子供の頃から馴染みが深いジブリ作品「となりのトトロ」。
日本人はこの作品を何度も見ながら成長をします。
これはスゴいことですねえ・・・。
しかし、この作品を見れば見るほどその深魅力の虜になっていきます。
今回は大人になった僕がトトロを見て感じた事を紹介します。
あまりアニメは見ない方だとしても・・・殊ジブリ作品は例外で、ほとんどの作品は観ているかと思います。
ジブリ作品は、「天空の城ラピュタ」や「魔女の宅急便」、「もののけ姫」など、国内のみならず、海外でも非常に高い評価を受けています。
今や日本のアニメ文化の中でも代表的な至宝の作品だらけ、世界に誇る日本の文化がジブリ作品。
ジブリ作品を観ていて、いつも感心させられるのが、人物や動物など、動きのあるものは、主人公だけでなく、常に全てのものが自然に動いているということです。
主人公の後ろに居るその他大勢の人など、見事にひとりひとりが、異なった動きをしています。
なので、ジブリ作品を観ていると、アニメを観ているというより、生身の人間が演じている作品そのものを観ているかのような錯覚にとらわれます。
あるいは、その人物の表情ひとつ取っても、とても表情豊かで、とてもアニメだとは思えません。
「おもひでぽろぽろ」は、20代後半の女性の微妙な年頃の、笑顔になった時などの微妙なシワなども、上手に表現されています。
岡本螢・刀根夕子/スタジオジブリ・徳間書店
劇場アニメ「おもひでぽろぽろ」より引用
「もののけ姫」では、狼が多く登場しますが、きちんと動物の動きを観察されて描かれているな、ということを感じます。
スタジオジブリ・徳間書店
劇場アニメ「もののけ姫」より引用
そんな、感心させられることの多いジブリ作品ですが、その代表作のひとつ、「となりのトトロ」は、子供の頃から大人にかけ、おそらく誰からも愛されています。
又見たことのある人が多くいる代表的なアニメ映画作品のひとつと言えるでしょう。
僕自身も、子供の時に初めてこの作品を見て以来、数あるジブリ作品の中でも、1番好きな作品のひとつとなっています。
子供の時には、単純に、トトロがかわいいだとか、ネコバスに乗ってみたいなだとか、面白くて観ていましたが、大人になって観る度に、この作品の言わんとしていることを考えさせられています。
トトロが登場する重要なシーンで度々出現するクスノキは、別名、神秘的な木、霊妙な木という意味の「奇(くす)しきの木」とも言われます。
そのことから、トトロは、古くから存在する木の精霊なのかも知れません。
トトロは、あたりも暗くなり、降りしきる雨の中、眠ってしまったメイをおんぶしているサツキの前に姿を現し、小さな実を渡します。
その芽を植えると、やがて大きな木に成長し、トトロが現れ、サツキとメイを乗せて空を飛び交います。
又、入院していた母親の仮退院がなくなり、気丈だったサツキが泣き出してしまい、そんな様子を見ていたメイは、母親にとうもろこしをあげようと、姿を消してしまいます。
必死になって探すサツキや村人達でしたが、姿は見つかりません。
夜になり、森の中でトトロに出会ったサツキは、トトロと共にメイを探し、迷子になったメイを見事みつけ出します。
このように、トトロは、サツキやメイがピンチになった時に現れ、手を貸してくれます。
スタジオジブリ・徳間書店
劇場アニメ「となりのトトロ」より引用
心細い気持ちを温め、最後には笑顔を取り戻させてくれ、姉妹の絆を強くさせてくれるなど、子供心を少し成長させてくれます。
トトロは、子供だけでなく、人が成長していく際の何かパワーの現れなのかも知れません。
それは、愛情であったり、努力であったり、様々でしょうが、人はそれぞれ、何かしらの力を秘めていて、それを発揮し、乗り越えた時に成長していきます。
サツキとメイがトトロに小さな実を貰い、それが芽となり、やがて大きな木へと成長していくのと同じように、人間も心身共に成長して大きくなってゆきます。
又、この作品は、人間同士の繋がりの大切さ絆としても気付かさせてくれます。
迷子になってしまったメイを、村人達は、総出で必死になって探してくれるのです。
そこには、現代の希薄になってしまいつつある人と人との繋がりの深さの大切さを思い起こさせてくれます。
あるいは、引っ越してきたサツキの家に訪れたカンタは、「お前んち、お化け屋敷!」と言っては、何かと意地悪くします。
けれど、小学校からの帰り道に突然雨にあい、地蔵堂で雨宿りしていたサツキとメイに会ったカンタは、自分の傘を差し出し、自分はずぶ濡れになりながら帰ります。
ずぶ濡れになった姿を見て、母親に叱られたカンタでしたが、そこには、カンタの純粋な優しさを感じます。
このジブリ作品は、人間の成長、愛情、絆、思いやり、エネルギーなど、人にとって大切なものを教えてくれる作品だと言えると思います。
単なる子供向けのアニメ映画として捉えず、これからも一層深く観続けていくことによって、更に何かまだ気づいていないことを教えてくれそうな作品です。
僕には4歳の娘がいますが、ちょうどメイと同じくらいの年齢かと思います。
そろそろ観せても良い年頃になってきたので、是非観せてあげたいと思っています。
そして、子供達ならではの感想を聞きたいなといろいろと思います。
僕のように気に入ってもらって、どんどん観て、その年齢、その年齢での感想を聞くのが楽しみになります。
今、もしかしたら、僕には見えていない何かが見えていて、日々成長していっているのかも知れませんね。