息の長い「物語シリーズ」。

「化物語」(バケモノガタリ)から始まり、最新作「終物語」(オワリモノガタリ)まで続いている、人気シリーズです。

「怪異」という摩訶不思議な存在(神様や吸血鬼など)が登場する本作ですが、劇中にはその怪異との橋渡しをする、専門家が登場します。

それが忍野(おしの)メメ。

声の担当は、櫻井孝宏さんです。

 

 
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ヒロインのひたぎさん曰く「萌えちぎる名前」ですが、実際はハッキリ言って、怪しい大人そのものの風体です。

なにせ中年男性なのに(多分。実年齢は不明)ボサボサの金髪に、ピンクの花柄アロハシャツ。

ヘソ出し、ハーフパンツ、ビーチサンダル。

 

おまけにクロスのペンダントに片耳ピアス、顎髭と、とにかく勤め人とは思えない格好なのですから。

ちなみにいつもタバコを咥えていますが、火を着けている場面は、覚えている限り一度もありません。

なんとも不思議な癖です。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語シリーズ」より引用

 

しかし、いざという時は報酬と引き換えに道を指し示してくれる、頼れる専門家です。

そして「自分の領分を徹底して守る」という大人でもある、彼。

そんな不思議なキャラクター・忍野メメの魅力を探ってみたいと思います。

 

 

忍野メメの第一印象

前述の通り、とても自由かつ、胡散臭い外見のメメ。

しかも街から街へ移動する風来坊で、定住する場所を持っていないのですから、怪しさはウナギ昇りです。

主人公・暦(こよみ)くんの住む街に滞在した時も、学習塾跡の廃ビルに無断で住み着いていました。

 

つまり、いわゆるホームレスそのもの。

 

しかし、その登場はとてもカッコイイ、かつ頼もしいものでした。

それは映画「傷物語」(キズモノガタリ)一作目・鉄血編でのこと。

 

訳有って吸血鬼になってしまった暦くんは、三人の吸血鬼ハンターに命を狙われます。

ドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッター。

百戦錬磨のハンターである彼らは、吸血鬼になりたての暦くんにも手加減しません。

 

退路を塞がれ、一人きりで、絶対絶命の暦くん。

やられる!!そう思った瞬間、誰かが暦くんとハンター達の間に風のように駆けてきました。

そして三人の攻撃を、両手と足であっさりと受け止めます。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語シリーズ」より引用

「はっはあ。
本当に君たちは元気がいいなあ。
何かいいことでも有ったのかい?」

 

劇的に表れて危機を救ったメメは、暦くんに言います。

「礼なんていいよ。君が一人で助かっただけさ、阿良々木(あららぎ)くん」

あれだけのことをしておいて、この恩に着せない態度。

 

メメのタダ者では無い感じと、同時に得体の知れなさが伝わってきます。

廃ビルで暦くんと、その主の吸血鬼・キスショットに、メメは手助けを申し出ます。

自分は、怪異と人間の橋渡しの専門家だと。

 

 

忍野メメはあくまで中立を貫くスタンス

自分で名乗った通り、あくまで「橋渡し」「仲介」を貫くメメ。

「助けるんじゃない。君が勝手に助かるだけさ」という口癖からも、自分はあくまで道を示すだけ、というポリシーが感じられます。

ひたぎさんに助けてくれるのか、と問われた時も「助けない。力は貸すけど」と、独特の物言いで答えています。

 

仕事だから報酬はちゃんと頂くけど、怪異という途方もない相手に途方に暮れる人に、道を示す。

はたまた、間に立って契約を結ぶ。

困っている人には、救いの神のように頼もしい存在です。

 

ちなみに洞察力も鋭く、ほんの少しの話を聞いただけで、全体のあらましを見抜くことが多いです。

しかし、その都度メメは釘を刺します。

自分はあくまで仲介で、誰の味方でもないと。

 

その態度は素っ気なく、時に冷たくすら感じます。

神や魔など、恐ろしいモノを相手にする専門家。

だからこそ、情に流されてはいけない……そんなことを肝に命じているのかもしれません。

 

報酬を要求するのも、あくまで慈善事業ではなく、ビジネスだというケジメなのかも。

そう言いつつ、自分に手抜かりがあると報酬をチャラにしたり、簡単なお使いで貸しを相殺してあげたり……。

意外と甘い面、というか、丼勘定なのでは?という印象も受けますが。

 

依頼内容によって報酬金額が変わりますが、簡単なモノなら10万円が相場のようです。(ひたぎさんや、後輩の神原さんのケース)

暦くんのように、伝説の吸血鬼絡みだと、500万円という大金になることも……。(その後、色々あって労働報酬でチャラになりました)

 

 

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普段は薄笑いを絶やさず、軽口を叩いてばかりのメメ。

「何かいいことでもあったのかい?」

「遅いよ。もう少しで、待ちくたびれて寝てしまうところだった」

「ツンデレちゃん」

「委員長ちゃん」

など。

 

しかし、ひとたび看過出来ないことに遭遇すると、ぞっとするほど冷たい顔を見せます。

 


©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメ「物語シリーズ」より引用

 

「被害者ヅラが気に喰わねえってんだよ」

「人一人を殺そうとしてんだぜ。それぐらい(腕を斬るぐらい)、当然のことじゃないのか」

 

心の奥底にあった嫉妬から、恋敵の暦くんを殺そうと襲撃した、後輩の神原(かんばる)さん。

悪魔に操られてのことだから、と被害者なのに彼女を庇う暦くんを、メメは容赦なく鼻で笑います。

「阿良々木くんは本当に優しいよね。優しくて、胸がむかつくね」と。

 

悪魔はキッカケでしかない。

その原因は、紛れもない神原の心にある憎しみだと、ズバリと指摘するメメ。

優しくてお人好しな暦くんには、決して出来ない役回りです。

 

しかし暦くんはそんな自分を貫き、殺されかけた相手を助けようと奮闘するのですが。

そしてメメも、なんだかんだ言って暦くんを送り出し、裏でこっそり救援を呼んでいたり……。

口では突き放すようなことを言っていたのに。

 

色々言いながら、メメはそんな暦くんのことが嫌いではないのでしょう。

そして、自分で思っているよりお人好しなのかも?

 

「化物語」最終話で、メメは黙って街を去ります。

「黙っていなくなったりしないよ」と言っておきながら、何も言わずに居なくなるという……。

あいつは人との別れが苦手なのだろう、と暦くんは推察します。

 

ひたぎさん、暦くん、神原さん、羽川さんに、揃って「お人好し」と言われてしまうメメ。

彼に助けてもらった面々としては、態度と裏腹なメメの優しさが、透けて見えていたのでしょうね。

 

口では冷たいことを言っておきながら、なんだかんだと手助けする……。

そんなツンデレぶりが、メメの人間らしさであり、魅力なのだと感じます。

 

 

胡散臭い。

軽薄。

軽口ばかり叩く。

 

それなのに、どこか冷たい。

あくまで中立に拘る。

優れた洞察力と、並外れた知識。

 

滅多に見せないけれど、実は腕っぷしも並外れて強い。

なんだかんだ言いつつ親切な、ツンデレ。

人とのお別れが苦手で、照れ屋。

 

こうして箇条書きで書くと、メメの魅力はなんとなくイメージし易いでしょうか。

でも、これだけではやっぱり不十分なのです。

 

実際に物語シリーズを視聴して、メメの独特の喋り方や、櫻井さん演じる声。

そして音楽を聴き、動きや画面を見ないと、やはり彼の魅力はちゃんと理解出来ない……。

そんな風に感じます。

 

まだ見たことが無い方は、ぜひ「化物語」を皮切りに、物語シリーズに触れてみてください。

そして忍野メメという、掴みどころのない男の魅力を感じてみて下さい。

胡散臭いけど、なぜかカッコイイ……そんな、新しいジャンルを切り開いた人物だと思います、彼は(笑)。

 
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