2018年冬クールのアニメが終了しました。

冬クールとは1月~3月期のアニメ。

つまり年の1番初めのクールです。

それなのに僕は既に「2018年の覇権アニメキタコレ」と思っている作品と出会いました。

それが「宇宙よりも遠い場所」。

 

「宇宙よりも遠い場所」が高い評価を獲得している5つの理由

アニメ「宇宙よりも遠い場所」は非常に高い評価を獲得しています。

Amazonプライムビデオではこんな評価。

 

 

この数値は2018年冬アニメの中でもトップレベル。

と言っても2018年冬アニメは稀に見る豊作クールでしたので、タイミングによっては「宇宙よりも遠い場所」よりも高い数値を出している作品もあります。

 

ただね。

僕が冬アニメの中で最も高い評価を下しているのが「宇宙よりも遠い場所」。

 

その5つの理由とは・・・

 

1つ1つ掘り下げて解説をしていきます。

 

古くからある王道「青春 × 感動」

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

 

「宇宙よりも遠い場所」という作品は女子高校生の「ド青春」を描いた作品であり、「成長」していく姿を映し出した作品です。

それでいて南極への「大冒険」を描いた作品でもある。

 

「ド青春」、「成長」、「大冒険」。

まさに王道中の王道。

これらの要素が織りなした先には必ず「感動」が巻き起こります。

 

「宇宙よりも遠い場所」という作品は、基本的にこの4つの要素が延々と繰り返されます。

 

 

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

えば第1話で一歩を踏み出したキマリ。

2話では新宿を激走し、まさに「ド青春」の真ん中を突っ走り、その結果南極へ向かう「大冒険」をします。

「成長」した姿を第5話・・・めぐっちゃんとの対比によって明確に描き出していましたね。

 

 

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

えば第2話で南極への「大冒険」を決意し仲間に加わった日向。

いつも冷静に考えて大人ぶっている日向ですが、第6話にて報瀬によって侵入されたくない場所を土足で踏み荒らされましたね。

友達と本気でぶつかり合う「ド青春」を経て・・・さらに第11話で「成長」が描かれていました。

 

 

さて、ココに例で出した話数で「感動」しなかった人いますか・・・?という話。

 

結局、人間は王道に弱いのである。 by 管理人

 

王道は馬鹿にされる対象となる場合が多いですが、人は王道に弱いからこそ、それが王道として存在しているんです。笑

だからこそ人気も高い。

 

さらに。

「宇宙よりも遠い場所」という作品の評価を高めているのが、新たなトレンドとして加わりつつある「もう1つの王道」が織り込まれているからだと僕は考えています。

その「もう1つの王道」がこちら。



新しく確立されつつある王道「女子高生 × 異質なもの」

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

最近トレンドな王道。

 

それが

「女子高生 × 戦車」 = 「ガールズアンドパンツァー」

「女子高生 × 勇者」 = 「結城優奈は勇者である」

などの「女子高生」に「異質なもの」を組み合わせるというもの。

 

何を隠そう「宇宙よりも遠い場所」とは

「女子高生 × 南極」

ですね。

 

その結果、先ほども紹介したような「ド青春」「大冒険」という要素が顕著になり、より大きな感動を生み出すことに成功しています。

この「女子高生 × 南極」という組み合わせは、どうやら「ノーゲームノーライフ」制作時からいしづか監督の頭の中にあったようです。

 

TVアニメ『ノーゲーム・ノーライフ』を作っている際、「次は女の子たちが頑張る青春ストーリーが作りたい」という話をしていて、それが直接のきっかけですね。ただ、すでにさまざまな女子高生アニメが作られているので、どうせなら私たちも体験したことのないことだったり、行ったことのない場所を描いてみたいなと思ったんです。それで、「行ったことの無い場所……南極?」みたいな感じで決まりましたね(笑)。
http://yorimoi.com/special/interview.htmlより引用

 

このテーマと作品名のタイトルに関して・・・

「宇宙よりも南極の方が近いし」とか、「タイトルが壮大過ぎて無理」とかいう意見もあるようです。

万人受けするコンテンツなんてこの世に存在しないので仕方がありません。

 

似たようなテーマを扱うと注目を集めることは出来ませんし、アニメだからこそ描けるものがありますからね。

「南極」というあまり馴染みのない場所を目的地に設定したおかげで、より理解しやすく、それでいてファンタジー色が薄まりました。

その結果、リアリティのある大冒険を描けたように思います。

 

ここまで上げた5つの要素・・・

「ド青春」、「成長」、「大冒険」、「感動」、そして「女子高生 × 南極」。

「宇宙よりも遠い場所」はその5つの要素を非常にテンポよく展開しているのが特徴です。

 

 

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テンポの良さ

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

 

「テンポ」。

これはアニメにとってかなり重要な要素だと僕は考えています。

 

えばテンポが遅すぎると「クラナド」のように50話もの話数が必要になります。

あの作品はギャルゲが原作なので、全てのルートをたどると自ずと長くなるのは避けられませんし、原作をプレイした人間から言わせると「ホントに上手くまとめたな」という感想を抱きます。

そのため、1話1話が必要な話なのですが・・・アニメから入った人にはどうしても間延びしている印象を与えてしまいます。

 

照的な作品は「Charlotte」。

13話しかないのに壮大過ぎる話を製作してしまったがために、「最終話」と「最終話以前」のテンポが全く違う仕上がりになっていましたね。

もちろん、それでイイという人もいます。

しかし、最終話でとんとん拍子に流れていくテンポに違和感を覚えた視聴者は多かったようですね。

 

あ、やべえ・・・どっちもダーマエが作ったヤツだ・・・。笑

勘違いしないでいただきたいのですが、僕は「クラナド」を始めダーマエ作品は大好きです。

ただ、いい例かな・・・と思ったので紹介しました。

 

一定したテンポ。

そして続きが気になる「引き」を見せるテンポの良さ。

 

これが「見やすさ」につながります。

見やすいから良作というわけでもないし、

見やすいから高評価というわけでもありません。

 

しかし、「見やすい作品」は「大衆受け」し、比較的簡単に高い評価を受けやすいです。

 

しかも。

「宇宙よりも遠い場所」は先ほど紹介した王道の5つの要素を備えています。

それをテンポよく流しているわけですから・・・僕が「宇宙よりも遠い場所」は2018年冬クールで最も愛される作品だと考えるのもうなづけるでしょう?

 

ココまででも十分、「宇宙よりも遠い場所」が人気になった理由がうかがえると思います。

でも、それだけではありません。

僕が「宇宙よりも遠い場所」を見た印象は・・・視聴者の1枚上を行く演出です。



視聴者の1枚上を行く構成

僕が「宇宙よりも遠い場所」を見ていて、特に出し抜かれた場面が3つあります。

 

先ほどから言っているように「宇宙よりも遠い場所」は王道の作品。

王道というのはありふれているから王道なんです。

だからこそ予想がしやすい。

 

しかし、僕は出し抜かれたんです。

出し抜かれたという事は、予想と違う展開があったという事。

 

その「3つのシーン」というのは・・・

  • めぐっちゃんの絶交宣言
  • しゃくまんえんの使い方
  • 母の死を受け入れた報瀬

です。

 

どれも来るとは分かっていたシーンです。

 

 

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

めぐっちゃんはキマリに対してずっと変な態度をとっていたので、「南極行き」に対して何かしらの思いを抱いている事は分かっていました。

それが波紋を呼ぶのだろう・・・と思ってはいましたが、あんなキレイな背景の中で「絶交しに来た」というセリフを吐いたのは出し抜かれました。

 

 

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

「しゃくまんえん」は何処かで出てくるだろう・・・と予想はついていましたが。

第6話でビジネスクラスのチケットを購入するために全額使いきるとは思ってもいませんでした。

っていうか、ビジネスクラス高けぇ・・・。

 

 

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

報瀬は母親の死を受け入れることができず、ずっと「帰ってくるのを待っている感覚」でした。

だから、いつか「母の死を受け入れる瞬間」が来ることは分かっていましたが、あのような演出でそのシーンが来るとは思いもよりませんでした。

あれは絶対視聴者泣くから・・・。笑

 

 

どれも来るとは分かっていながらも、見ていてかなりの衝撃が走ったシーンです。

衝撃があまりにも大きかったので、今まで味わったことがない感覚でしたね。

 

ココまでの衝撃が無くても、いい意味で視聴者を裏切るシーンは随所にありましたね。

王道の作品なのに。

やっぱりどんな作品でも視聴者の想像を超えるような演出をしないと高い評価は獲得できないと思います。

 

「宇宙よりも遠い場所」はそれをやってのけた作品だという事。

 

さらに。

「宇宙よりも遠い場所」が高い評価を獲得している理由としてもう1つ。

もう1つだけあるのでお付き合いください。

 

全員が分かりやすく欠けてる要素がある

©YORIMOI PARTNERS
アニメ「宇宙よりも遠い場所」より引用

最後の理由は「分かりやすく欠けた要素」があること。

「分かりやすく欠けた要素」があると人気が出る。

これは現代のアイドルたちが証明し続けていますね。

 

ドコか身近に感じられるような存在。

現代では、それが人気を獲得する1つの要素となっています。

 

キマリは4人の中で一番ノロマで、作品の最初では怖くて一人では何もできないタイプの女子高生でした。

報瀬は分かりやすいほど心が狭く、他人任せ。

日向は過去の経験から一種のコミュ障的な感じに。

結月は「友達」への認識がだいぶねじ曲がっています。

 

だけど、4人が集まることでその欠けた要素を見事に埋め合わせていますよね。

分かりやすい「欠けている特徴」を、4人集まってカバーしあっている。

そのストーリーが視聴者の心にぐっさり刺さっているのだと思います。

 

「宇宙よりも遠い場所」が2018年冬アニメ最高評価の理由まとめ

以上5つ理由が「宇宙よりも遠い場所」を2018年最高の作品に押し上げた要素だと僕は分析しています。

 

その5つの理由とは・・・

  1. 古くからある王道「青春 × 感動」
  2. 新しく確立されつつある王道「女子高生 × 異質なもの」
  3. テンポの良さ
  4. 視聴者の1枚上を行く構成
  5. 全員が分かりやすく欠けてる要素がある

でした。

 

作品の評価は100人いたら100通りあります。

そのため、ココに記載したことが絶対の正解ではありませんし、絶対の不正解でもありません。

 

しかし、きっと多くの人が同じ思いを抱いているんじゃないかな・・・と思います。

それほどまでに視聴者を圧倒しつくした「宇宙よりも遠い場所」。

 

僕はなんだかんだ毎話笑い、毎話泣いていました・・・。笑

ココまで泣かされ、ここまで放送が楽しみだった作品は過去を振り返ってもなかなかありません。

本当に制作にかかわったすべての方に「ありがとうございました」と言いたいです。

 

長くなりましたが、今回はコレで終了。

是非、「宇宙よりも遠い場所」の感想を書き残していってください。^^