近年のアニメを彩る重要な要素として、女性声優陣の存在があると言っても過言ではないでしょう。

そんな女性声優の中でも特に光り輝くレジェンドを3名挙げさせて頂こうと思います。

 

 

林原めぐみ


(C)カラー/Project Eva.
アニメ「新世紀ヱヴァンゲリヲン」より引用

 

90年代の女性声優界のヒロインといえばこの人、林原めぐみ。

林原めぐみと言えば、世間的にはエヴァンゲリオンの綾波レイ、或いは名探偵コナンの灰原哀のイメージでしょうか。

 

もうちょっと突っ込んだ所ではスレイヤーズのリナ・インバースも捨てがたいでしょう。

しかし個人的にはポケモンシリーズのムサシです。

 

世間的には比較的、美少女でシリアス(且つミステリアス)な役どころが似合うとされている様子もありますが、彼女の演技はどちらかと言えばコメディリリーフでこそ光ると言っても過言ではないと思っています。

ガラスのような繊細さがあるレイや灰原の声も確かに胸に響くのですが、リナ・インバースやムサシのような残念系美少女(美女)の方が演じる林原めぐみ自身もどこか楽しそうな感じがします。

 

また、声のトーンに関してもこれでもかというぐらいの変化を聞かせてくれます。

レイはキャラ設定上、非常に単調なトーンで喋らざるを得ないのですが(それでも棒読みにさせない演技力は凄まじいです)、逆にムサシはキャラ設定上、表情や感情が物凄いスピードで変わっていきます。

 

ドラマなんかでもそうですが、演技力のない俳優や女優が起伏の激しくスピード感がある役を演じると安っぽくなりがち。

もしも並以下の演技力しかない声優がムサシを演じたとしたら、単に安っぽい小悪党だけで終わってしまい、20年以上続くシリーズのレギュラーメンバーとして支持を得ることはなかったでしょう。

 

逆に、それだけのスピードの中に高度な表現力を盛り込めるからこそ、レイのような単調で繊細なキャラクターも映えるのかもしれません。

 

 

大谷育江

彼女の名前は確かに、あまり馴染みがないかもしれません。

しかし、日本人のみならず、世界中の人が彼女の声を知っています。ある意味、世界で一番有名な声を持つ女性、それが大谷育江。

 

ではなぜ、世界中にその声が知れ渡っているのでしょう。

その答えは簡単、彼女はピカチュウの中の人だからです。

 

アニメが海外で放送される場合、吹き替え版になる事が当たり前で、勿論吹き替え声優は現地の方が行うのが常識です。

しかし、海外の吹き替え版は勿論、海外に出荷される原作であるポケットモンスターシリーズ内のSEとしても、ピカチュウは一部例外を除き大谷育枝の「ピカチュウ!」という泣き声が全世界で採用されているのです。

 

彼女は、「ピ」と「カ」と「チ」と「ユ」と「ウ」のたった5文字だけで世界で一番有名な声優になったのです。

しかし、可愛らしい声でただ「ピカチュウ」と鳴くことぐらい、その辺にいるポケモンの事を良く知らないくせにファンとか抜かすニワカ女でも出来ます。

 

彼女の凄いところは、限られた文字数、限られた発音だけで人語を喋り豊かな表情を忙しなく見せる相棒サトシと会話を成立させるのです。

サトシがフォローを入れてくれることもありますが、彼女は基本的に「ピカチュウ」「ピカ」「ピカピーカ」などの非常に限られたボキャブラリーだけで視聴者に何を喋っているのかを的確に伝えるのです。

 

これを楽なお仕事だと思う方がいらっしゃったら、アニメ見るのやめてください。声優さんに失礼極まりない。

世界を取ったお方です、リスペクトしてください。

 

 

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松本梨香


©1995-2018 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc
アニメ「ポケットモンスター」より引用

 

ああ、何だかんだでポケモン声優で固める事になってしまいました。

だってアニポケ最高だもん。

 

松本梨香は林原めぐみ、大谷育江に比べれば表現における技巧が高く役柄の幅が広いとも言えません。

寧ろ、その逆かもしれません。

 

勿論、「遊戯王」で獏良了のような二面性のあるキャラクターをテクニカルに演じてもいますが、彼女の最大の武器はド直球に視聴者に訴えかけてくる熱量。

 

ポケモンシリーズにおいて20年以上不動の主人公・サトシを演じる彼女ですが、その魅力はなんといっても熱量です。

だからと言って、単純な熱血キャラクターにはなりません。

サトシは物凄くシンプルなキャラクターですが、単純な熱血漢でないし、周りを巻き込みはするけど無理矢理に熱量を押し付けることはしません。

 

あくまで大きな熱量を持った好漢として視聴者の目には魅力的に映るのです。

初期の頃こそキャラクターにブレはあったものの、最近のアニポケに見るサトシが熱量のこもった優しい好少年として描かれている事が非常に伝わってきます。

 

脇を固める若手声優陣の演技も、そんな松本梨香の熱量に自然と巻き込まれ引っ張られているように感じます。

押し付けがましい熱血ではなく、自然と周りを巻き込む。個人的にそんな松本梨香の熱量が贅沢なぐらい盛り込まれているのがこのアローラ編、「サン&ムーン」だと思っています。

 

新シリーズ「サン&ムーン」のキービジュアル発表時、それまでの「XY&Z」のシリアスさとの落差のせいもあってか随分不安がられましたが、それももう過去の話。

最新シリーズ「サン&ムーン」は今まで幾つもの地方を旅して沢山のバトルをしてきたサトシと松本梨香のゼンリョクの集大成を見る事ができる傑作です。

 

 

如何でしたでしょうか。

伝説を辿った結果、3大ポケモン声優になってしまいましたが、彼女達は他作品でも絶妙な仕事をする大ベテラン、女性声優界の伝説ポケモンです。

 

また、彼女らの活躍が現在の若手声優達の源流ともなっている事は明らか。

竹達のおっぱいも良いですが、たまには声だけの名演技の数々を堪能するのも良いと思います。

 

で、何で最後に唐突に竹達彩奈?

えっと、筆者が、好きだから。いけないですか?