長く続いているアニメというのは、今の世の中にはいくつかありますが、その中でもドラえもんとサザエさんは特に長く続いています。
サザエさんにいたっては、アニメ放送がもうじき50周年になり、ギネス認定もされています。
そこで長く続いている理由について、私の個人的な考えを加味しながら考えていきたいと思います。
普遍的なストーリーである
「ドラえもん」や「サザエさん」はストーリーが普遍的。
日本の戦後のどの時代に放送しても、あまり違和感がないのではないでしょうか。
両方のアニメは、1960年代から1970年代の間に放送が開始されています。
1960年代から1970年代というのは、日本の戦後の生活や家族の形が固まってきた時代でもあります。
そしてその生活や家族の形は今ではある程度変化していますが、基本的な根っこの部分は変わっていないように感じます。
そのため、家族とその周辺が舞台となるドラえもんとサザエさんのストーリーは今でも普遍的なのでしょう。
時代に合わせて制作スタッフを変えている
ドラえもんとサザエさんのストーリーは普遍的であると言いましたが、実は普遍的なものを作り続けるためには変化が必要だと個人的には感じています。
普遍的なのに変化があるというのは、一見矛盾していますが、それぞれのアニメの製作スタッフは時代ごとに変化しています。
ドラえもんとサザエさんは、今は漫画原作者がどちらも既に他界しています。
漫画が原作となっているアニメの場合は、原作が終了するか、または原作のストーリーが止まれば普通はアニメも終了するか放送が止まります。
しかしどちらのアニメとも、原作者がいなくなってもずっと続いています。
なぜ続くのかというと、原作にはないストーリーを制作側が作り続けているから。
さらに、その制作スタッフは変わり続けています。
原作者というのは基本的に変えることができませんが、アニメの製作スタッフを変えられないということは通常はありません。
アニメの製作には、複数人のスタッフが担当していますから、そのスタッフの中に変化があったとしてもアニメの制作は続きます。
制作スタッフに変更があった場合は基本的に若い人が代わりに入ってきます。
これは経営が長く続いている会社のことを考えると、分かりやすいかもしれません。
長く続いている会社は、その間に経営をする人が若い人へとバトンタッチされていきます。アニメの製作も通常は会社が行いますから、長く続けば製作者が若い人へと変わっていきます。
普遍的なストーリを新たに若い人が手がけるとどうなるでしょうか?
同じストーリでも演出などが、時代に合わせて微妙に変化するはずです。
ドラえもんとサザエさんはストーリーは普遍的ですが、時代ごとに微妙に変化もしていることが長く続いている理由と言える訳です。
声優が交代しながら続いている
ドラえもんとサザエさんは、声優が交代しながら長く続いています。
これは、上記の製作スタッフを変えながら長く続いている話とほぼ同じこと。
声優も重要な製作スタッフになるのです。
しかし長く続くアニメの場合、声優が交代すると視聴者にはかなりの違和感があります。
アニメを制作する側からすると、長寿アニメの声優はなるべく変えたくないでしょう。
大げさな話ではなく、声優の交代で同じアニメの印象が大きく変わる恐れがあります。
もしかしたら声優の交代が、ドラえもんとサザエさんの長い放送の歴史の中では、特に大きな変動だったかもしれません。
しかし、どちらのアニメも声優が交代しながら長く続いています。
特にドラえもんの場合は、ある時期に主役を含めた声優陣を一気に変えました。
これは制作スタッフからすると、大きな賭けだったかもしれません。
ですが、声優陣が一気に変わった後も、ドラえもんのアニメはずっと続いています。
アニメ放送を長く続けるためには、結果的に良い決断だったのかもしれません。
一話完結型の設定と登場人物の変化
ドラえもんとサザエさんがとても長く続いている理由は、長く続けやすい設定にあります。
まず、どちらのアニメも一話完結型の設定になっています。
一話で完結しますから、その次の話では、前の話のことを気にしなくて済みます。
独立した話が一話ずつ積み重なって続いているのが、結果的に「ドラえもん」とや「サザエさん」になるのです。
一話ずつ独立した内容であると考えると、なんだか長続きしないような感じがしますが現実では逆。
それと一話ずつ独立していますが、どちらもアニメ放送が長く続くにつれて登場人物に変化があります。
この変化は特に脇役に多い。
特にサザエさんでは、時代ごとに脇役の登場人物が変わっていますね。
そして、主役と主要な登場人物にも変化があります。
これについては、主役や主要な登場人物が交代するということではありません。
性格などの設定が変化していっているのです。
一話完結型の設定だと言いましたが、またもそれとは矛盾するように、設定の変化があるのです。
これは、制作スタッフのメンバーが徐々に変わっていくのと同じような感じでしょう。
そして、一話完結型だと、視聴者は続きを気にせずに見ます。
続きものではないですから、逆に設定の細かい変更が可能なのかもしれないですね。
まとめ
ドラえもんとサザエさんのアニメ放送が長く続いている理由を考えると、普遍的で変化していない部分と変化している部分があることに気づきました。
これらは一見矛盾しているように見えますが、変化しないところと、変化しているところが、共存しているところ。
これが長寿アニメになっている理由なのかもしれません。