最近、テレビにも普通に登場し、バラエティ番組さえも賑わしている声優さん。
アイドル的な売り方をする声優も出てきて、かなり一般的に認知されている度合いは高まっています。
その中でも、今回は声優の大御所・大塚明夫さんについて紹介します。
大塚さんの声の魅力とは・・・?
声優大塚明夫さんのお仕事
世の中に、魅力的で演技の巧い声優さんは、たくさんいらっしゃると思います。
あまり意識して見ていない場合だとしても・・・それでも、瞬時に何人もの名前が浮かぶほど。
声優さんは顔こそ見えないながらも、その全力投球の演技派やはりインパクトが強いと言うことでしょう。
今回はその中でも、渋くて素敵なオジサマの声なら、この人!と思っている声優さんについて、お話させて頂きます。
その方の名は、そう「大塚明夫さん」です!
僕が最初に大塚さんの声に触れたのは、いつだったでしょうか……。
「ふしぎの海のナディア」が好きで、幼い頃欠かさず視聴していたのですが。
その中に出てくる重要キャラクター「ネモ船長」も、今思うと大塚明夫さんの声でした。
当時は声を担当しているのが誰か、などは気にせず、ただストーリーを追っていましたが……。
そしてもう一人、ネモ船長と並ぶほど小さい頃から聴いている、大塚さんの声。
そう、それはフィンランドの人気作品を元にしたアニメ「たのしいムーミン一家」シリーズの、ムーミンパパの声です。
カバのような体型の、不思議な妖精・ムーミントロール。
主人公の父親であるムーミンパパは、黒いシルクハットを被ったダンディなキャラクターです。
カバに似てるけれど。
とても可愛いけれど。
見た目の愛らしさと、渋い声のギャップが、今改めて視聴すると堪りません……。
ナディアとはまったく異なる、ほのぼの可愛らしい作品です。
「紅の豚」ドナルド・カーチス
宮崎駿/スタジオジブリ・東映・徳間書店
劇場アニメ「紅の豚」より引用
そして、スタジオジブリの作品「紅の豚」でも、主人公の好敵手(?)であるドナルド・カーチスを演じていました。
彼は見た目はハンサムだし、戦闘機乗りの腕も一流だけれど、どこかコミカルで抜けていて、三枚目な印象のキャラクターです。
すぐ女性に本気で惚れてしまったり、あまつさえ、その場で求婚したり。
唐突だけど、本人は至って真剣なんだろうな……そんな風に思わせる、憎めないライバルキャラクターです。
空賊のマンマユート団のメンバーと並んで、好きな人物でした。
この作品は、秘めているテーマはとても重いのに、書き方は軽やかでユーモアたっぷりなところが、とても好きです。
笑いが散りばめられていて、つい噴き出してしまいます。
「犬夜叉」犬の大将
おっと、話が逸れました。
大塚明夫さん演じる「渋いオジサマ」と言えば、「犬夜叉」の劇場版「天下覇道の剣」で登場した、主人公の父親も外すことが出来ません。
見た目は妖怪なので若く、せいぜい四十代前半、下手をしたら三十代後半ぐらいに見えますが……。
しかし実年齢は数百年、もしかしたら数千の時を生きる大妖怪です。TVシリーズでは殆ど出番のなかった、この父上……本作でも、冒頭の過去場面と、終盤にしか出てきません。
しかも目元は意図的に隠されており、素顔がよく見えないよう演出されています。
原作でも、殆ど名前しか出てこない父上。
しかし主人公とその兄に与えた影響は大きく、ある意味、全ての始まりとも言える重要な存在です。
犬兄弟のテーマは、最後まで「偉大な父親を超える」ことだったのですから……。
この映画でも、強烈な印象を残しました。
主人公と兄の、超えるべき目標として……。
「犬の大将」と呼ばれる、犬夜叉・殺生丸の父親。
©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2000
アニメ「犬夜叉」より引用
外見は息子二人を足して割って、ダンディさとワイルドさを加えたような容姿です。
そして、大塚さんの美声……彼が敵の「刹那猛丸」(せつなのたけまる)と対峙した時、猛丸の愚行に対して
「馬ァ鹿がア!」
と怒りをぶつける場面があるのですが、その言い方が何とも好きです……。
父上の声を担当したのが大塚さんで、本当に良かったです。
ちなみに彼には二人の妻がいるのですが……妖怪の妻「御母堂さま」の声を担当したのは、榊原良子さん。
そして、人間の妻「十六夜さん」を担当したのは、井上喜久子さんでした。
なんという豪華な夫婦……。
ちなみに、息子たちの声は成田剣さんと、山口勝平さんです。
そして、息子たちのお嫁さん(予定)の声は、雪野五月さんと、能登麻美子さん。
本当に、全員美声揃いです……なんという、豪華な家族……(笑)。
強いだけではなく、優しさと包容力を持った、大人の男。
人間の女性が、生涯を賭けて慕うほどの、良い男。
亡くなった今も、家来達に敬愛されており、男としての器の大きさが伺えます。※あ、作品中の話ですよ。笑
恐らく息子たちは、力ではもうとっくに、父親を超えているでしょう。
しかし、器の大きさで言えば、まだまだ亡き父親には敵わない……そんなことを、感じさせる父上でした。
「BLEACH」京楽春水
最後に、有名な大塚さんのキャラクターの一人に「BLEACH」の京楽春水(きょうらくしゅんすい)がいます。
あの世(ソウルソサエティ)を守護する護廷十三隊のひとつ、八番隊の長を務める彼。
彫りの深い顔に、癖のある長髪、逞しい身体に濃い体毛。和風なソウルソサエティにあって、どこかラテン系を思わせる、濃い男性です。
女物の着物を身に纏い、簪を差す伊達男でもあります。
普段は呑気でお気楽な言動が目立ちますが、実は切れ者で、思慮深い春水。
ソウルソサエティで進行する陰謀にいち早く気付き、恩師に逆らってでも、自分の信念を貫こうとした気概の持ち主でもあります。
春水と、同輩「浮竹十四郎」のミドルコンビは、とてもバランスの良いペアです。
残念ながらTV放送は終了してしまいましたが、もしまた映像化する際は、ぜひ春水役は、また大塚さんに演じて欲しいです。
以上が僕が印象に残る大塚明夫さんのお仕事。
他にもアニメ「攻殻機動隊」シリーズのバトー役や人気ゲーム「メタルギア ソリッド」シリーズのスネーク役などなど・・・上げればキリがないほど人気キャラクターの声を努める大塚さん。
もしも大塚さんの声を思い出したくなったなら・・・こちらの動画を見てみて下さい!^^