漆原友紀による漫画を原作としたアニメ作品です。

アニメは2005年に第1期、2014年に第2期が放送されました。

「蟲」と呼ばれる生命体によって引き起こされる様々な問題を「蟲師」のギンコが解決していくというファンタジー作品。

 

その壮大で美しい世界観は見るものを圧倒しファンを大勢獲得しました。

 

第1期放送時にその魅力に取り付かれたファンは、原作の残りのエピソードのアニメ化を切望しました。

しかしなかなか実現せず、第2期の放送まで約10年近く経ってしまいました。

 

 
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第1期のときの制作スタッフを再集結させることに拘り時間を要したようです。

待った甲斐もあり、10年越しに実現した第2期の放送に大勢のファンは再びその魅力に取り付かれました。

何年経っても当時の熱を彷彿とさせ、1度惹きつけた者を決して離さなかった本作品、「蟲師」の魅力を語ろうと思います。

 

 

アニメ「蟲師」のあらすじ

「蟲師 続章」Blu-ray&DVD第二巻ロングPV

漆原友紀/講談社・アニプレックス
アニメ「蟲師 続章」より引用

 

「蟲師」という職業を生業としている主人公のギンコ。幼少期より蟲が見え、蟲を引きつけてしまう得意体質の持ち主。

蟲は一箇所に長く留まると良くないことを起こしてしまうため、ギンコは全国を旅しています。

そこで出会う様々な蟲、そして蟲と関わった人々との物語を描いています。

 

実写映画の影響からかオドロオドロしい作品であるイメージが強いかもしれませんが、あんまりそういうシーンはありません。

それよりも人情や切なさ、哀愁を表現したシーンが多いです。

 

物語は1話完結で進んでいきます。

ギンコが訪れた旅先の土地が舞台となり、毎回メインの登場人物や風景は異なっていることが特徴。

 

そのため複数回登場する人物は稀。

メインはギンコではなく、訪れた土地で出会う「蟲に関わった人物」。

毎回全く異なる人物をメインに話が進んでいく設定は珍しいかもしれません。

 

EDは毎話異なるBGM制となっており、そのエピソードをイメージした楽曲が用意されました。

物語のサブタイトルがEDの曲名となっています。

 

どこまでも原作に忠実に作られていることも特徴的であり、原作者の漆原友紀も好意的に受け止めています。

さらに、物語にリアリティを生み出すため、子どもの登場人物の声優は実際の子どもを採用。

 

そして驚くべきなのは、この作品、CGを一切使用していないんです。

 


漆原友紀/講談社・「蟲師」製作委員会
アニメ「蟲師」より引用

 

あの幻想的な雰囲気、蟲のリアルな動きを全て手書きで描いているんですよ。

CGを使用するとリアリティはでますが、どうしてもどこか無機質な印象を備えてしまいます。

 

作品の顔となる「蟲」は動物でも植物でもない生命体。

他を脅かすためでなく、ただそれぞれが在るように在るだけ。

このようなモチーフを忠実に再現するためにCGではなく手書きを採用し、幻想的でどこか温かみのある描写を実現させました。

 

 

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アニメ「蟲師」の印象的なエピソード

様々な蟲の話を展開してくれる本作ですが、個人的に印象に残ったエピソードをいくつかご紹介します。

 

1つ目は「柔らかい角」。

 


漆原友紀/講談社・「蟲師」製作委員会
アニメ「蟲師」より引用

 

雪の深い山奥に住む小さな男の子の耳には蟲が住み着いていました。

それは音を食べてしまう蟲。

 

男の子は頭に角を生やし、無音の世界を過ごしていましたが、何故か良く耳を塞いでいました。

その理由とは一体…。

 

小さな男の子が主人公のお話ですが、非常に心に染みるお話だなと、個人的には気に入っています。

耳を塞いでいたのは、かつてに彼の母親が良くやってくれていた行為だからでした。

周囲の人は少年を訝しげに思っていましたが、小さな彼の心に宿っていたのは、母を思う、小さくも確かな優しい心。

 

とても寒そうな土地が舞台なのに、しんみりと心に落ちてくるようなお話で、何故か落ち着きをもたらしてくれました。まるでしんしんと静かに降り積もる雪のように。

 

 

2つ目は「筆の海」。

 


漆原友紀/講談社・「蟲師」製作委員会
アニメ「蟲師」より引用

 

代々その身に禁種の蟲を封印してきた一族の4代目の少女。

蟲を宿しているために不自由な身体を持ち、苦痛に耐えながらも少しずつ身体から蟲を書として解き放って生きます。

蟲と共に生きる少女と、蟲から離れるように旅を続けるギンコの静かな交流のお話。

 

相反する2人の交流を描いていますが、どこか分かり合っている様子が伺えるお話です。

共に運命を受け入れ、相対的な相手にも理解を示し、その成り行きを見届けている距離感が心地良さを与えてくれます。

このお話で登場する蟲も印象的で、少女が箸を使い蟲を書に封印するシーンは幻想的で美しさを備えていました。

 

躍動感に溢れ、形にとらわれない蟲の在りようを見ることができたお話です。

 

 

3つ目は「雷の袂」。

 


漆原友紀/講談社・「蟲師」製作委員会
アニメ「蟲師」より引用

 

5年の間に4度も雷に打たれた少年のお話。

ギンコはその原因を蟲によるものだとして診療を申し出ますが、少年の家族は何故か浮かない表情を見せています。

このままではいつか死んでしまう可能性もあるのに渋る家族に対しギンコは疑問を抱きます。

我が子を愛せないことに悩む母と、愛されないことに悩む子のお話です。

 

母は雷に打たれた息子に恐怖心を抱き、愛せないと悩んでいます。

一方で少年は愛してくれない母の思いを知りながらも雷に打たれることに抵抗せず、愛されないことに悩んでいます。

すれ違いが生じている1組の母子の様子が描かれ、それぞれの胸に秘めている思いが伝わる物語。

 

思いが募るも思ったようにできない葛藤が映し出され、心に突き刺さるような生生しさが印象的でした。

 

 

アニメ「蟲師」の感想

個人的には本当に大好きな作品なんですが、どのように本作の魅力を伝えて良いのかが分かりません。

 

幻想的、綺麗、落ち着く、心に沁みるなど、当てはまる言葉はあるのですが、どれもわたしが抱いた本作への思いとズレているように感じてしまうんですよね。

ハッピーエンドともバットエンドともとれない、独特の余韻が個人的にツボだったのですが、その良さをどう伝えたものか…。

 

しかし作品のクオリティは自信を持って保障します。

 

どこまでも丁寧に作られており、制作陣の愛が籠もっている作品。

そこに本作の持ち味である静かで美しい世界と人々との関わりが加わり、大切に大切に見ていたい、そんな作品に仕上がっていると思っています。

未視聴の方には是非見てほしいですね。

 

個人的には主人公の「ギンコ」は「男が選ぶカッコいい男」にランクイン。

 

作画に関しては「神作画ランキング」にランクインさせています。

是非とも合わせてご覧下さい。

 
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