アニメーションに欠かせないもの……その一つが、作品のオープニング、及びエンディング映像です。
たった数分で、作品の世界観や内容を紹介する、一つの作品とも言うべきもの。
曲と映像がそれぞれ素晴らしいのは勿論、その二つがピッタリとリンクした時の感動は、鳥肌が立つほどです。
私にとって、特にオープニング映像は重要で、それを目当てに見始めた作品も多くあります。
今回は、星の数ほどある素晴らしい映像の中から、個人的なイチ推しをご紹介させて頂きます。
なお、もちろん個人の趣味によるセレクトですので、その点ご了承の上お読みください。
きっとこの世にはまだまだ、私が知らない素晴らしい映像があるとは思いますが……。
ご紹介するものは、レンタルDVDやネット上で、今でも視聴出来るモノばかりです。
渋い・アニメとは思えない部門
それでは、まず「渋い・アニメとは思えない部門」から。
思い浮かぶのは「十二国記」です。
アニメらしくない、版画を思わせるタッチの絵が次々と表示され、作品世界が紹介されていきます。
重厚な音楽と相まって、アニメの始まりというよりは、大河ドラマのオープニングを見ているような感想。
しかし、それが作品の内容にとてもよく合っています。
ちなみに十二国記は、エンディングも秀逸です。
「月迷風影」という楽曲が素晴らしいのは勿論、流れる映像は、ひたすら走る馬車と、移り変わる景色のみという渋さ。
天気が変わろうと場所が移ろうと、ひたすら走り続ける馬車は、何かを暗示しているようにも思えます。
「この体朽ちても きっと走り通す」というフレーズが印象的な、大好きなエンディング曲です。
個人的には「BLOOD+」(ブラッドプラス)の第二・第三オープニングも、この系統だと思います。
そもそもこの作品と出会ったのは、何気なくつけたテレビに映った第二期オープニング映像がキッカケでした。
本編と異なるタッチの、謎を散りばめた、大人っぽい映像。
そして、HYDEさんの曲とピッタリとリンクする、映像の動き。抑えた色調が美しく、何度も見たくてDVDを購入してしまいました。
また第三期オープングも、系統の違う大人っぽい絵柄で好きでした。
良い意味でアニメっぽくない、手描きを思わせるタッチが……。
ただし、絵柄が本編とはかなり異なるので、初めて見る人は戸惑うかもしれませんが……。
疾走感のある楽曲も好きでした。
もう十年ほど前の番組ですが、印象深いです。
忘れてはいけないのが、「鬼物語」のオープニング。
切り絵を思わせる独特の絵が動き、重厚な音楽(ほぼボーカルなし)が流れます。
本編の可愛らしい萌え絵とのギャップもあり、また、忍ちゃんの過去を描く内容とのリンクが見事でした。
ヒロイン役の声優さんが主題歌を歌うことが多い「物語シリーズ」の中では、かなり異色なオープニングです。
ドラマチックで動きが良い部門
さて、次は「ドラマチックで動きが良い部門」です。
まずは、かなり前の作品ですが「スクライド」のオープニングを推したいです。
かなり漢臭い、バトルを前面に出した導入部分……イントロから、ぐっと作品世界に引きずり込まれました。
次々に現れるレギュラーメンバーと、曲に乗せて流れていく情景。
個人的に主人公のライバル・劉鳳(りゅうほう)のアルターの動きが好きでした。
懐かしい……。
最後まで駆け抜ける、力強いオープニング映像です。
比較的最近のものでは、「幼女戦記」のオープニングを推します。
激しい曲「JINGO JUNGLE」に合わせて、流れるように展開する映像。
主人公・ターニャのえげつない表情と合わせ、どこか中毒性のある映像でした。
主題歌が耳に残り、一時期繰り返し聴いていました。
次は、これまた懐かしの作品「犬夜叉」です。
複数あるうち、Every Little Thingの楽曲「Grip!」のものが一番好きです。
「やって来たぜ、戌の刻!」という、主人公の口上から始まるこのオープニング。
主人公チームの紹介から始まり、順に紹介されるレギュラーメンバー達。
そして、ちょうどサビに合わせて地面を割って登場する、強敵「七人隊」のメンバー。
それぞれ武器を構え、見得を切るのがカッコイイです。
そして主人公と、敵の首領の一騎打ち。動く度に風切り音など、効果音が入っているのが、ひと昔前の番組という感じで懐かしくて好きです。
今はあまり、効果音入りのオープニングは見ない気がするので……。前向きな楽曲も含め、アクションあり日常風景あり、満足度が高い映像だと感じます。
あとは、「魔術士オーフェンRevenge」も!
正直、第一シリーズは原作とかけ離れていて、あまりツボにこなかったのですが……第二シリーズにあたるこの「リベンジ」は、軽快な曲に合わせた主人公のアクションがカッコよく、どこか明るさもあって、今でも好きです。
「こけさせて踏みつける」という、基本のアクション型式をちゃんと踏襲してくれていますし……。
主人公のオーフェンだけではなく、連れのマジクやクリーオウも活躍していて、そこもお気に入りです。
「天上天下」のオープニングも、かなり動きが良くて好きでした。
原作漫画のカットを使った導入から始まり、「Bomb a Head!」という曲に合わせて動きまくるキャラクター達が、今見ても軽快です。
しっとりムーディ部門
最後は「しっとりムーディ部門」。
これまた、かなり懐かしい作品ですが……「ロードス島戦記」のオープニングを。
主題歌「奇跡の海」の、どこか異国を思わせる曲に合わせて流れる、鮮やかな色彩の映像。
なんともいえず大人っぽくて、ドキドキしました。
これまた、良い意味であまりアニメっぽくない映像でした。遠大な神話を思わせる、歌詞もとても好きでした。
この記事を書く前に久々に聴いたら、やっぱり美しい曲でした。
ぱっと思いつくものだけでも、けっこうな数になってしまいました。
きっと忘れている、素晴らしい映像がまだまだあると思います。そんなオープニングをキッカケに、作品を視聴するのも悪くない……そんなふうに思います。
冒頭でもお伝えしたように、オープニング・エンディングは、それ自体が一個の物語のような、素晴らしい作品ですから。