「けものフレンズ」というアニメが今年(2017年)テレビ東京系のテレビアニメとして放送されました。
本放送が今年の1月から3月末、1クール12話の短い連続アニメ作品。
この作品は伝説になっています・・・。
作品の内容とは別のところで伝説となってしまいました。
作品自体の考察と、この騒動に付いての考察を述べさせて頂きます。
アニメ「けものフレンズ」とは
内容は、ジャパリパークというテーマパーク風のアニマルワールドで、なぜか登場するキャラクターがほぼ全部美少女化した動物、唯一の男の子キャラは、「かばんちゃん」とよばれる人間でした。
毎回美少女キャラのアニマルが登場しては、ゆかいな騒動をくりひろげる。
こう書くと、明朗なユーモアアニメのようだが、真ん中過ぎに、このジャパリパークは人間社会が消滅したあとの世界であることが告げられます・・・。
ドラマ展開で重要なのが、主人公、そしてその仲間と、ライバルとなる相手との葛藤や対決。
このアニメでも、「セルリアン」という謎の球状エイリアンが、かばんちゃんとサーバルちゃん(相棒となるサーバルキャットのアニマルキャラ)の前に立ちはだかる。
最後にはセルリアンは撃退されますが、これはいわゆるネタバレにはなりません。
- なぜなら、セルリアンとは何者か、なぜ少女の姿をしたアニマルキャラが登場するのか。
- かばんちゃん(リュックを背負った男の子だからこうよばれる)が唯一の人間なのはどうしてか。
- そもそも、人間社会がなぜ消滅したのか。
- ジャパリパークとはどんな世界か。
すべて謎のままだからです。
こうして、謎と未消化の伏線を残したまま、ドラマは突然終了する・・・。
けものフレンズプロジェクト・ヤオヨロズ
アニメ「けものフレンズ」より引用
当然、ファンは続編を待ち望みましたが、いくつかの短編スピンオフのショートアニメが動画サイトなどで公開されたあと、現実の世界で大騒動が持ち上がりました。
くわしくは、「けものフレンズ 騒動」のキーワードでネット検索されたい。
ここではけものフレンズという、近頃まれな社会現象を起こしたアニメ作品について、思う所をのべます・・・。
けもフレ騒動の考察
とはいえ、一連の騒動のあらましにふれないわけにはいきません。
発端は、9月末にこのアニメの監督を務めた人物が、とあるSNSで降板を表明したことでした。
騒然としたファンが、そのSNSで論争を始め、ついにはスポンサーや制作サイドの企業に抗議をする事態に発展。
たまりかねた制作サイドは、10月初めに声明を出し、以来事態は沈静化にむかいました。
しかしその後もSNSで物議がくすぶりました。
とはいえ、別段アニメがお蔵入りしたわけでもなく、今でも普通に再放送されています。笑
かくいう僕も、ネットで「けものフレンズ」て何?と検索してから、衛星放送などで見始めたクチ。
見始めて、これは面白い、ていねいにつくられた動画だし、未消化の伏線はあるものの、それはそれでいいじゃないか、と思っています。
設定や世界観が謎、というアニメはこれまでにもありました。
また、制作サイドに抗議や懇願が殺到したマンガ、アニメはほかにもあります。
最近のケースははばかられますが、たとえば古い例で「フランダースの犬」がアニメ化された際、ラスト近くで主人公と犬を殺さないで、という希望が制作会社に多数寄せられました。
なにしろネットなどは影も形もなかった時代なので、そうした騒動は当時の新聞で知ったのだが、冷静にかんがえると、これはもともと無理な願い。
すでに作品は完成して、次の企画が進行していたはずなので、変更することはできなかったと思われます。
「けものフレンズ」のばあいも、最初から一つの企画としてアニメ化されたのでは、という観測があります。
もともとこれはCGゲームとしてアプリが配信され、それが終了したあとにアニメが発表されたらしいです。
そして、コンビニでのグッズ化などの企画が展開され、さあこれからという段階での大炎上。
企画制作側のとまどいは半端ではなかっただろう。
先ほどもいったように、このアニメには謎の積み残しが多いので、続編の待望論がふくらんだという面が否めない。
しかし、ラストでかばんちゃんは海のかなたに出航したので、これまで出会ったフレンズともお別れということになります。
推測に推測を重ねても、結論はでるはずがない。
ただ、アニメ作品は12話をもって最終話となっているのはたしからしいです。
それは、ネットのまとめサイトや関連サイトをあたれば判明します(あくまでも、筆者こと私の結論です)。
では、未消化の謎と伏線は放っておいていいのか、といえば、それは個々人の考察に任せるほかない・・・と、ここまでいってしまえば、僕自身の考察もいってしまいたいという誘惑にかられます。
ここからが本当のネタバレ?になるかもしれません。
僕がおもうに、この物語は、一種の「夢オチ」ではないかと思います。
寺沢武一のマンガ「コブラ」では、冒頭さえない会社員の男が、なりたいヒーローになれるドリームマシンを体験したところ、宇宙を股にかける海賊となってアドベンチャーをくりひろげるヒーローになった、というエピソードが登場します。
もうおわかりでしょう。
けものフレンズは、テーマパークで経験したいドリームマシン、つまり「夢見る機械」のアニメ化だという設定にすれば、謎は解けるのです。
実際に夢から覚める所までアニメ化しては、もっとひどい炎上が起こったかもしれません。
それでは制作サイドの悪夢なので、夢は夢のまま終わらせるのが賢明でしょう。
たとえば、ルイス・キャロルの「アリス」では、アリスちゃんはお姉さんのそばで夢から覚める。
それでは平凡な結末なので、謎解きは視聴者に任せよう。
後はご自由に、というアニメが、とんだ「ドッタンバッタン大騒ぎ」(主題歌)というてん末の、半分笑えない騒動となったのでは・・・どうかご笑納ください。笑