ラノベやマンガが原作になったアニメはたくさんありますが、本格派の小説がアニメになったパターンはそこまで多くはありません。

今回は小説が原作となったアニメをご紹介します。

かなり見応えのある作品が揃いましたので、是非まだ見ていない作品がありましたらご覧下さい。

 

 

小説原作アニメ6選

原作がライトノベルのアニメ作品は数多く存在しますが、今回はその中でもより本格派な小説を原作としたアニメを6つご紹介します。

個人的にはラノベ原作だと、「やたらタイトルが長いハーレム系アニメ」が多い印象。笑

まあ、それに当てはまらない作品もたくさんあるんですが。

それに「やたらタイトルが長いハーレム系アニメ」も普通に面白いです。笑

 

ただ、アニメの見応えの良さでいくと・・・やはり少々薄い印象。

「あーまたこのテンプレね」的な感じで見ているからかもしれないけれど、やっぱり見応えのある作品は素晴らしい。

見終えた後、「見て良かった」と心から思えるような作品をご紹介しますので是非最後までご覧下さい。

 

 

舟を編む


©三浦しをん/光文社・玄武書房辞書編集部
アニメ「舟を編む」より引用

 

「舟を編む」は「三浦しをん」による原作をアニメ化した作品。

2012年に本屋対象を受賞した人気作品をノイタミナにて2016年に放送。

辞書出版社の協力を得てオープニングには実在の辞書11冊が各話ごとに登場するという演出が施されました。

 


©三浦しをん/光文社・玄武書房辞書編集部
アニメ「舟を編む」より引用

 

出版社に勤める編集部員「馬締光也」は、新たに刊行する辞書の編集メンバーとして辞書編集部に引き抜かれました。

小さな部署に所属するメンバーたちと協力して辞書を作り上げていき、辞書の世界にのめり込んでいく様子が描かれています。

「馬締光也」は目立たない性格をしていますが、言葉を紡ぐことへの熱意と辞書を作ることにかける思いが強く、長い歳月をかけて完成に向けて作業に向かっています。

言葉のひとつひとつを非常に大事に扱っている作品で、見ているこちらも言葉の大切さに気付かされます。

 

言葉を表わす演出は拘って作られており、情熱を孕みながらもどこか心を落ち着かせてくれる作品と言えるでしょう。

ノイタミナにうってつけの作品だな、というのが総合的な感想です。

原作の雰囲気の良さをここまで再現したことに驚きつつも、原作ファンには堪らない作品に仕上がっています。

 

 

氷菓


米澤穂信/角川書店・神山高校古典部OB会
アニメ「氷菓」より引用

 

人気ミステリー小説家「米澤穂信」のよる、古典部シリーズのアニメ化作品。

現在5つのシリーズが発刊されています。

  1. 『氷菓 (角川文庫)』
  2. 『愚者のエンドロール (角川文庫)』
  3. 『クドリャフカの順番 (角川文庫)』
  4. 『遠まわりする雛 (角川文庫)』
  5. 『ふたりの距離の概算 (角川文庫)』

 

アニメでは4作目までを映像化しており、京都アニメーションが制作をするということでも話題となりました。

 

主人公の「折木奉太郎」が高校入学と同時に古典部へ入部、そこで出会った「千反田える」に謎を解いてほしいとお願いされます。

そうして知り合った2人が、様々な問題を解決していく学園ミステリー作品となっています。

 

主人公の「折木奉太郎」は省エネをモットーとしており、好奇心の塊「千反田える」に振り回されています。

その様子がどこかおかしく、物語の幅を広げています。

ミステリーが原作となっているので、アニメの中でも様々な謎が潜んでいます。

それを映像という手法の成せる最大限の持ち味を生かして、原作を簡単に想起させる作りになっていました。

それどころか、原作を凌駕してしまったほどではないでしょうか。

 

文章だけでは想像がつきにくかった登場人物の様子、謎の正体が、色と動き、音を伴って表されていました。

これを見た後にもう一度原作を読んで、それぞれの良さを味わうのも一興でしょう。

 

また、京都アニメーションが力を入れて作ったというだけあって、本当に綺麗な描写が沢山ありました。

特に最終話の夕焼けと桜が舞うシーンは脳裏に焼きついています。

どれだけ最後のシーンに力を注いで作られたかが一目で分かるほどです。

これほどまでに原作を生かしたアニメを見ないのは勿体ないと思います。

 

 

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図書館戦争


©有川浩/アスキー・メディアワークス/図書館戦争製作委員会
アニメ「図書館戦争」より引用

 

表現の自由を侵害する法「メディア良化法」が制定された時代、その対抗のために図書館は立ち上がりました。

過激な武力行使も厭わないメディア良化委員会と、表現の自由を守るために戦う関東図書隊。

関東図書隊の精鋭集団、「図書特殊部隊」に所属している「笠原郁」をはじめ、「堂上篤」「小牧幹久」らが自由のために本を守る戦いを繰り広げる物語。

 

本作は「有川浩」による小説が原作ですが、アニメだけでなく「岡田准一」主演で実写映画化もされました。

思っていたより面白いというのが第一の印象です。

ストーリーの緩急が付いており、緩い場面と固い場面の使い分けがしっかりされているという印象を受けました。

 

また、キャラ全員が「笠原郁」としっかりと関わりを持つことで、全員脇役で終わることがなく活躍していることに好印象を受けました。

恋愛要素がある本作ですが、「堂上篤」と「笠原郁」が良い感じになってく様子はいいなぁと思ってしまいます。

多少キツい性格ですが、あんな教官がいたら恋心抱きますよ、と思いながら見ていました。

 

原作はベタベタな恋愛要素を盛り込んでいるので、最初から王子様として追いかけるというベタな展開だったのですが、アニメではそれが少し抑えられていたようです。

原作のストックはあるので、続編もアニメ放送して欲しいなと思っています。

それにしても、本の閲覧が規制される世界は自分だと耐えられないでしょう。

 

 

Another


綾辻行人/角川書店・「Another」製作委員会
アニメ「Another」より引用

 

人が面白いほど死んでいく。

これが本作を簡潔に表現した言葉でしょうか。

 

原作は「綾辻行人」という大人気ミステリー小説家が書いています。

ホラー、サスペンス要素も含まれており、これをアニメにしたということがまず驚きです。

こんなアニメあるのかと驚愕したものです。

 

夜見山北中学校に転校してきた「榊原恒一」。

転校したクラスでは、何か不穏な空気が蔓延していました。皆何かに脅えているような…。

そのクラスは「厄災」というものが起きるクラスでした。

クラスにいるはずのない1人が増えた年は、クラスメイトが次々に死んでいくというものです。

その真相を知ろうと「榊原恒一」は「見崎鳴」と行動を共にしますが…。

 

このアニメを見るまで、アニメというのは明るいものだという印象を抱いていました。

それが打ち砕かれました。

クラスメイトが傘に刺さる、エレベーターが落ちて死ぬ、そんな描写を映像化していて、さらにはその緊迫感や悲鳴、表情が生々しく描かれていたのです。

正直薄気味悪いくらいです。

 

しかし内容は本当に面白いもので、本格ミステリー作家を原作とした作品の持ち味を最大限にまで描いていました。

そして少し面白かったことが、このようなアニメでも水着回はあるのかと、これまた驚かされました。

ここまで暗い作品ならそのような華やかなシーンなどないのだろうと思っていましたが、そこはやはりアニメでしたね。

原作との細かな違いを楽しむこともできる独特の作品。

 

 

空中ブランコ


©空中ブランコ製作委員会
アニメ「空中ブランコ」より引用

 

「奥田英朗」による連作短編小説集のアニメ化作品。

小説は第131回直木賞受賞作であり、2005年にはスペシャルドラマとしてドラマ化もされた人気作品です。

アニメは2009年にノイタミナにて放送されました。

 

小説1作目の『イン・ザ・プール』や同シリーズ3作目『町長選挙』に収録されているエピソードを含んでおり、2作目の『空中ブランコ』からは全エピソードが映像化されました。

アニメ化に際して主人公の精神科医「伊良部一郎」の姿は3パターン描かれ、シーンごとに姿の使い分けがされています。

なんでも「伊良部一郎」のイメージを固めることを嫌った制作側の意見なのだそうです。

 

それを含めた本作の演出は非常に目を引くもので、主要な患者以外のキャラクターとのタッチの差など、視覚的にも十分に楽しめる作品。

全体的にトリッキーな印象を持つ原作の雰囲気をそのまま引き継いだ仕上がりとなっています。

 

「伊良部一郎」はかなり変わった性格をしており、患者が注射されているのを見ることに興奮を覚えるという変態です。

無茶苦茶なやり方で患者たちの心の病を対処していきますが、案外その方法は間違っていないので勉強になってしまいます。

ポップな演出が散りばめられたエキセントリックな作品なので、見ていて楽しくなれますよ。キャラクターの個性がここまで光る作品も珍しいかもしれません。

好き嫌いの好みがはっきり分かれるでしょうが、ハマる人はハマる、そんな作品です。

 

 

新世界より

「親世界より」は貴志祐介先生による3部作の小説が原作。

これぞ小説・・・という感じで非常に重く、非常に壮大な話を描いています。

 

1000年後の日本が舞台で、超能力のような「神の力=念動力」を人間が得ている・・・という世界。

その力によって人間は絶対的には崇められるような世界の頂点に君臨しているわけですが、それにはいろーんな複雑な過去が隠されていました。

大人達はその謎を隠し続けて生活しているのですが、主人公達はその秘密の一端を垣間見てしまいます。

その結果・・・自分たちの存在意義さえも揺るがされてしまうほどの壮絶なストーリーに巻き込まれていきます。

 

「ひぐらしの鳴く頃に」みたいな独特な世界観を醸し出しつつ、めちゃくちゃキレイな作画によって表現されています。

最後まで見ると人間として生きる自分に「後味の悪さ」を感じてしまう可能性が・・・。

ただ、色んな事を考えさせられるので是非ともおすすめ。

 

個人的にはエンディングテーマも超おすすめ。

声優の種田梨沙さんが始めて主役を務め、僕がお勧めしているエンディングテーマ「割れたリンゴ」も歌っています。

 

まあ、この声優は売れるわな・・・と思わせる圧巻の演技を見せています。

 

 

以上が僕がお勧めする小説が原作のアニメ6本。

全て見応えがアリ、全てがおすすめ。

是非お時間があれば見てみて下さい。