作品の中には時々、明らかに両想いなのに、もしくはお似合いなのに、なかなか進展しない焦れったい二人がいますよね。
そんな「お前ら、早くくっつけ!」と思わされる二人を、ご紹介させて頂きます。
未視聴の方は、ぜひ一度チェックして悶えて下さい。
なお、あくまで個人的なチョイスなので、その旨はご了承下さい。
目次
アニメ史上最もじれったい早くくっつけカップルランキング
物語の中には、様々な形の人間関係が登場します。
その中には「明らかに両想いなのに、なかなか進展しない二人」や、「素直になれない両片想い」という、焦れったい関係も……。
周囲の人間や視聴者から見ると、なんで早く、くっつかないの!?と、ヤキモキするような……。
今回は名作ぞろい。
誰もが知るあのカップルをピックアップしてご紹介します。
第3位:「シティーハンター」獠と香
そして、もう一作。
往年の名作「シティーハンター」の主役二人も、くっつきそうでくっつかない、焦れったいコンビです。
主人公の獠は、裏社会を股にかけるプロの掃除屋。
北条司/サンライズ・集英社
アニメ「シティーハンター」より引用
元傭兵だけあり、あらゆる知識、技術に長けており、人探しから粗っぽいことまで、依頼人の願いに応えています。
鍛え上げた身体に、抜群の射撃スキル。
男ぶりも悪くありません。
ただし、黙ってさえいれば……。
あたると同じく、獠も無類の女好き。
美人を見ると、すぐ口説き始める三枚目です。
そして美女を見ると、すぐに「モッコリ」してしまう(今思うと、これを地上波で流していたのは凄いことですよね……。原作と違い、アニメでは音声のみですが)。
そして、そんな獠が美女を口説く度に、巨大なハンマーでお仕置きするのが相棒の香です。
北条司/サンライズ・集英社
アニメ「シティーハンター」より引用
彼女は、獠の相棒だった男性の妹。
獠と違って一般人ですが、依頼人との連絡や家事全般、資金繰りなど、傍で彼を支えています。
香は粗っぽい性格に反して、実はスタイル抜群の美女です。
しかし彼女は、獠がもっこりしない唯一の女性。
それは多分、前述のあたるとラムと同じで、身近過ぎる居て当たり前の存在だから。
浮気男が外の女性に目を奪われるように、香は女房と同じ、それを怒り邪魔するポジションなのでしょう。
その証拠に獠は、香を特別な相手として気にかけています。
香は射撃を懸命に練習していますが、実は獠が銃に細工をした為、命中率は高くありません。
その理由は、「香に人殺しをさせたくないから」とのこと。
明るく、健全な心の持ち主である香。
彼女に助けられながらも、なるべく早く裏社会から足を洗わせたいと、密かに気にかけています。
また香も相棒としての付き合いが長い為、獠への恋心を自覚しても、それを素直に認めることが出来ません。
獠も自分の来歴から、裏社会に生きる自分から香を遠ざけようと、気持ちをセーブしている様子。
端から見ると、特別な感情を向け合っているのは明らかなのに……。
そんなもどかしい二人の関係。
ぜひ視聴して、歯がゆい気持ちになって下さい。
裏社会を舞台にしながら、意外と奥手な二人の恋路に、新鮮な気持ちになれます。
第2位:「うる星やつら」あたるとラム
まず挙げたいのが、この二人です。
宇宙から地球征服にやって来た鬼族の女の子・ラムちゃんと、勘違いから彼女に惚れられた、地球人の少年・諸星あたる。
高橋留美子/小学館・スタジオぴえろ→ディーン
アニメ「うる星やつら」より引用
紆余曲折の末あたるに惚れたラムは、彼の家に同居して、押し掛け女房になります。
ちなみにラムは頭にツノを生やし、虎縞ビキニの可愛い女の子です。
彼を「ダーリン」と呼び、すっかり奥さん気分のラム。
しかし、あたるは天下の女好き。
縛られるのは真っ平とばかりに、ラムの押し掛け女房を迷惑がり、可愛い女の子にちょっかいをかけまくります。
それを追うラム、逃げるあたる。
周囲は「なんであんな可愛い子に好かれてるのに、素直にならないんだ!?」という敵意の目を向けています。
あたるはお世話にも美男とは言えないし、アホだし、女好きだしで、なおさら。
でもラムは、あたるの欠点をも受け入れて添い遂げるつもり。
何かあった時は、必ず自分を助けてくれると信頼しているし、時々見せる彼の優しさに参っているから。
あたるが幽霊の女の子に好かれて、彼女を成仏させる為とことんデートに付き合ったエピソードなど、彼の良いところが出ている素敵なお話でした。
そして普段は邪険にしていても、あたるも実はラムのことを、特別に思っています。
それは、劇場映画「完結編」でのこと。
ルパというラムの許嫁が現れ、彼女を連れ去ってしまいました。
あたるや面堂達は救出に向かいますが、誤解であたるとラムが仲違いしてしまいます。
「ルパと結婚する!」と宣言したラム。
意地を張って迎えに行かないあたる。
本当に破局が……?とヒヤヒヤしました。
そして折しも、地球全体に宇宙キノコが繁殖して大変なことに。
これを駆除する為には、ラムの協力が必要です。
ラムの出した条件は、初めて会った時と同じ「鬼ごっこ」。
あたるがラムを追いかけてツノを触るか、彼女に「好きだ」と言えば地球は救われます。
地球全体の期待を受けて、鬼ごっこを始めたあたる。
しかし空を飛べるラムと、人間のあたるでは勝負になりません。
その上、期日までにラムが怒りを解かないと、地球の皆がラムの記憶を失ってしまうのです。
懸命にラムを追いかけて走るも、意地でも「好き」と言わないあたる。
皆に責められても、決して頷きません。
ラムを忘れたくない、と泣くファンクラブの面々。
一方ラムはタイムリミットが近づくほどに、焦りを募らせます。
このまま、自分のことを忘れてしまっても良いの?
心に無くても、一言言えば良いだけなのに……。
あたるの気持ちが分からず悲しみ、苛立つラム。
そして走り続け力尽きたあたるは、胸の内で叫びます。
(こんな状況で言ったら、本当か嘘か分からないだろうが!)と。
彼がずっと握りしめていた、自分の抜けたツノを目にしたラム。
その瞬間、言葉は無くても、確かにあたるの愛情を感じたラムは思わず彼に抱きつき、自分からツノを触らせました。
あたるは普段はいい加減でアホだけど、「こんな状況で、無理矢理言わされたみたいに、大事なことを言いたくない」という、彼なりの意地と誠実さを貫いたのですよね。
そして、ラムへの確かな愛情も。
もうこの二人、実質的に夫婦ですよね。
最後の、「一生かけて、好きだと言わせてみせるっちゃ」「いまわの際に(好き)だと言ってやる」というやり取り。
ハイハイ、ご馳走さま!という感じです(笑)。
第1位:「らんま1/2」早乙女乱馬と天道あかね
続いて「らんま1/2」をご紹介させて頂きます。
僕にとって、焦れったい二人の代表格は「らんま1・」の主人公とヒロインです。
すなわち、早乙女乱馬くんと、天道あかねちゃん。
高橋留美子/小学館、スタジオ・ディーン
アニメ「らんま1/2」より引用
この二人は明らかに両想いなのに、意地っぱりな性格と若さが邪魔をしてか、なかなか素直になれません。
そもそも、彼らは最初の出会いが最悪でした。
二人は、互いの父親同士が決めた許嫁。
しかし会ったことはなく、乱馬親子が中国から帰って来た時、初めて対面します。
そこで現れたのは、父親と息子ではなく、パンダと可愛らしい娘でした。
乱馬は本当は男性・・・しかし、中国での修行中、特殊な温泉に落ちたことで、水を被ると女性になり、お湯を被ると男性に戻る体質になったのです。
風呂場で男性に戻った乱馬と、入浴しようと入ったあかねは、なんと全裸でエンカウントする羽目に……。
もちろん大騒ぎになり、乱馬を痴漢と勘違いしたあかねが、彼を成敗しようとする一幕がありました。
その後、事情が分かっても、二人は互いに憎まれ口を叩いてばかり。
気まずさや恥ずかしさもありますが、この二人は実に意地っぱり同士で、顔を合わせる度に口喧嘩を始めてしまうのです。
それに、その時あかねちゃんには、好きな男性がいました。
骨接ぎの名医で、小さい頃からお世話になっている、東風先生です。
高橋留美子/小学館、スタジオ・ディーン
アニメ「らんま1/2」より引用
しかし彼はあかねを妹のように思っており、女性として意識してくれません。
しかも、東風先生が好きなのは、あかねの姉・かすみさん。
だからあかねは、自分の気持ちを彼に伝えることが出来ないまま。
端から見ていて、乱馬はすぐにあかねが誰を好きなのかに気付きました。
その時点では、乱馬はあかねに対して特別な感情は持っていません。
むしろ「このままでいいのか?」と、お節介を焼くほど。
しかし、乱馬とライバル・良牙の戦いに巻き込まれて、あかねは長い髪を切られてしまいます。
長い髪は、女らしさの象徴。
あかねが東風先生に振り向いて欲しくて、一生懸命伸ばしたモノでした。
その髪を失い、さらに東風先生が自分を選んでくれないことを再確認したあかねは、彼への恋を諦める決意をします。
そして、バッサリ髪を切ってショートヘアになったあかね。
乱馬が「短い髪のほうが似合ってる」と伝えたのは、彼女の髪を切ってしまった後ろめたさから。
しかし、あかねの笑顔を見た乱馬は、初めて胸のトキメキを感じました。
多分これが初めて、乱馬があかねに惹かれた瞬間です。
そして周囲に許嫁として扱われ、共に過ごすうちに、二人は反発しながらも、少しずつ互いを意識し始めます。
どさくさで事故チューをしたり、相手に近づく異性が現れると、ひそかに嫉妬をしたり……。
乱馬に熱烈な求愛をする美少女・シャンプーや、乱馬のライバル良牙など、恋仇も続々と登場。
視聴者から見ると、乱馬とあかねは明らかに好意を持ち合っています。
しかも両家の父親は、二人の縁談を望んでおり、何かとけしかけてきます。
「留守中に、間違いがあってもいいんだからね!」と乱馬に言う、あかねの父親・早雲。
普通、娘の父親が言う台詞は逆なのでは……?と、唖然とします。
そんな風に恵まれた境遇なのに(何せ、一つ屋根の下で暮らしているし)、やっぱり素直になれない二人。
つい喧嘩腰になる上、乱馬はヘタレで、ここぞ!という時に据え膳を食えない男なのです。
彼は女になる特殊体質だけど、ルックスも悪くないし、拳法の達人です。
声は山口勝平さんですし……。
しかし、恋愛に関しては意外とヘタレ。
そんなところが、今見ると学生らしくて微笑ましいですが。
昔は焦れったくて、ヤキモキしました。
自分に好意を寄せる女性(シャンプーや右京、小太刀など)を拒絶出来ず、満更でもない様子を見せたり……。
そんな優柔不断な乱馬に、あかねはまたイライラ、ムカムカ。
あかねちゃんも可愛いし、乱馬以外には至って素直だし、運動神経も良い。
久能先輩や良牙、五寸釘くんなど、かなりの男性にモテモテです。
しかし、そんなヘタレな乱馬が、男らしく意思表示をしたエピソードがあります。
それは、「格闘ペアスケート」の時。
格闘ペアスケートとは、男女がペアになり、氷上で相手ペアを攻撃する、というもの。(らんまの世界では、茶道や新体操など、何でも格闘になってしまいます)
対戦相手の男・三千院帝は、筋金入りの女たらし。
対戦中に、必ずあかねの唇を奪う!と宣言します。
そんな彼に、思わず怒りをぶつける乱馬。
「ふざけんな!あかねは、俺の許嫁だ!」と、衆人監視の中で言い切った乱馬。
絶対に渡さない、という意思をあらわにした彼に、あかねも「やだ、こんな人前で……」とドキドキ。
高橋留美子/小学館、スタジオ・ディーン
アニメ「らんま1/2」より引用
しかし、嬉しくない訳では無い様子。
珍しく、乱馬が男らしい!と、見ていてガッツポーズが出ました。
肝心の格闘スケートは、ライバルの良牙が参戦したり、波乱がありましたが……。
なんとか勝利しました。
その後もシャンプーの行動で、あかねが乱馬の記憶を失くしたり……はたまた右京という、もう一人の乱馬の許嫁が登場したり。
更にムースという、シャンプーに想いを寄せる青年が現れたり。
二人の距離は、縮まないようで縮まっているような、かと思えば足踏みしたり……。
明らかに両想いなので「どうせ最後はくっつくんでしょ?」と思いながらも、焦れったい関係にジリジリしてしまいます。
個人的には乱馬がムースの企てで、あかねがアヒルになってしまったと思い込む話もグッときました。
乱馬はムースの行動と勘違いから、ただのアヒルを「あかねが化けたアヒル」「一生元に戻れない」と信じています。
こうなったら祝言を挙げるべき、と周囲に説得され、承諾した乱馬。
正真正銘のアヒルと並んで座り、真面目な顔で結婚式に臨む彼の姿に、笑いがこみ上げてきます。
「いいかっ、今のオメーと結婚してくれる男なんざ、俺だけなんだからなっ」と、アヒルに言い聞かせる乱馬。
本物のあかねが登場し、式は中止になりましたが……乱馬ったら、アヒルの姿になっても、相手があかねなら受け入れるのね……と、ニヤニヤしました。
そんな可愛い喧嘩カップル、乱馬とあかね。
原作エピソードの全てを映像化する前に、アニメは終了してしまいました。
ぜひ完結編を作って、大好きな最終エピソードまでアニメ化して欲しいものです。
もちろん、当時と同じキャストで。
ただし、右京役の鶴ひろみさんは亡くなってしまいましたが……。
なんとも、寂しい限りです。