犬夜叉。

作品の存在は知っていながら、まだ見たことが無い・・・と言う人は結構大勢いるでしょう。

妖怪大戦争みたいなイメージを抱いている人が多いかもしれませんが、実は人間の心情を繊細に描いた作品。

その関係性が親子3人にわたり顕著に出ている様に感じたので、今回は主人公の犬夜叉を中心としてその父親と兄について考察をして行きたいと思います。

 

 

 
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犬夜叉作品の恋人との関係

高橋留美子先生の漫画を原作とした、人気アニメ「犬夜叉」。

今回は、主人公と兄、そして彼らの亡き父親の、それぞれのパートナーとの関係について考察させて頂きます。

今回の「パートナー」とは相棒ではなく、妻・恋人のことです。

 

つまり、亡き父上の場合は、妻の十六夜さん。主人公の犬夜叉は、恋人の日暮かごめちゃん。

主人公の兄・殺生丸は、現時点では保護対象であり、恐らく未来の妻になるであろう、りんちゃんを指します。

 

この3組は、何かと共通点を感じるカップルなのです。

物語上も対になる部分が多く、色々と考えさせられます。

 

 

犬の大将と十六夜姫

ちなみに、亡き父上の「犬の大将」(本名は明かされていません)には、二人の妻がいます。

殺生丸の母親である、妖怪の美女「御母堂さま」。

こちらも本名は明かされていませんが、完結編アニメの九話に登場し、強いインパクトを残しました。

殺生丸とそっくりの美しい容姿に、ツインテール。

そして、どこか人を食ったような言動。

意外と息子に甘く、夫を大切に想う発言もしています。

 

彼女も魅力的なのですが、今回は「妖怪の夫と人間の妻」がテーマなので、御母堂さまには言及しない方向で……。

しかし彼女と父上の間にも、しっかり愛情や信頼はあったと思われます。

御母堂さまの言動の端々や、息子への伝言や遺品を、妻へ託したことも含めて。

彼女の性格からして、労り合う夫婦というよりは、強い雄と雌が信頼で結ばれる、同志のような関係だったのかもしれません。

父上が亡くなっている今、想像するしかありませんが。

当時は一夫多妻制だったでしょうし、浮気という感覚ではなかったのでしょう。

 

ともあれ、妖怪の妻とは別に人間の十六夜(いざよい)姫と愛し合い、半妖の息子・犬夜叉を儲けた父上。

彼女の身を護る為の護り刀を作ったり、息子へ衣を遺したり。

母子へ深い愛情を持っていたと思われます。

 

テレビシリーズとは矛盾が生じますが、映画「天下覇道の剣」では、彼女と犬夜叉を救う為に命を落とした描写もありましたし……。

とかく人間を軽んじる妖怪が多い世界で、父上は人間の妻とその子を、深く愛していたと思われます。

 

死んだ後に備えて、息子を強くする試練を用意していた位ですし……(犬夜叉に残した刀・鉄砕牙など)。

そして犬夜叉も、普段はぶっきらぼうで意地っ張りながら、根は素直で優しい少年です。

半妖として妖怪からも人間からも疎外される、辛い半生を送ってきたのですが……それでも根がお人好しなのは、小さい頃、父母に愛されて育ったからなのでしょう。きっと。

 

 

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犬夜叉と日暮かごめ

そして、その犬夜叉。

五十年前は人間の巫女・桔梗と初めて淡い恋をし(桔梗に関しては長くなるので、今回は割愛させて頂きます)、やがて桔梗の生まれ変わりである、かごめちゃんと惹かれ合います。

前述のような境遇から、他人と距離を置き、弱みを見せない生き方をしてきた犬夜叉。

でも、優しさと明るさを持つかごめちゃんと過ごすことで、本来の優しい性格を取り戻していきます。

かごめちゃんと出会い、仲間と出会い、腕も心も試練を超えて強くなり……。

 

最後は

「かごめと俺は、お互いと出逢うために生まれてきた」

とまで言い切るように。

かごめちゃんは、彼に幸せをくれた太陽のような女性なのでしょう。

 

 

殺生丸とりん

そして、犬夜叉の腹違いの兄である・殺生丸。

彼は前述の通り、妖怪の両親から生まれた純粋な妖怪です。

その為生まれつき強大な力を誇り、また自分の純血にこだわっていました。

 

父親が人間の女性と恋をしたせいかは不明ですが、登場時の彼は人間を虫けらのように蔑み、「下らぬ生き物」と言い切ったほど。

当然、人間を母に持つ弟も認めようとしません。

本気で犬夜叉を殺そうとし、兄弟の間には深い確執がありました。

 

ところが、そんな彼がある日、一人の人間の少女と出会ったことで、変わり始めます。

その相手とは、人間の童女「りん」ちゃん。

 

重傷を負って動けない彼を、懸命に看病したのが彼女でした。

幼児なので、水や食料を持ってくるのが精いっぱいでしたが……。

珍しく弱っていたせいか、彼女の見せる無邪気な笑みに、どこか心を動かされる殺生丸。

 

そして彼は、狼に噛まれ命を落としたりんを、父の形見の刀で救います。

他人に興味を持たず、強さのみを追求してきた大妖怪が、初めて慈悲の心を持った瞬間でした。

それ以来足手まといな筈のりんを連れ歩き、一緒に旅をする殺生丸。

攫われれば助けに行き、敵がくれば護り、りんが危ない時には、敵に背を向けてでも救出に向かうほど。

なんだか、凄い勢いでりんにデレていくのです。

 

アニメでは、原作以上にそういった描写が多く、微笑ましさにニッコリしてしまうほど。

最初から誰より強かったものの、情を持たなかった殺生丸。

そんな彼は一人の少女に出会い、父が願った通りの強さと優しさを兼ね備えた、本当の大妖怪へと成長していきます。

完結編の九話では、長年拘り続けた父の形見の刀さえ、

「りんの命と引き換えなら、こんなもの……!」」

と手放すほど。

 

まだりんは幼女なので、お互い現時点では家族愛に近い感情を持っていると思われます。

しかし最終回の様子など見ると、あと数年もすれば、殺生丸とりんは恋をして、夫婦になるであろうと匂わせる描写が……。

あんなに人間を見下し、半妖の弟を蔑んでいた殺生丸が、父親と同じく人間を妻にし、半妖の子の親になる……。

そう思うと、なんとも感慨深く、ニヤニヤしてしまいます。

 

弟とは相変わらずですが、義妹のかごめとは、けっこう良い関係を築いているようですし。

そして、かごめとりんはどこかタイプが似ているのも、兄弟らしさを感じて、微笑ましいです。

あの世で、父上はきっと息子たちとそのパートナーを、嬉しく見守っているのではないでしょうか。

 
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