1988年にアニメ化された『銀河英雄伝説』が2018年に再びアニメ化されました。
2019年には映画館でセカンドシーズンのベント上映が決定しているなど、一大プロジェクトとなっています。
さて、そんな銀河英雄伝説ですが、声優も一新し、キャラクターデザインも変わっています。
新旧の主要人物の声優さんを比較すると、それぞれがどんなキャラクター像を描こうとしているのかが見えてきます。
目次
銀河英雄伝説 Die Neue Theseの声優
ラインハルト・フォン・ローエングラム
©田中芳樹/松竹・Production I.G
アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」より引用
銀河帝国側の主人公であるラインハルトは、豪奢な金髪と蒼氷色(アイスブルー)の瞳を持つ容姿端麗の美青年として描かれています。
卓越した戦術眼を持ち、「常勝の天才」と称されるほどの人物。
銀河帝国の現体制であるゴールデンバウム王朝を激しく憎み、皇帝打倒を密かに誓っています。
ラインハルトは、今作では宮野真守さんが演じています。
『機動戦士ガンダム00』の刹那・F・セイエイや、『DEATH NOTE』の夜神月を演じる人気声優です。
刹那のイノベイターとしての神秘さと、夜神月の頭の良さを併せ持ったような、そんな印象です。
前作では堀川りょうさんが演じました。
『ドラゴンボールZ』のベジータや『名探偵コナン』の服部平次などで有名です。
堀川さんの場合のラインハルトは、「生意気なエリート」といった印象でした。
作中のラインハルトも「生意気な金髪のの孺子(こぞう)」と周囲の貴族から疎まれていました。
また、銀河帝国に対する怒りも感じるような声質でした。
どちらの声優さんもそれぞれに特徴があり、違ったラインハルト像が見えてきます。
ヤン・ウェンリー
©田中芳樹/松竹・Production I.G
アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」より引用
自由惑星同盟側の主人公であるヤンは、ラインハルトとは対照的な人物。
無料で歴史が学べるという事で士官学校の戦史研究科へ入学します。
勤務態度も勤勉とは言えず、「10年勤めあげたら退役軍人年金をもらう」事ばかり考え、周囲からは「ごくつぶしのヤン」「無駄飯食いのヤン」などと呼ばれていました。
しかし惑星エル・ファシルから300万人の民間人を救出した事で「エル・ファシルの英雄」と称賛されます。
後に「不敗の魔術師」と呼ばれ、自在な戦術を駆使します。
今作でヤンは、鈴村健一さんが演じています。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカや、『銀魂』の沖田総悟など、熱血系から脱力系までこなす声優さんです。
やや脱力系の印象がありますが、芯の強さのようなものも感じます。
前作では富山敬さんが演じました。
『宇宙戦艦ヤマト』の古代進で知られています。
富山さんが亡くなった後の外伝では郷田ほづみさんが演じています。
『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ・キュービィーが有名です。
富山さんの演じたヤンはDie Neue Theseのヤンよりもさらに力を抜いたような感じです。
しかし、そんな人物が天才的戦術を駆使するというギャップに、多くの視聴者が惹き付けられました。
富山さんのヤンの印象が強いようで、意識しながらも新しいヤンを作り上げようとしているようにも思います。
ジークフリード・キルヒアイス
©田中芳樹/松竹・Production I.G
アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」より引用
ラインハルトの幼馴染であり副官でもあります。皇帝打倒もキルヒアイスにのみ打ち明けるなど、ラインハルトがもっとも信頼を置く人物。
軍事的な才能はラインハルトと肩を並べるほどで、ヤンにも「能力的にもラインハルトの分身」と評されています。
しかしラインハルトが貴族によって暗殺されようとした時、銃を携行していなかったキルヒアイスはラインハルトを庇い、凶弾に倒れます。
享年21歳。
あまりに早すぎる死は、作中のキャラクターにも視聴者にも衝撃を与えました。
今作のキルヒアイスは梅原裕一郎さんが担当しています。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のユージン・セブンスタークや、『あんさんぶるスターズ!』の蓮巳敬人で知られています。
前作では広中雅志さんが声をあてています。
主にテレビのバラエティ番組のナレーションで活躍しています。
どちらのキルヒアイス像も「落ち着いた思慮深い人物」と言った感じですが、梅原さんは声が低くより落ち着いた印象があり、広中さんはラインハルトに教え諭すような柔らかさがあります。
ファーストシーズンは12話構成という事もあり、おそらくキルヒアイスが死亡するところで1クールが終了すると思われます。
銀河英雄伝説のみどころ
銀河英雄伝説シリーズは声優以外にもキャラクターや多彩な戦術も非常に魅力的です。
好きなキャラクターが見つかったら、友達と話し合ってみるのも面白いかもしれません。
ちなみに私はラインハルト派で友人がヤン派で意見も陣営も真っ二つに分かれましたが、それもまた楽しみ方の一つです。
実は人によって注目するポイントがことごとく違うのに気付きます。
原作小説は1982年に出版と30年以上前の作品です。
しかし、それだけに古くからのファンも多いのが特徴ですが、新作アニメによって新規層が増えると予想されます。
今後の展開にも注目です。