とうとう全12話が終了してしまった、人気アニメ「ポプテピピック」。
毎週毎週楽しみにしていました。
元々、原作漫画も一部のファンに熱狂的に愛されていましたが……テレビアニメで、爆発的に知名度が上がった印象です。
放送時間は深夜にも関わらず、ツィッターのタイムラインを占拠していたほど。
その放送が終わった今、改めて振り返ってみたいと思います。
私を始め、たくさんの視聴者を魅了した「ポプテピピック」の魅力とは……一体、なんだったのでしょうか?
ポプテピピックの評価・感想
素材(=原作)の良さ
元々、ポプテピピックは4コマ漫画。
可愛い絵柄と、毒を吐く暴力的なキャラクターのギャップ。
それでいて、時折見せるヒロイン二人の仲睦まじさに、キュン☆と胸ときめいたり……。
出版社を爆破する過激な展開に、時事ネタや他作品のパロディを連発する、人を選ぶ内容。
漫画は勿論、1コマを切り取った画像の面白さや(よくツィッターで使用されています)、ラインスタンプなど……。
キャラクター自体が一人歩きし、愛されている印象です。
そして、原作者の「大川ぶくぶ」先生。
今回のアニメシリーズ成功には、大川ぶくぶ先生の影の功労があったようです。
ポプテピピックは毎回、声の担当が変わることが話題になりましたが……。
雑誌を拝見すると、声の候補を決めたのは大川先生だったとか。
かなり声優さんに詳しい人みたいですね。
アニメのEDで「原作者!あんスタ好きなら、もっと(声優を)推せ~!」と言う台詞がありましたっけ……。
原作ありきなのは勿論ですが、アニメ化の成功にも、大川先生の力が大きかったようです。
ちなみに、アニメのOPに出てくる大川先生の肩書きが毎回変わるのが、地味に面白かったです。
初回は普通に「原作者」でしたが、回を追うほどに
「エグゼクティブ クソマンガプロデューサー」
「宮っ子」
「漫画大好き」
「大学中退」
「バーチャルユーチューバー」
「光の戦士」
「クソマンガボーイ」
等々……。
毎回毎回、地味に楽しみでした(笑)
可愛い絵柄
原作からそうですが、とにかく絵が、キャラクターが可愛い!
ⓒ大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用
主人公のポプ子とピピ美は、実に愛らしいデザインです。
ただし、喋らなければ……。
そんな可愛い子達が怒りで顔中に血管を浮かせたり、釘バットを持って暴れたり。
はたまた(厳しい放送コードをものともせず)飲酒をしたり、喫煙をしたり、おっさん声で喋ったり……。
中学二年生、14歳なのに。
そんな「可愛らしい外見」と「えげつない行動」のギャップが、得も言われぬインパクトなんですよね。
ⓒ大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用
毎回変わる声優さん
そして冒頭でもお伝えしましたが、本作の大きな特徴は……毎回、主人公二人の声の担当が変わる!という恐るべきもの。
しかも大御所から、若手まで……。
更に同じ話を、声を変えて連続で流すという驚きの構成でした。
おかげでAパートとBパートでは、どう変わるのか比較するという楽しみ方が出来ました。
忘れもしません……一話目のAパート。
大塚芳忠さんと、江原正志さんの声で喋り出したポプ子とピピ美を見た時の、あのインパクトを……。
また毎回のペアが、「三ツ矢雄二さんと日高のり子さん」のように、因縁浅からぬペアなのも注目されました。
三ツ矢&日高ペアの場合は、名作「タッチ」で共演したお二人です。
その為「次回は誰が出演するのか?」とファンの間で予想が起きたほど。
放送時にはリアルタイムで「予想が当たったー!」「外れたー!」という、悲喜こもごもが飛び交いました。
そんな楽しみ方が出来るのが、ポプテピが大ヒットした理由の一つだと思います。
パロディの嵐
大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用
そして原作漫画と同じく、他作品のパロディが多かったのも、特徴の一つ。
漫画からアニメ、アイドル、時事ネタなど……。
元ネタが分からないなりに、分かったら更に楽しく、作品を味わうことが出来るという。
放送後はファンの間で「今回のパロディの元ネタは、これ!」と、解説が盛んにおこなわれていました。
個人的には第一話で堂々と行われた「君の名は」パロディがおかしくて、おかしくて……。
しかしいつも思うのですが、元ネタ側から怒られたりしないのでしょうか……?
そんなヒヤリとさせるところも、また本作らしい切れ味ですが。
斬新な手法
第一話から最終話まで、ポプテピピックは毎回ファンの予想を裏切り続けました。
毎回初の試みがあり、決してファンを飽きさせない……。
例えば、第一話の冒頭からいきなり別番組が始まり、視聴者を驚愕させました。
なんだ、この「星色☆ガールドロップ」という番組は……?と。
大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用
数秒後には、それが「嘘番組」と判明するというオチ付きです。
毎回、異様に手の込んだ「嘘予告」を流す。
フェルト人形をコマ撮りし、それを音楽に乗せて躍らせるという、無駄に手の込んだ試みをする。(音楽も撮りおろしで最高でした!)
大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用
はたまた、画面の右下にワイプを切って、内容を解説し始める……。
サンドアートからレトロゲーム風画面、教育番組風など、ありとあらゆるタブーを破り続けたポプテピ……。
そんなチャレンジ精神に、視聴者は思わず畏敬の念を抱いてしまうのです。
まさに
「手の込んだ手抜き」
「大御所の無駄遣い」
「全力の悪ふざけ」
と、よく言われた通りに……。
時間と技術とお金を注ぎ込んで、全力で悪ふざけ……そんなアンバランスな魅力が、本作の特徴だなあと。
今、改めて感じます。
最後に……「考えるな、感じろ」
ポプテピピックを視聴する度に、そんな言葉を思い出していました。
結局は理屈で考えず、楽しめば良い。
細かいことは気にするな、楽しければ……そんな風に思えるアニメが、どれ位あるでしょう。
最初から最後までファンを戸惑わせ、翻弄し続けた作品……。
何かと窮屈な現代において、そんな型破りな作品と出会えたことは、とても幸せだと感じます。
出来ればまた、そんな幸福な作品と出会いたいものです。
ポプテピピックの続編でも、それ以外の作品でも……。
12話分もの楽しみを、ありがとうございました。
ポプテピピック、原作者さま、そしてスタッフさま。