最新話が放送され、ますます勢いを増している作品「ポプテピピック」。

もともと原作漫画やラインスタンプも人気でしたが、テレビアニメがキッカケで、初めて作品に触れた人も多いようです。

毎回、主人公二人の担当声優さんが代わる。

二回目から、ようやく本物のオープニングが流れるなど、数々の点で注目されています。

可愛らしいキャラクターと、過激でシュールな内容のギャップも、大きなポイントです。

 

 

ポプテピピックは百合作品?

そんな本作ですが……主人公の二人、ポプ子とピピ美の関係性に、大きな魅力を感じるのは私だけでしょうか?

そう、この二人には、そこはかとない百合の香りがする!と……。

 

実はアニメ化する前から、原作漫画を読んで、うっすらと感じていましたが……。

この度アニメを視聴して、改めてそれを再確認した気がします。

 

なぜ、どこに「百合」を感じるのか。

そして、どうしてそれに、魅力を感じるのか。

そんなことを、考察してみたいと思います。

ポプテピピックのアニメを見ながら、思い出して頂ければ嬉しいです。

 

 

百合とは?

ちなみに「百合」とは、女性同士の恋愛を指す言葉・・・と一般的に考えられていますが、

レズとは若干ニュアンスが違い、百合と表現した場合は本人達が同性を恋愛対象と自覚していない場合が多いです。

 

そのため、ただの仲がよすぎる女性友達をさして使われる場合もあるのが「百合」という言葉。

単に「レズ」と同じ意味合いを持つ言葉という認識でしたらちょっとズレがありますのでご注意を。

 

ポプテピピックのポプ子とピピ美

まず、主人公達について、軽くおさらいを。

アニメを視聴済みの方には、今さら言うまでもありませんが……。

まず、背が低いツインテールの女の子が、ポプ子。

背が高くて、髪が長い女の子がピピ美。

暴れるのは主にポプ子で、それを宥める、またはアシストするのがピピ美、という関係です。

 


大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用

 

 

えば、第一話のエピソード。

飛行機の座席でご機嫌なポプ子ですが、CAさんに「ビーフ オア チキン?」と機内食について訊かれた途端、なぜか「ああ!?」と、瞬時にガチギレ。

握り締めた拳をピピ美が横から抑え、「ビーフ☆」とお返事。

ポプ子は怒りを堪え、「ペッ、命拾いしたな!」とCAさんに毒づきます。

 


大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用

 

ピピ美がいなければ、ポプ子は今まで何人、手に掛けたか分かりません。

そして、いきなりキレるポプ子に動じず、優しく対応するピピ美も相当なもの。

ついでにその間ずっと、笑みを崩さないCAさんもかなりのモノです……。

 

ここまで丁寧に解説をしてきましたが自分で書いていても意味不明。

さすが「ポプテピピック」☆

 

 

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ポプ子に甘いピピ美さん

そして第一話で出会い頭に激突し、転んだポプ子に手を差し伸べるピピ美……もう、佇まいが王子様的です。

冒頭で「えいっえいっ。怒った?」とポプ子に殴られても、「怒ってないよ☆」と、笑顔で返すピピ美。

 

また、サバサバ系女子を殺しに行こうと走るポプ子に、「赤報隊仕込みの炸裂弾」(BYるろうに剣心)を与えてサポートするピピ美の姿も。

 


大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用

 

ポプ子の目的を叶えようと、いつも隣で補佐するピピ美というのが、基本スタイルです。

そして、いつも二人は一緒。

そもそも、レギュラーキャラクターは彼女達だけで、残りは全員ゲストか、一発キャラクターです。

 

そう、本作は二人の物語なのです。

 

 

話目では、RPG風の世界に間違って召喚されてしまった二人。

戸惑う勇者達(しかも作画が途中)に、「おうお前、モノマネしろや」と、いきなり無茶ぶりするポプ子。

躊躇する相手に、ピピ美は「やれや!!」と、ドスの効いた声で一喝。

モンスターペアレント状態です、ピピ美さん……。

 

そう、ピピ美はいつも、ポプ子に甘い!

 

まだアニメ化されていないエピソードも含めると、かなりポプ子を甘やかしています。

 

そして歩く炸裂弾のようなポプ子も、他人に対しては過激なのに、ピピ美には甘えん坊です。

「私のこと、どれくらい好き?」と尋ねたり。

対するピピ美の回答は、「いっぱいちゅき……(赤面)」というものでした。

 

また「好きぷり?」と質問して、「好いとうよ……」と言われたピピ美ちゃん。

「いや~ん、方言女子~!」と、照れつつ萌えていました。

ていうか、視聴者の前で何やってるんですかね、この人達……。

 

もちろん、二人のやり取りは女子中学生らしい、キャッキャウフフなじゃれ合いです。

恋愛云々ではない、友達同士の微笑ましいやり取りだと、分かっています。

 

でも、何となく二人の醸し出す雰囲気には、男性不在の「女子校」的なモノを感じるのです。

いや、男性を必要としない、二人だけで完結した世界というか。

 

だって、ポプ子もピピ美も、彼氏を欲しがる子には見えません。

むしろ、二人の間に割り込む者がいたら、激しく弾き出しそうです、物理的に。

 

お互いが大好きで、お互いがいれば良い。

きっとポプテピピックの主人公達は、そんな関係なのだと思います。

百合と言い切るには、生々しさが無い。

でも、友情というには、ちょっと濃厚。

そんな、とらえどころの無い関係が、実は萌えポイントだと個人的に主張します。

 

二話で、ピピ美は突然ポプ子に

「私のほうが先に大人になっちゃったら、どうするか考えておいて」と尋ねます。

もしかしたら深い意味は無い、ただの思い付きの問いだったのかもしれません。

 

でも、訊かれたポプ子は、珍しくぼんやりと考え込みます。

ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、ベッドに横になっても……。

 


大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード
アニメ「ポプテピピック」より引用

 

思いがけない言葉は、彼女に不意の動揺を与えたのかも。

いつも一緒にいる友達と、一緒にいられなくなる……それは大人はともかく、中学生にはとても恐ろしい想像ですよね、たぶん。

そんなところに、ポプ子の珍しい可愛さを感じるのです。

 

さて、いかがでしょうか?

正確には「友情以上、百合未満」……そんな関係を感じる、ポプテピピックの主人公達。

今度からは不条理でスピーディーなギャグ、クオリティの高い映像だけではなく、そんな関係性にも注目しながら、観てみて下さい。

 

それでも、ちっとも百合を感じないならば……。

「さてはアンチだなオメー」(原作の名台詞)