キャラクターの成長。

それは、物語における大切な要素です。

ずっと変わらない世界や人よりも、変化し成長することで、物語が生まれる。

人がイキイキと動き、変わっていく……。

今回はそんな「キャラクターの成長」が描かれるアニメをご紹介します。

ぜひ視聴して、彼女達の成長に注目してみて下さい。

 

 

人生を見つめ直せるアニメまとめ

アニメを見ていると知らず知らずに影響を受けているということはありませんか?

アニメを見ると、様々な人生を疑似体験することができます。

キャラクターたちが悩み、苦しみ、それでも前に進む姿は時に思わず影響を受けたという方もいるのではないでしょうか。

 

口癖や話し方などを真似てしまってはイタいオタクになりかねませんが、考え方や主義など内面的なことはどうでしょうか。

このアニメの特性をうまく利用すれば自己啓発も可能です。

 

魅力的で影響力の強い登場人物が活躍するおすすめのアニメ。

そして、劇中の中で強く成長が描かれている作品をご紹介します。

 

もしかしたら理想の自分に近付くチャンスかもしれませんよ。

 

 

鉄のラインバレル

(C)2008 清水栄一・下口智裕・秋田書店/GONZO/ラインバレルパートナーズ
アニメ「鉄のラインバレル」より引用

 

主人公の早瀬浩一は、不良にパシリにされているいじめられっ子でした。

しかしある日地球に飛来した巨大ロボット「ラインバレル」に出会ってから、彼は巨大ロボットに乗って戦うファクターとなります。

 

ファクターとなってからは、身体能力も飛躍的に上がり、生身でも不良たちを圧倒するほどの力を手に入れます。

すると彼は、これまでに抑圧されていたものを吐き出すように暴虐の限りを尽くします。

 

自分こそが正義の味方だと、力を誇示するようになってしまうのです。

彼の戦い方は周りの被害を顧みず、とにかく派手に戦うひどいものでした。

ヒロインの城崎絵美いわく「最低」とのこと。

 

しかしそんな彼もJUDAという組織に入り、様々な出会いを経て、真の意味での正義の味方へと成長していきます。

自分の立ち居振る舞いについて、自己満足になってしまっていないかを考えさせられるアニメです。

 

 

SHIROBAKO

©「SHIROBAKO」製作委員会
アニメ「SHIROBAKO」より引用

 

高校時代、アニメーション同好会で「いつか自分たちでアニメを作ろう」という誓いを立てた5人。

大人になってそれぞれ形は違えどアニメに携わる仕事に就きます。

 

しかし仕事となると同好会のようにはいかず、思うようにいかないことが多々あります。

プロの世界にはプロの厳しさがあり、自分たちだけでなく、人との関わりが重要

 

アニメ制作の現場の裏側が声優、制作、グラフィック、様々な視点から細かく描かれます。

仕事の愚痴や悩み、元同好会メンバーの5人が壁にぶち当たる姿は、自分が仕事で壁にぶち当たったときを想起させられます。

灯台下暗し、自分自身のことは見えにくいものですが、彼女たちが仕事で悩み奮闘する姿を見ると、自分が仕事への情熱に燃えていた頃の初心を思い出して仕事への取組みを見直すことができます。

 

 

クレヨンしんちゃん「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2001
アニメ「嵐を呼ぶ モーレツオトナ帝国の逆襲」より引用

 

古き良き時代とはよく言いますが、時代は常に移り変わっていくもの。

大人たちが突如仕事を放棄して町から消えてしまった春日部市で、しんのすけたちはいなくなった大人たち、そして自分たちの両親を取り戻すために敵の本拠地20世紀博へと向かいます。

そこでは大人たちは懐かしさのあまり意識が子供時代まで戻っており、それぞれの青春時代を謳歌していました。

 

仕事や社会的地位、そして責任。

大人になると意図せずともいろいろなものがついてきます。

日々の生活に疲れてくると、子供のころに戻りたいと思うことがあるでしょう。

 

しかし子供には子供の、大人には大人の良さがあります。

形が違いすぎて時には見えなくなってしまうこともありますが、その時の良さを見つけることで、人は未来へと進むことができるのではないでしょうか。

 

少年時代に戻っていたひろしがしんのすけの前で人生を想起し、自分の人生の大切な思い出を思い返して、しんのすけの父親野原ひろしとして戻ってくるシーンは思わず涙してしまいます。

大人になると仕事も生活も単純作業の繰り返しのようになってしまうこともありますが、この作品は日々の生活で見落としがちな小さな幸せを見つめなおさせてくれます。

 

 

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タイガーマスク

©梶原一騎・辻なおき/講談社・テレビ朝日・東映アニメーション
アニメ「タイガーマスク」より引用

 

悪のレスラー組織「虎の穴」の殺人レスラーとして、ひどい反則の限りを尽くすタイガーマスク。

ファイトマネーを自分の育った孤児院へ寄付していましたが、虎の穴への上納金を納めることができず、虎の穴から狙われるようになります。

それから彼は、反則によるヒールプレイを封印し、子供たちに夢と希望と勇気を与える正義のレスラーとして戦うことを決意するのです。

 

改心した主人公の伊達直人ですが、子供たちのヒーローとして生きていくことは至難を極めます。

相手がいかに手段を択ばずとも、自分はフェアプレイを貫かなくてならない。

かつての自分の正義なき力は暴力であったが、誓約をかけて弱体化した自信の力なき正義に苦悩する姿に心動かされた人はきっと多いはずです。

 

2016年にはタイガーマスクWが放送されていましたが、やはりまずは初代のタイガーマスクを見ていただきたいです。

ずいぶん前の作品ですが、だからこそ今の作品にはない大きなメッセージ性があります。

 

 

GTO

©藤沢とおる/講談社・フジテレビ・アニプレックス・スタジオぴえろ
アニメ「GTO」より引用

 

金八先生では不良たちを「腐ったミカン」と呼ぶ場面がありましたね。

GTOでは生徒も問題ありですが、教師の鬼塚英吉は元暴走族の超不良です。

不良ゆえに不良の気持ちが分かる先生。

 

生徒の問題行動の裏に隠された心の叫びを掬い取っていきます。

周りの教員たちが「バカ」「クズ」「優等生」と生徒たちにレッテルを貼って接している中、鬼塚だけは先入観なく、自分が見たものを信じて生徒に接します。

 

現代社会において、先入観をもって人と接してしまうことは多々あります。

子供の時、そういう大人たちの姿を見て「こうはなりたくない」と思っていた大人に気づいたら自分もなってしまっているのではないか。

自分がなりたかった自分はこんな姿だったのか。この作品は自分の生き方そのものを見つめなおさせてくれます。

 

周りの評価に左右されず、自分に正直に、自分が正しいと思うことを全力でやり抜く姿には思わずあこがれを抱いてしまいます。

 

 

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無限の住人


沙村広明/講談社・浅野道場復興会
アニメ「無限の住人」より引用

 

まずは和風チャンバラ復讐物語「無限の住人」をご紹介します。

本作は敵も含め、皆が変わっていく物語ですが……中でも変化・成長著しいのが、主人公兼ヒロインの浅野凜(あさのりん)ちゃんです。

 


沙村広明/講談社・浅野道場復興会
アニメ「無限の住人」より引用

 

物語はそもそも、彼女の14歳の誕生日から、本格的に始まります。

剣術道場を経営する父と、美人の母。

優しい両親に囲まれて、幸せに育った凜ちゃん。

 

彼女の日常は、誕生日の夜に突然破られました。

道場に乗り込み、父親を斬り殺した荒くれ者達。

 

そのリーダーの天津影久(あのつかげひさ)は、亡き凜の祖父に恨みを持つ男の孫でした。

 

祖父の恨みを息子で晴らし、母を連れ去った天津と「逸刀流」(いっとうりゅう)の剣士達。

その日から、凜ちゃんの目的は復讐になりました。

 

二年間必死に修行をし、16歳になった彼女は不思議な老婆に「用心棒」を紹介されます。

それは、不死身の身体を持つ男・万次(まんじ)さんでした。

 

紆余曲折の末に彼を雇った凜ちゃんは、万次さんと共に、とうとう復讐に乗り出します。

母を殺した(連れ去られた後、殺されていました……)黒井鯖人(くろいさばと)を皮切りに、道場の刀を持ち去った凶(まがつ)、母が乱暴されるのを面白そうに眺めていた、川上新夜(かわかみあらや)……。

憎い相手を追い詰め、万次さんの剣と不死身の肉体を使って、一人一人殺し、あるいは重症を与え……。

 

しかし凜ちゃんは復讐者とは言え、中身は普通の女の子。

時に悩み、自分の復讐は正しいのかと、揺れる時もあります。

 

例えば、天津の協力者である女性・乙橘槇絵(おとたちばなまきえ)にかけられた言葉。

「あなたの復讐の為に人を殺すのが正しいか、考えたことはあるの?」と。

実は槇絵さん自身も復讐者であり、自分に向けた言葉でもあるのですが……。

 

それを聞いた凜ちゃんは狼狽え、戦いの途中だというのに動揺してしまいます。

彼女の中にも、同じ迷いがずっと前から有ったのかもしれません。

凜ちゃんは泣きながら「大義の為に人を殺す位なら、肉親の為に手を汚すほうがよほど人間らしい」と答えます。

 

また、仇の一人・川上新夜に出会った時のこと。

彼女は偶然、新夜の一人息子・練造(れんぞう)と知り合っていました。

憎い相手にも、家族が居た……そのことに動揺し、苦悩する凜ちゃん。

 

父親を殺せば、幼い息子は一人ぼっちになってしまいます。

復讐心と人情の間で苦悩する凜ちゃんは、悩んだ挙げ句に、新夜に会いに行きます。

新夜が息子の為、自分を始末しようとするとは、予想出来ずに……。

 

やがて凜ちゃんを助けに来た万次さんと新夜は、激しい戦いを繰り広げますが、そこに息子が帰って来て……。

凜ちゃんは、どうすべきなのか。

 

彼女の選択と、練造にかけた言葉。

最初は復讐心に駈られていた彼女は、色々な出会いを経て、少しずつ変わっていきます。

 

憎い敵への想い。

亡き両親や祖父への想い。

そして用心棒である、万次さんへの想い。

 

実は万次さんも過去に妹を死なせており、そのことへの悔いがあります。

凜ちゃんに妹を重ね、身体を張ってでも彼女を守る万次さん。

不死身であり「変わらない者」の万次さんと、年を重ね、変わっていく存在である凜ちゃん。

本作は血みどろの復讐物語であり、ヒロインの成長物語でもあります。

そして仇の天津達にも、彼らなりの物語があります。

 

アニメは最初のエピソードしか映像化していませんので、凜ちゃん達の復讐の結末は描いていません。

ぜひ最後まで、映像化して欲しいものですが……。

原作は完結済みですが、かなり長いので……全てアニメ化は、難しいかもしれませんね。

 

 

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ハチミツとクローバー


(C)羽海野チカ/集英社・ハチクロ製作委員会
アニメ「ハチミツとクローバー」より引用

 

そして、数ある成長要素のある物語から選びたいのは……「ハチミツとクローバー」です。

青春物語であり、片恋物語であり、お仕事物語でもある本作。

 

一方でハチクロは、キャラクター達の成長を丹念に描いた物語でもあります。

美術大学に通う5人の若者と、彼らを取り巻く大人達。

物語は、悩み多き5人の若者達を中心に進みます。

 

中でも成長著しいのは、主人公の一人・竹本(たけもと)くん。

優しく手先が器用だけれど、天才達に囲まれ、何かと自分と引き比べてしまいます。

またやりたいこと、やるべきことが分からず、進路に迷う日々。

 

自分に自信が持てずにいました。

恋も進路も、八方塞がり。

 

そんな竹本くんですが、ある夏の日、衝動的にママチャリで旅に出ます。

このチャリで、行けるところまで……。

行く先々の出会いや経験を経て、少しずつ吹っ切れていく竹本くん。

 

結局彼は、頂き物の長距離用チャリに乗り換えて、最北の地まで走り続けました。

頭で考えがちな彼が、身体で得たこと。

それは「ただ、ペダルを左右にこぎ続けたら、北の果てへ辿り着いた」という経験、そして実感。

 

あれこれ考えても仕方ない、目の前のことを一つ一つ、片付けていけば良い。

そんな当たり前のことを、つい皆忘れてしまうのかもしれません。

 

帰って来た竹本くんは真っ黒に日焼けし、少し逞しくなったよう。

何より、以前より肝が据わったようでした。

 

そして彼は、大好きなはぐちゃんに告白しました。

自分の想いに応えて貰えないことを承知で、それでも溢れてしまった気持ち。

彼女に拒絶されたとしても、それを受け止めるだけの厚みが、竹本くんの中に生まれたのでしょう。

 

そして想い人のはぐちゃんも、自分の将来のビジョンと向き合い始めます。

他の仲間たちも片想いにケリをつけたり、過去と向き合ったり、好きな相手と前に進んだり……。

迷い悩み、少しずつ成長する若者達。

 

彼らに連られるように、周りの大人達も変化し始めます。

ハチクロは可愛いようで骨太で、でも爽やかな成長物語だと感じます。

 

 

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ARIA


(c)2005天野こずえ/マッグガーデン・ARIAカンパニー
アニメ「ARIA」より引用

 

火星に人類が移住する未来。火星はテラフォーミングにより水の惑星アクアとなっていました。

過去の地球に存在したヴェネツィアをモデルとした、観光都市ネオ・ヴェネツィアには観光水先案内人ウンディーネとして多くの少女たちが活躍しています。

 

主人公の水無灯里は一人前のウンディーネになることを目指し一人地球から移住します。

日々の生活を丁寧に大切に過ごす灯里は素敵なことを見つける才能の持ち主。時折感じたことをそのまま言葉にしてしまいます。

それは恥ずかしい台詞ではあっても、みんなを素敵な気持ちにさせてしまいます。

 

灯里のように毎日を大切に過ごせたら、私たちの生活にもたくさんの素敵が潜んでいることに気付けるようになるかもしれませんね。

 

 

マギ


(C)大高忍/小学館・マギ製作委員会・MBS
アニメ「マギ」より引用

 

少年漫画らしいアラジンとアリババの強い友情に感動します。

そんな2人が色々な国の勢力争いにどんどん巻き込まれていくのですが、その先々に登場する人物たちがとても人間らしく魅力的です。

 

自分の選んだ道を突き進むために、自分を犠牲にし、時にはズルい策略家にもなるシンドバット。

過去の悲惨な経験から魔法使い以外の人間を人間として扱えなくなってしまったモガメット。

 

人間は運命に導かれて、辛い運命も乗り越えることで生命を世界を前に進めるものだとアラジンは言います。

いつも前向きに自分の道に立ち向かう勇気が世界を動かす力になる。間違えてもより良い道を探せば良いと。

 

長い人生の間には辛いことが続き、自分を見失いそうになることもありますが、アリババ達の冒険を見ていると勇気付けられます。

 

 

3月のライオン


©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
アニメ「3月のライオン」より引用

 

中学生でプロ棋士になった高校生の桐山零。

幼くして家族を失った零は内弟子として引き取ってくれた幸田8段の家でも、学校でも孤独です。

 

一人暮らしをする零と交流がある川本家の3姉妹にも両親がいません。

川本家の母親代わりの長女あかりも23歳。

そんな川本家の次女ひなたが学校でイジメに巻き込まれます。

 

学校、イジメの被害者と加害者、それぞれの家族の言い分のぶつかり合いは真に迫っています。

自分も学校で孤立しがちな零は自分にできることがないかと必死です。

 

プロ棋士とは言えまだ高校生の零が、直面する数々の問題に若者らしく必死にもがき悩みながら立ち向かう。

気付けば孤独だったはずの零の周りにはたくさんの人間であふれています。

必死で生きる彼らの姿には、大人になったつもりの人間でも得る物があるかもしれません。

 

 

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スロウスタート


(C)篤見唯子・芳文社/スロウスタート製作委員会
アニメ「スロウスタート」より引用

 

おたふく風邪のため高校受験を逃した一之瀬花名は1年浪人してしまいます。

一度は引きこもりそうになりますが、誰も自分を知るものがいない新しい環境で高校生活をはじめます。

 

1歳年下の同級生とも仲良くなり友達もできますが、浪人した事実を伝えられません。

唯一話せたのは同じアパートに住む大学浪人で2浪中の万年大会(はんねんひろえ)20歳。

高校時代には生徒会長を務めるほど優秀だった大会も、引きこもりのネット通販生活に陥りますがが、花名との出会いでコンビニには行けるようになっています。

 

誰もが挫折を経験しますが、立ち上がるときはいつも勇気が必要です。

他人より遅くても立ち上がって、自分のペースで少しずつでも前に進む勇気を花名たちからはもらえそうです。

 

 

妖怪アパートの幽雅な日常


© 香月日輪・深山和香・講談社/妖アパ住人組合
アニメ「妖怪アパートの幽雅な日常」より引用

 

中学1年生のときに両親を交通事故で失った稲葉夕士は早く大人になろうと焦っています。

高校進学を機に一人暮らしをはじめますが、そこは人間と妖怪が一緒に生活する妖怪アパートでした。

 

妖怪アパートの住人は個性豊かで経験豊富。

夕士が学校、バイト先などで感じたことを投げかけると、アパートに住む大人たちは内容に応じて適切なアドバイスやヒントを与えてくれます。

 

原作がもともと児童書として書かれたものなので、夕士の感じる疑問や怒りは社会生活をしていたら当たり前のことばかりです。

大人たちの反応見ても何を今更説教臭いと思われるかもしれません。

 

でも、夕士のように物事を素直に感じて、受け入れ、乗り越えて成長した大人がどれだけ存在するのでしょうか。

夕士と一緒に素直な気持ちで思春期をやり直してみると、物事の違った側面を感じることができるようなるかもしれません。

 

アニメの登場人物なんかに同調するなど馬鹿らしいと感じる方もおられると思います。

しかし、気軽に楽しめるアニメだからこそ、行き詰った自分を変えるヒントを教えてくれそうです。

 


 

以上が成長を描いた作品、自己を啓発できる作品。

見た後に気持ちを高めてくれる作品・・・たまに見たくなりませんか?笑