レトロな時代を感じたい……そんな時にオススメの、明治・大正時代を舞台にした作品をご紹介します。

近過ぎず遠過ぎない、少し昔の物語。

絶妙な距離感で、なんとも良いですよね……。

 

 

はいからさんが通る


© 大和和紀・講談社/劇場版「はいからさんが通る」製作委員会
劇場アニメ「はいからさんが通る」より引用

 

大正モノと言えば外せないのが、「はいからさんが通る」です!

原作は同名の、名作漫画。

 

矢絣模様の着物に袴、ハーフブーツに、髪飾りの大きなリボン。

小道具がなんともレトロ、かつロマンチックで、胸が擽られます。

 

昔放送したテレビシリーズは、原作に近い、懐かしいタッチの絵。

近年公開された、劇場映画(前後編の、前編のみ公開済み)は、現代風のスッキリした絵柄でとっつき易いです。

どちらもオススメなので、好みのほうを視聴すれば良いかと。

 

お転婆な女学生・花村紅緒(はなむら べにお)が学問に恋に、仕事に奮闘する物語です。

まだ女性の社会進出が、始まったばかりの時代。

そんな中で結婚も仕事も、自分の意思で選ぼうとする紅緒。

 

親の決めた許嫁・伊集院忍(いじゅういん しのぶ)少尉との縁談を嫌い、彼に嫌われようと奮闘します。

そんな彼女の行動が、皮肉にも忍を惹き付けてしまうのですが……。

 

家事は不得意で、酒乱で気が強い。

でも頑張り屋で、どこか可愛いところがあります。

 

さらに颯爽と自転車を乗りこなし、剣道三段。

そんな紅緒は、現代の女性に近い溌剌とした魅力を持っており、眩しい存在です。

 

何より魅力なのは、行動力と意思の強さ。

時代が変わっても、大切な点は同じなんだな……と気付かされます。

男手一つで彼女を育てる、父親との関係にも心暖まります。

 

一方、縁談相手の忍も良い男です。

見た目は優男ながら、陸軍に所属する青年将校だけあり気骨も、腕っぷしもある彼。

若くして少尉に任命されたのは、家柄のせいだけではありません。

 

笑い上戸で、部下想い。

社交界の花形でもあります。

 

日本人とドイツ人の間に生まれたハーフであり、父を亡くし母と別れ、複雑な気持ちを抱えています。

親代わりの祖父母を大切にする、孝行者でもあります。

彼の人となりを知り、紅緒は彼に惹かれていきますが、なかなか素直になれません。

 

しかし紅緒の起こした騒動が原因で、忍は左遷され、シベリアに出兵することに。

「好きでしたよ。もうずっと前から」

忍の告白を受け、帰って来たら今度こそ素直になろうと決意する紅緒でしたが……やがて、彼の戦死の知らせが届きます。

 

やがて就職、忍にそっくりな人物との再会、関東大震災など、次々と試練が忍を襲います。

忍は、本当に死んでしまったのか?

彼を想い続ける紅緒の前に現れた、新たな男性・青江冬星(あおえ とうせい)との関係は?

忍にそっくりのロシア貴族は、本当に別人なのか?

 

そのあたりは未発表の劇場版・後編で描かれると思いますが……。

公開が、今からとても待ち通しいです。

ちなみに、新・劇場版で忍少尉の声を担当したのは、宮野真守さんです!!

甘いイケメンボイスに、観客の多くはメロメロになったハズ……。

 

紅尾を担当したのは、早見沙織さん。

こちらもハツラツとして、実にチャーミングでした。

 

 

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るろうに剣心


©和月伸宏/集英社・フジテレビ・アニプレックス
アニメ「るろうに剣心 ‐明治剣客浪漫譚‐」より引用

 

明治十一年から始まるのが、かの人気作品「るろうに剣心」。

ヒロインの神谷薫(かみや かおる)嬢が夜回り中に出会ったのは、浪人の緋村剣心(ひむら けんしん)。

小柄で童顔、柔らかな物腰。

 

なのに頬の十字傷、腰の刀など、不思議な点が多い人物です。

当時は既に廃刀令が出ており、刀を持つことは禁止されていました。

 

さて。

当時巷を騒がせていたのは、「神谷活心流 人斬り抜刀斎」を名乗る辻斬り。

人斬り抜刀斎とは、幕末に活躍した伝説の人物の名前。

 

そして「神谷活心流」とは、薫の亡き父が開いた道場の名前です。

つまり辻斬りは薫の道場の名を騙っており、そのせいで道場の評判はガタ落ち。

門下生も、全員辞めてしまいました。

風評被害を消す為に、薫は偽抜刀斎を捕らえようとしますが……。

 

実は剣心こそが、伝説の緋村抜刀斎その人でした。

薫を叩きのめし、道場の建つ土地を奪おうとする悪徳兄弟(偽抜刀斎を含む)を、鮮やかに成敗した剣心。

 

彼が全国を旅するのは、かつて多くの人を斬った償いの為でした。

人を斬れない逆刃刀(さかばとう)を用いて、苦しむ人を助け続ける為に戦う剣心。

 

「人を殺さずに戦う」という彼のポリシーに共感した薫は、正体を知った上で、彼を家に居候させます。

やがて孤児の弥彦(やひこ)、喧嘩屋の左之助(さのすけ)、医師の恵(めぐみ)など、様々な仲間が道場に集い始めます。

 

困っている人を見殺しに出来ない、剣心の性格。

更に「人斬り抜刀斎」の腕前を求めて、様々な敵味方が道場を訪れます。

政治家、武器商人、新撰組の生き残り、そして死んだハズの、もう一人の人斬り……。

 

移り行く時代の中で、それぞれのポリシーを貫こうとする者達。

罪の意識に縛られる、剣心の苦悩も描かれます。

 

一方で興味深いのが、作中で登場する当時の風俗。

ガス灯や洋館に、洋装。

汽車にピストル、サーベルに船。

 

皆がよく行く牛鍋屋「赤べこ」は、当時の食生活が見えて面白いです。

個人的に、当時の警官が洋装に刀というのが、面白く感じました(漫画的に、誇張はあるかもしれませんが)。

 

新しい時代に生きる者、過去の怨みを引き摺る者。

舞台も東京~京都と、行動範囲が広いです。

 

また終盤では剣心自身の過去と、それを越えようとするドラマも描かれました。

ぜひ一度、視聴してみて下さい。

 

テレビアニメの他に劇場映画化、OVA化、2.5次元舞台化(しかも宝塚)、実写映画化もしており、今も沢山の人に愛されている作品です。

原作漫画も、続編である「北海道編」が始まりました。

諸事情により、現在休止中ですが……。

一日も早く、再開して欲しいものです。