アニメには、頻繁に「妹キャラクター」が登場します。

それは、文字通り兄や妹がいる場合もあり、また例え一人っ子でも、小さく可愛いらしく、守ってあげたくなるような魅力がある……つまり、妹っぽさがあるキャラクターでもあります。

今回は、そんな妹キャラをピックアップして、ご紹介させて頂きます。

 

 

「物語シリーズ」千石撫子

まず挙げたいのは、「物語シリーズ」に登場するヒロインの一人、千石撫子(せんごくなでこ)ちゃんです。

彼女は一人っ子ですが、どこか幼くあどけない言動に、誰が見ても愛らしいと感じる容姿。

舌足らずな喋り方も相まって、まさに妹キャラクターを代表する女の子です!

本人も自覚しているのか、主人公であり、想いを寄せる阿良々木暦(あららぎこよみ)くんを「暦お兄ちゃん」と呼んで、メロメロにさせます。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語シリーズセカンドシーズン」より引用

 

また、妹の友達だからと油断し切った暦くんを自室に誘い、際どい格好でツイスターゲームを始めるなど、危うくも大胆なアプローチを繰り広げます。

際どい状況にいながら、それを理解していない暦くんの鈍感具合も、相当にアレですが・・・。

 

引っ込み思案で恥ずかしがり、可愛くて頼りない、妹的ポジションの女の子。

しかし、撫子ちゃんの中身はただ可愛いだけの、お人形さんではありません。

意識的に振る舞っていたとは言え、暦くんには一人の女性ではなく、可愛い妹としか見て貰えなかった撫子ちゃん。

ある意味、可愛いだけの存在であることを求められた彼女は、本当の気持ちとのギャップに挟まれ、だんだんと心のバランスを崩していきます。

 

そして、暦くんの彼女の存在を知ったことと、知人に投げつけられた言葉がきっかけで、危ういバランスを踏み外してしまいます。

自暴自棄になった彼女は、神様が封じられたお札を飲み込み、なんと神様になってしまいました。

蛇神の力を手に入れた撫子ちゃんは、思い通りにならない周囲の人物を、全員殺そうと決意します。

自分の想いを受け入れてくれない暦くんと、その恋人。また暦くんの相棒を。

 

どこまでも「可愛い、可愛い」と愛で続け、従順な妹キャラであることを願った暦くん。

それは見方を変えれば、どこまでも撫子ちゃんを見下し、侮っていたということ。

そのしっぺ返しとして命を狙われてしまうのですから、あまりにも代償は大きかった、ということでしょう。

未熟さや幼さが、ある時、恐ろしい残酷さに変わってしまう……撫子ちゃんほど、妹キャラの可愛さと恐ろしさを体現したキャラクターは、他にいません。

 

 

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「BLEACH」雛森桃

次に挙げたい妹キャラは、「BLEACH」(ブリーチ)に登場する雛森桃(ひなもりもも)ちゃんです。

彼女も一人っ子でありながら、小柄で幼い容姿に可憐な顔と、どこか妹的な印象です。

死神なので実年齢は数百歳ですし、鬼道(きどう)の熟達者ですが、精神年齢は見た目相応。

自分より背の小さい&幼なじみの上官を「シロちゃん」と呼んでしまい、注意されることも。

 

また非情な判断を下す上官に、我慢出来ず異議を唱える時もあります。

黒幕の藍染(あいぜん)に騙されてしまったのも、真っ直ぐで素直な気性のせいかもしれません。

 

厳つい男性陣が多い死神の中で、彼女は貴重な可愛いキャラクターです。

 

 

「To LOVEる」結城美柑


©矢吹健太朗・長谷見沙貴/集英社・とらぶる製作委員会
アニメ「To LOVEる」より引用

 

そして、エッチなラブコメの金字塔である「To LOVEる」(とらぶる)の、結城美柑(ゆうきみかん)ちゃんも。

彼女はまだ小学生ながら、兄を助け、家事を一手に切り回すしっかり者です。

まだ未成熟ながら、可愛い顔とスタイルの良さで、将来有望な女の子。

トラブルに巻き込まれがちな兄・リトに呆れながらも、何かと心配しています。

兄をリトと呼び捨てにするツンデレさや、居候の宇宙人達に動じないところは、本当に頼もしいお嬢さん。

 

実の妹ながら、リトのトラブル体質に巻き込まれ、際どい目に遭うことも……。何かと苦労が絶えない、しっかり者の妹キャラクターです。

 

 

「恋風」七夏

2004年の公開作品なので、少し懐かしいですが……妹と言えば、「恋風」(こいかぜ)がありました。

同名漫画が原作で、タブーに真っ正面から向き合った作品です。

主人公は、年の離れた兄妹。

 

兄の耕四郎(こうしろう)と妹の七夏(なのか)は、実の兄妹。

しかし妹が生まれてすぐに、両親が離婚。

二人は離ればなれになり、接点を持たずに成長します。

そして兄が二十八歳、妹が十五歳になった時・・・妹の進学を切っ掛けに、二人は久々に顔を合わせます。

同居を始めたものの、ずっと離れて育った彼らには、「普通の兄妹」という感覚が分かりません。

目の前にいる七夏は、可愛いくて魅力的で、自分を慕ってくれる……。

一人の女の子として七夏を見てしまう自分が許せず、耕四郎は自己嫌悪し、苦悩します。

 

そして、七夏も許されないことと知りながら、自分の中の、兄を慕う気持ちに気付きます。

実の兄妹で好き合ってはいけないと分かっている。

でも、お互いを兄妹と知らずに対面したのに……。

実の兄妹の恋という、許されない関係に真摯に向き合った作品です。