アニメの中には、時に「親子関係」が重要な要素として登場します。

仲が良い親子、または悪い親子。

今回は、そんな親子関係をテーマにお話をさせて頂きます。

 

 

アニメ親子の愛が素晴らしい関係ランキング

 

第1位:クレヨンしんちゃん


臼井儀人/シンエイ動画・テレビ朝日・ADK・シンエイ動画
アニメ「クレヨンしんちゃん」より引用

 

「親子」で思い出すのは、まずは「クレヨンしんちゃん」の主人公・野原しんのすけと、野原ひろし、みさえの親子です。

ちなみに、しんのすけには「ひまわり」という妹もいます。

 

テレビシリーズはもちろん、映画も有名&人気な本作。

普段は息子のしんのすけに振り回されがちな両親ですが、いざという時には、ちゃんと親の頼もしさを見せてくれます。

 

普段は妻の尻に敷かれ、息子にも足が臭いだの言われる、父親のひろし。

どちらかというと、明るくノリの良い男性ですが・・・家族にピンチが迫ると、勇気を振り絞って立ち向かいます。

特に映画シリーズでは、拐われた息子を求めて外国まで駆け付けたり、超能力者に立ち向かったり。

飼い犬のシロを含めて、家族を大切にしているひろし。

 

特に「オトナ帝国」では、大人である両親が子供になってしまうという、逆転現象が起きました。

しんのすけと同い年の子供になったひろしは、息子に「父ちゃん」と呼ばれても、自分のことだと分かりません。

しかし、しんのすけにとって父親は、紛れもなくひろしだけ。

困ったしんのすけは、ひろし自身の靴の臭いを嗅がせます。

 

その、あまりに強烈な臭い(大人の臭い)が、ひろしに自分の子供~思春期~大人時代の記憶を呼び覚ましました。

初恋から上京、就職、そして結婚、子供達の誕生。

自分の半生を振り返ったひろしは、本来の大人に戻りました。

 

しんのすけを抱きしめて、涙を流すひろし。

幸せな過去の記憶より、家族と暮らす、今の生活の方が良い。そんなひろしの気持ちは、世の中を昔に戻そうとする、敵の「イエスタデイ・ワンスモア」をも動かしました。

 

家のローンはあるし、仕事は大変だし、満員御礼でクタクタ・・・そんな毎日の中にある幸せや、家族の為に頑張る父親のありがたさを、改めて感じる映画でした。

ひろしの足が臭いのも、毎日頑張って働いている証。

そう思うと、ひろしは家族を愛しコツコツ働く、理想の父親像なのかもしれません。

藤原啓次さんの声もぴったりな、名キャラクターです。

自由奔放なしんのすけも、子供を象徴するキャラクターなのかも。

 

皆に愛される妹・ひまわりや、怒ると怖い母・みさえも、大切な存在です。

野原一家は、サザエさん一家に次ぐ理想の家族像かもしれませんね。

 

 

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第2位:「NARUTO」

また、父子と言えば「NARUTO」の主人公・うずまきナルトと、父親の波風ミナトも印象的です。

ナルトは生まれたその日に両親を亡くし、孤児として育ちました。

支えてくれる人達はいるけれど、親がいる他の子供を見て、寂しい思いをしたこともあったようです。

 


岸本斉史/テレビ東京・studioぴえろ
アニメ「NARUTO- 疾風伝」より引用

 

自分の親を知らなかったナルトが、父親と対面したのは成長後でした。

自分の中に封じられた、九尾の狐「クラマ」に負けそうになった時・・・意識の世界に現れて、息子を救ったのがミナトでした。

いまわの際に、ナルトを救う為の策を用意していたのです。

生まれたばかりの息子を残して、妻と死ななければならなかったミナト。

せめて、出来ることをしてやりたかったのでしょう。

 

初めて対面した父親に、ナルトは今までの辛さをぶつけました。

孤児で辛い思いをしたこと、父親にクラマを封印されたせいで、人柱力としての苦労を強いられたこと。

 

そんな息子の想いを静かに受け止めたミナトは、「でも、お前なら乗り越えられると思った」と、息子への信頼を伝えました。

初めて父親から貰ったプレゼントは、信頼だったのかもしれません。苦しい想いを吐き出したナルトは、笑顔で父親の想いを受け止めます。

 

そしてミナトは、もう一つ息子にプレゼントを残していました。

それは、母であるクシナとの再会。

つかの間、精神世界で母と対面出来るよう、術をかけておいてくれたのです。

初めて会う母親と束の間語らい、自分が確かに、両親に愛されていたことを実感したナルト。

孤独な半生を生きた彼にとって、それはどれほど嬉しいことだったでしょう。

死を前にしても、残される息子に精一杯の贈り物を残したミナト。

それがあったからこそ、ナルトは友であるサスケの手を、拒絶されても離さずにいれたのかもしれません。

 

そして、ヒナタとの間に二人の子供をもうけて、幸せな家庭を築けたのかもしれません。

四代目火影(里のトップ)だったミナトに続き、見事七代目の火影になったナルト。

単に血の繋がりだけではなく、想いを伝えた……それが、ミナトの偉大なところですよね。

 

ちなみに映画では、ナルトは両親が生存しているパラレルワールドで、束の間幸せな生活を送りました。

ミナトが気弱だったり、若干事実と異なる部分もありますが。

まさに、夢のような嬉しい、幸せな時間だったでしょうね。ナルトにとって・・・。

 

 

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第3位:「おおかみこどもの雨と雪」

親子と言えば、「おおかみこどもの雨と雪」も外せません。

こちらは、主に母と子供達。

主人公の花さんは、狼男と恋をし、二人の子供を授かりました。

姉の雪ちゃんと、弟の雨くん。

 


「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
アニメ「おおかみこどもの雨と雪」より引用

 

しかし幸せな時間は長く続かず、夫の狼男は事故で命を落とします。

都会でたった一人で、狼(端から見ると犬)の姿に変化する子供達を育てるのは、至難の業。

まして正体がバレてはまずいので、他人に頼ることは出来ません。

 

花さんは、田舎の一軒家を借りて、一人で子供達を育てることを決意します。

しかし、野菜作りなど、なかなか上手くいきません。

それでも、近所の老人やその家族に助けられ、少しずつ田舎暮らしに慣れていきます。

 

狼の本能のまま、思い切り野原を走り回る姉弟。

狼姿になって吠えても、人目を気にせずいられます。

 

すくすく育つ子供達ですが、やがて「狼こども」ならではの問題が……。

 

動揺して、狼の力で同級生を傷つけてしまった、姉の雪。

ショックを受けて、学校へ通えなくなります。

そして、学校に馴染めなかった弟の雨は、山で狐の「師匠」に出会い、野生動物としての生き方に惹かれていきます。

 

半分は人間だけど、半分は紛れもなく狼。

人間の花さんには、理解も、協力も出来ない問題です。

子供達にどうしてやれば良いのか、母親として何が出来るのか。

花さん自身は悩みながらも、常に「子供達の味方」であり続けます。

狼男の子供を産んだからこその、他人には言えない悩みです……。

 

しかし雪には、狼こどもであることを知り、丸ごと受け入れてくれる、草ちゃんという少年が現れました。

かつて父親の狼男が、妻の花さんと出逢ったように……雪は、これからも人の中で、正体を隠して生きる道を選びます。

 

そして、息子の雨。

彼は、まだたったの十歳。

人間としては子供ですが、狼としては立派な大人と呼ばれる年齢です。

花さんは息子を失いたくないと願い、雨を止めようとしますが……雨は嵐の中、山へと姿を消しました。

母親を山崩れから救い、別れの遠吠えを残して……。

止められないと悟った花さんは、涙を堪えて息子を送り出しました。

 

子供が「狼こども」でなければ、もっと一緒にいられたのかもしれない。

もしくは、夫が生きていたら、同じ狼として色々理解してあげられたのかもしれない。

 

でも花さんは、人間ながら精一杯子供達に寄り添い、育て上げたした。

中学生になった雪は学校の寮に入り、花さんは子供達と暮らした家で、今も一人暮らしています。

近くの山で狼として暮らす、息子の雨の気配を感じながら。

 

きっと彼女は、終生この場所に暮らし続けることでしょう。

例え会えなくても、狼の生き方を選んでも、雨は彼女の息子なのですから。

強さや生き方を背中で見せたり、導いたり……そんな父親とは違い、どこまでも寄り添う、母親としての生き方を見せてくれたのが、花さんでした。

アニメ界では恐らく珍しい、「母と子供」をテーマにした作品でした。

 

 

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第4位:「CLANNAD」


©VisualArt’s/Key/光坂高校演劇部
アニメ「CLANNAD」より引用

 

続いてはアニメ「CLANNAD」。

この作品は主人公である古河渚とその父である古河秋生との絆が印象的でした。

病弱な渚のことを1番に考え、自分自身の演劇の道を途絶えた秋生。

しかし、だからこそ、渚が文化祭で一人劇をすることになった際には誰よりも応援し、舞台上で渚の心が折れそうになった時には

「俺たちは、お前が夢を叶えるのを夢みてんだよぉ!」

と周りの事を垣間見ずに叫んでいましたね・・・。

 

いやあ、このシーンは泣いた。笑

 

父親との間に確執がある朋也にとっても父親のような存在で、渚との結婚を許す際には野球で決着というなかなかユニークな方法でぶつかり合っていました。

秋生が本気だからこそ、朋也も本気でぶつかり、最終的には何かを乗り越えたような絆が出来たように感じます。

 

奥さんの早苗とはいつもコミカルな日常を繰り広げ、いつも笑顔に絶えない過程を心がけようとしています。

こんなお父さんだったらいいなあ・・・と思わずにはいられません。

 

そんな家庭で育った渚だからこそ、人にどこまでも優しく、思いやれる素敵な女性に成長しました。

まさに憧れの親子関係であり、信頼関係で結ばれた親子関係だと思います。

 

 

第5位:「BLOOD+」

「おおかみこども」とは異なり、父親が印象的な作品も沢山あります。

その一つが、「BLOOD+」(ブラッドプラス)です。

本作にも、印象的な父親が登場します。

 

それは、主人公の音無小夜(おとなしさや)の義父・宮城ジョージです。

彼は小夜だけではなく、カイ、リクという血の繋がらない兄弟も引き取り、我が子として育てています。

 

かつて、自分の家族を失ったジョージ。

しかし彼は訳アリの小夜を、正体を承知で引き取り、娘にしました。

彼の許で兄や弟と暮らした日々は、小夜にとって大切な、幸せの記憶です。

やがて次々と変化が押し寄せ、小夜達も否応なく巻き込まれることに・・・。

 

薬物を投与され、怪物に変化しそうになったジョージは、小夜にとどめを刺してくれと頼みました。

身も心も怪物になる前に、お前達の父親として、終わらせて欲しいと。

息子と娘に見守られて、ジョージは命を終えました。

 

登場期間は少なく、シリーズの比較的初期に退場した人物ですが、視聴者に強い印象を残しました。

 

人と隔絶され、暖かさを知らずに育った小夜の妹・ディーヴァ。

妹とは対象的に、家族に囲まれていた姉の小夜。

最後まで小夜が非情になりきれなかったこと、ディーヴァが時に非情な振る舞いをする理由は、そんなところに原因があるのかもしれません。

もしディーヴァがアンシェルではなく、ジョージのような人に育てられていたら……もしかしたら、もっと違う性格になっていたのかも。

小夜とも、仲睦まじい姉妹になっていたのかもしれませんね。

 

また、ジョージの息子であるカイ。

彼は最初こそ青い少年でしたが、試練を乗り越え、逞しい青年へと成長していきます。

亡き弟の子供達を育て、やがて眠りから目覚める小夜の、帰る場所を守るカイ。

彼の中には、亡き父親・ジョージの姿が、目指すべき見本としてあったのかも……そんな風に思えて、ならないのです。

子供達を守り、暖かく包み込む頼もしい父親。

ジョージは、そんな素敵な父親だと感じます。

 

 

 

以上が僕が思う素敵な親子関係を描いたアニメ。

ちょっと長くなったので5つしか取り上げませんでしたが、他にもたくさんの素敵な親子関係を現したアニメがありますよね。

 

まさにアニメは人生。

色んなことを視聴者に教えてくれます。

僕も素敵なお父さんになれるように頑張りたいですねえ・・・。