アニメ「犬夜叉」には、たくさんの魅力的なキャラクターが登場します。

最大の敵である奈落もその1人。

そして奈落から次々に生み出された分身達も魅力を持っています。

今回の記事はそんな奈落の分身達に焦点を当てて紹介していきます。

 

 

アニメ犬夜叉の奈落の分身について

人気アニメ「犬夜叉」。

その敵役である奈落には、自らの身体から生み出した分身たちが存在します。

いずれも個性的で魅力があり、強い人気を持つキャラクターばかり。

今回は彼ら分身同士の、相性について考察させて頂きます。

 

 

神無

 

まずは、第一の分身である「神無」(かんな)。

真っ白な髪と肌に、黒い目の愛らしい少女です。

彼女は奈落が四魂の魂の力を使い、初めて自分の肉塊から生み出した分身です。

 

もともと、多くの妖怪の集合体である奈落。

その妖怪の肉を壺の中で熟成させ(?)、数々の分身を作りました。

神無は「無」の妖怪であり、妖力を持たず、気配も感じさせず、敵に気付かれずに行動することが出来ます。

それどころか、妖怪は決して入れない筈の、聖域にも出入り自由。

そして彼女は、ほとんど自分の意思や、自我というものを表に出しません。

感情が存在しないのか、表に出ないだけなのは不明ですが。

 

 

神楽

 

神無が初めて共演したのは、第二に誕生した妹である「神楽」(かぐら)でした。

彼女は幼い外見の姉と違い、十七歳ほどの外見。

姉のほうが年下に見えるという、なんとも不思議な姉妹の誕生です。

神楽は姉の神無と違い、ハッキリと自分の考えや意思を持ち、思ったことはズバリと口に出すタイプ。

「風」の妖怪だけあって束縛を嫌い、自由を求める性質を持っています。

 

そんな彼女たちは、初期は何かと一緒に行動していました。

奈落の命令で、主人公の犬夜叉たちを攻撃したり、妨害したり。

神楽の風で遠距離から攻撃し、神無の持つ鏡で敵の攻撃を跳ね返す。

なかなかバランスの良いコンビだったと思います。

なにより、色っぽいお姉さんと、あどけない少女のペアは見ていて華があり、良いバランスでした。

 

しかし性格的には、神無と神楽は正反対。

自分の意思を見せず、文句も言わず奈落の命令通りに動く神無と、彼の束縛を嫌い、出し抜こうとする神楽。

「奈落の操り人形」と言いたくなるほど従順な神無は、恐らく妹の神楽にとっては、理解しがたい存在だったと思われます。

 

そして「個の意思」を持たない神無にとって、必死に奈落から逃れようとする妹もまた、不思議な存在だったのかもしれません。

二人が共に過ごす場面は多いのですが、親しく会話をするような描写はほとんど見られませんでした。(映画二作目を除いて)

姉妹でありながら、恐らく最後まで、心を通わすことがなかった二人。

互いに悪感情はなさそうですし、奈落という存在がなければ、それなりに仲良く過ごせたような気もします。

神楽亡き後、近づいてくる弟(詳しくはのちほど)の気配に、神楽を思い出す、神無の描写がありましたし。

 

「犬夜叉 完結編」でも、神無のアニメオリジナルの描写が、複数ありました。

神楽亡き後、彼女が最後を迎えた花畑を訪れ、妹の遺品である扇を拾う神無。

そして「自由」という言葉に、亡き妹を思い出す場面も。

無の妖怪である神無ですが、本人も知らないうちに、感情や願いが芽生えていたのかもしれません。そして、そこには亡き妹の影響も少なからずあった、そんな風に思える描写でした。

環境が違えば、もっと仲良くなれたかもしれない。そんな惜しい姉妹だと思います。

 

その次に生み出された分身、「悟心鬼」(ごしんき)は姉達と心を通わせる暇もなく、犬夜叉に敗れ命を落とします。

そして「獣郎丸」「影郎丸」も、同じく。

 

 

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白童子と赤子

 

その次に誕生した分身は、愛らしい少年の見た目を持った「白童子」(はくどうし)でした。

それと、奈落の心臓の化身である「赤子」も。

見た目は愛らしい白童子ですが、性格は生意気で冷酷、姉である神楽を見下し、こき使います。彼の感覚は奈落と繋がっているので、逆らうとお仕置きされてしまう。

生意気な弟に命令され、さぞかし神楽は悔しかったことでしょう。

彼は神無も見下し、赤子以外の分身と心を通わせることはありませんでした。

ある意味、奈落の性格の悪さを受け継いだと言えるかもしれません。

 

 

白夜

 

最後に生まれたのが、末弟である「白夜」(びゃくや)です。

彼は外見は、亡き姉の神楽に似ていますが、性格はむしろ正反対。

奈落に逆らえない運命を受け入れ、軽口を叩きながらも、最後まで奈落の命令に従います。

どうせ奈落が死ねば、分身の自分も滅びる。

逆らっても無駄。

そんな風に達観し、現状を受け入れていたようです。

 

彼は姉の神無の最後にも、「可哀想に」という言葉と裏腹にあっけなく見送り、最終決戦まで、奈落の忠実な部下として行動します。

最後は犬夜叉に斬られ、「未練はないね」と言い残しながら消えていきました。

奈落に働かされ、生死も握られた分身たち。

でも白夜は、さほど悲惨さも見せずに現状を受け入れていたようです。

反発し、必死で奈落から逃れようとした神楽。外見は似ていても、そんな彼女は白夜にとって、理解不能な存在かもしれません。

神楽の死後に誕生したので、二人が対面する場面はありませんでしたが。

 

 

 

それぞれにタイプが違う分身たち。

いわば兄弟でありながら、時に協力し、時に対立した彼ら。

その相性について考えるのは、なかなか興味深い時間です。

全員が勢揃いしたところを、一度で良いから見てみたかったと思います。