます。

 

 
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今回ご紹介するのは、アニメ「逆境無頼カイジ」に登場する、名言達。

尖った顎や鼻など、独特な絵柄に、「ざわ……ざわ……」などの、不思議な擬音。

何より、衝撃的な内容が印象的な、ギャンブルアニメです。

原作漫画を独特な絵柄込みで、見事に映像化した本作。

 

 

利根川幸雄の名言


福本伸行/講談社・逆境無頼カイジ製作委員会・日本テレビ、バップ
アニメ「逆境無頼カイジ」「逆境無頼カイジ 破戒録篇」より引用

 

名言が多い作品ですが、中でも主人公を追い詰める企業・帝愛(ていあい)幹部の利根川さんには、印象的な台詞が多い気がします。

彼の本名は、利根川幸雄(とねがわゆきお)。

巨大財閥である帝愛の総帥、兵藤(ひょうどう)会長の腹心で、多くの部下を纏める役割の利根川さん。

命がけのギャンブルを強制する、債権者にとっては地獄の遣いのような人物です。

ダブルのスーツにオールバックの、ダンディーなおじさまなのですが……。

 

主人公の青年カイジは、知人の借金の連帯保証人になり、苛烈な取り立てに遭います。

取り立てに来たのは、高利貸しを営む帝愛グループ。

カイジを始め、返すアテのない者は、強制的に豪華客船に連れていかれます。

 

その船「エスポワール」は、世間のルールが通用しない隔絶された場所。

債権者が集められ、借金を賭けて命がけのギャンブルを強いられるのです。

サディストの兵藤会長を楽しませる為、負けたら即・死という過酷な勝負へ参加させられるカイジ達。

金の無い者は抵抗さえ許されず、ここでは人間以下の存在なのです。

そして、負けた者は地下での過酷な労働、身体の一部を差し出す、果ては死など、残酷な結末が待っています。

 

「ファックユー……ブチ殺すぞ、ゴミめらが……っ!」

「金は命より重い……!」

「待ってくれ?貴様らは今まで何回、それを言った?世間は貴様らの母親ではない。お前らクズどもの決心を、いつまでも待ったりはせん……!」

 

など、抵抗・抗議する債権者に言い放つ、利根川さんの痛烈な言葉。

債権者ならずとも、なんだか心に刺さりますね……。

ウッ……。

 

顔色ひとつ変えず、高層ビルの間に渡した鉄骨を渡るよう強制する利根川さん。

もちろん、落ちたら即・死が待っています。

みっともなく泣きわめき、許しを乞う者達を眺め、部下に囁く彼。

 

「こうして見ているだけで、しみじみ幸せを感じられる。普段感じることの出来ぬ、セーフティという名の快楽……安全であることの愉悦……!」

 

他人の不幸をおかずに、自分の幸せを噛み締める利根川さん。

恐ろしい精神構造の持ち主です。

こうして、大量の落伍者(死者)を出しながらも、生き延びたカイジ。

 

 

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やがて幹部である利根川さんと、カードでギャンブル対決することになります。

激戦の末、利根川さんを破ったカイジ。

会長の怒りを買った利根川さんは、灼熱の鉄板の上で土下座する「焼き土下座」を強制されることに……。

今まで尽くしてきたのに、この仕打ち……会長の非情さに、改めて背筋が寒くなりました。

 

現在はスピンオフ漫画「中間管理職トネガワ」で、主人公を努める利根川さん。

意外にお茶目で部下想いな姿を見せ、ファンの好感度をうなぎ登りに上げています。

それだけに、本編での末路が哀れでなりません。

一寸先は闇、という言葉を体現したキャラクターです。

 

 

大槻太郎の名言


福本伸行/講談社・逆境無頼カイジ製作委員会・日本テレビ、バップ
アニメ「逆境無頼カイジ」「逆境無頼カイジ 破戒録篇」より引用

 

そして、同じく「カイジ」に登場する班長こと、大槻太郎(おおつきたろう)。

借金の為、地下で強制労働させられるカイジが出会った中年男性です。

借金返済の為、地下での労働を強制される債権者達。

劣悪な環境での工事に、空気の悪さ。

粗末な食事、始終見張られる自由の無い生活……。

気が狂うような毎日が何十年も続き、借金を返済し終わる前に、命を落とす者も多いのだとか。

 

そんな中、カイジが所属するE班の班長が、大槻さんでした。

同じ借金に縛られた立場ながら、他の者を取りまとめる上司であり、様々な権限を持つ班長。

ニコニコと柔和な表情に、気さくで親切な言動。

 

しかしその実態は、あらゆる策を弄し、他者を食い物にする小悪党です。

地上で仕入れた酒や煙草、ツマミなどの嗜好品を地下で高額販売し、利益を得る。

またはイカサマ賭博を開催し、皆の給料を根こそぎ巻き上げる、など……!

 

節約しようとするカイジに、親切ごかしに無料でビールをプレゼントする班長。

しかしそれは、食の快楽に溺れさせ、中毒状態にする為の作戦でした。

 

1ヶ月ぶりの缶ビールとホカホカの焼き鳥に、涙を流してかぶりつくカイジ。

その様子を見て、ほくそ笑む班長。

隣の部下に、そっと囁きます。

 

「明日から頑張るんじゃない。今日、今日だけ頑張るんだ。今日を頑張った者、今日頑張り始めた者にのみ、明日が来るんだよ……!」

やっていることは黒いけれど、確かに……と思わされる、班長の名言です。

 

つい、考えてしまいますよね。明日から頑張る、って。

でも、それではずっと、何も変わらないと言われた気がしました。

これも、ガツンと効いた名言の一つです。

人の心の弱さや、欲望を熟知しているからこそ、班長はそれを操ることが出来るのでしょう。

 

しかし班長も結局、チンチロでカイジに敗北し、全財産を失う羽目になります。

個人的にはその時に見せた「ノーカン!ノーカン!」も名言。笑

あそこまで見栄やプライドを全て捨てて辱めも無く「ノーカウン」を切望する姿は、逆に何か学ぶものがあるんじゃないか・・・と感じさせます。
こちらもスピンオフ漫画「1日外出録ハンチョウ」で、大人気な班長。

一日外出券で地上に出て、楽しく過ごす様子を見ていると、この後の失脚が可哀想に思えてくるのが不思議。

チョーさんの名演もあり、けっこう好きなキャラクターです。

 

 

数々の名言が登場する、カイジ。

他にもまだまだ、印象的な言葉がありますが……。

人の醜さ・弱さをこれでもか、と描く本作ですが……だからこそ、その中で踏ん張る者達が輝くのだと思います。

 
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