かつて一世を風靡したガンダムSEEDシリーズ。

しかしネット全盛の今となっては、掲示板などでトップクラスの叩かれる作品となってしまいました。

確かに彼らの言い分も分からなくはないのですが、それはそうとして好きな作品をけなされるのは悲しいもの。

ここでは、そんないわゆる「SEED DESTINY」=「種死」は叩いていいものの代名詞というネットの風評に敢えて対抗し、この作品の魅力を沢山書いていきたいと思います。

 

 

機動戦士ガンダムSEED DESTINYの魅力


矢立肇、富野由悠季/サンライズ
アニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」より引用

 

シン・アスカは非常に人間味がある主人公

鉄血のオルフェンズの三日月のように極端なキャラ付けをされている主人公以外ではなく常識はあるのですが、時々かなり滅茶苦茶なことをします。

カガリの前でオーブが大嫌いであることを隠そうともせず、命令を平気で無視したり、果ては戦果を挙げたんだから決まりを破ってもいいだろうと言い張ったり。

子供っぽいのですが、一方でそれが年相応で良くもあります。

家族を殺された主人公が恨みを持ってまだ少年なのに戦場に出ることとなって、大人のような分別が付いた行動ができるわけもありません。

ガンダムUCのバナージのようにその原因が心の優しさであるという訳ではなく、オーブの艦隊を殲滅するような強さ、残酷さをちゃんと持っていることもダークヒーローらしく惹かれる点です。

 

 

前作登場人物の扱いに非常に苦心している

どうしても人気の出すぎた作品の続編というのは、前作のキャラクターをどう扱えばいいのかで悩みます。

色々苦しいと思う部分もありますが、前作のキャラを冷遇せずにその強さなども急に弱体化してしまうようなことのないいい塩梅を目指して、かなり頑張っていると感じました。

 

 

真の悪役が誰なのか中々見えてこない

分かりやすい小悪党は出てくるのですが、誰がラスボスなのか、全く分からなくてドキドキしながら見たものです。

一話で分かっているような単純明快な作品も好きですが、こういう工夫がある作品は大好きです。

 

 

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モビルスーツのデザインや動きが相変わらず良い

重田さんというロボットアニメやメカアニメの作画の達人が参加しており、一話のエクスカリバーをサンライズパースで構えるシーンを始め、重厚で躍動感のある動きがたっぷり楽しめます。

 

 

フリーダム対インパルスというガンダム史上に残る名戦闘がある

私がガンダムSEED DESTINYが好きな何より一番の理由がこれになります。

この戦闘と地球上全てのロボアニメの戦闘を合わせたものを天秤にかけたら、僅差でこっちが勝つ、それぐらい大好きです。

まずインパルスガンダムがフリーダムガンダムに対し明らかに劣っていること、搭乗者の技量としても、前作主人公として戦闘経験豊富なキラに比べ明らかにシンは劣ることなど、戦闘の背景から盛り上がる要素が満載です。

さらにインパルスにはフリーダムにはない換装機能という一芸があること、キラは基本的にコックピットを狙わないという隠れた弱点を持っていることをシンが戦友であるレイに教えられ二人で作戦を練るシーンなど、戦況が絶望的なほど片方に有利ではないといった情報なども場を盛り上げます。

 

そして戦闘開始。

序盤からインパルスは押していきますが、フリーダムはやはり強く、そう簡単には攻撃に当たりません。

ここでシンのSEEDが発動し、インパルスが頭部のわずかな動きでこれを回避、ここからも紙一重のしかしどこか安定感のある回避を続け、フリーダムにプレッシャーをかけていきます。

盾を投げそれにビームライフルを反射させることにより初めてフリーダムにインパルスが被害を与えます。

 

ここからが滅茶苦茶熱いんです。

そんな小細工をしたところで機体性能もパイロットの腕も基本的にはフリーダムの方が上、近接戦に入ったインパルスはたちまちビームサーベルで切断されてしまいます。

普通のMSならここまでですがここでインパルスの換装機能が生き、戦闘を継続するだけでなく損傷した機体のレッグフライヤーをフリーダムに押しつけコアスプレンダーの機銃により爆破させるという奇策をし、フリーダムに大きなダメージを与えます。

そうしてフリーダムは落下し、インパルスはその隙に新しい各部で機体を再構成する。

この一連の流れは、他のどんなガンダムシリーズでも見ることのできない独特で素晴らしい展開でした。

 

一番熱いシーンはここですが、戦闘はまだ続きます。

次第に追い詰められるフリーダムは不殺の縛りを解き、インパルスのコックピットを直接狙いに来ます。

ここもキラがシンの強さを認め本気になったということで、熱いシーンです。

しかしその攻撃をまたしてもインパルスの分離機構を生かし回避、逆に攻撃に転じてフリーダムを損傷させこの勝負の趨勢は決しました。

 

そして最後の非常に有名なシーン、インパルスがソードシルエットのエクスカリバーを握って突撃するのに対し、フリーダムも盾を構えビームサーベルを向けて応戦、互いの機体を刺し合います。

激しい光の直後に爆発、後には、電力が切れフェイズシフトがダウンした頭部が無く足や腕もボロボロなインパルスが浮かんでいるというシーンが移りエンディングとなります。

何度見ても、フリーダムもインパルスもキラもシンも持てる力を出し切った素晴らしい戦闘だと思えて泣いてしまうのです。

 

まだまだ言い足りないこともありますがひとまずは以上になります。

お付き合いいただきありがとうございました。皆さんにも自分が好きと思った作品は周りの人がどう言おうと大好きと言い続けられる、そんな気持ちを持っていただけると良いなと思います。