Studio 3Hzとアクタスの共同制作アニメ。
2017年に全12話で放送されました。
キャラクターデザインは「黒星紅白」が手がけ、可愛らしい女の子たちが作品を彩りました。
しかしその可愛らしい登場人物からは、多少かけ離れたシリアスな内容となっており、キャラ可愛さに手を出すと少し驚かされる一作となったのです。
放送当時、そこまで話題にはならなかったものの視聴者からの評判は良く、ひっそりと人気を博した作品です。
女子高生たちがスパイという一風変わった本作について感想を書いていきたいと思います。
目次
アニメ「プリンセス・プリンシパル」」のあらすじ
アニメ「プリンセス・プリンシパル」PV
橘正紀監督×大河内一楼のオリジナルアニメ
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
舞台は19世紀末、東西に分裂された架空の都市、ロンドン。
首都ロンドンでは東西が分裂すると、各国のスパイが暗躍するようになりました。
一方の国、アルビオン王国領内にある名門校に通う女子高生5人は表の顔は女子高生、裏の顔はもう一方の国、アルビオン共和国のスパイとして敵領内に潜伏していたのです。
5人のスパイ少女はそれぞれの能力や得意分野を武器にロンドンを駆け巡り、敵国の内情を探ろうと暗躍するという物語です。
アニメ「プリンセス・プリンシパル」」の登場人物紹介
本作では5人のスパイ女子高生がメインとなり物語が展開してきます。
その個性は豊かであり、それぞれ信念を抱きながらもスパイ活動を繰り広げています。
本作を語る上で、5人の個性をしっかりと把握しておくことは非常に重要です。なのでざっくりと5人について解説していきたいと思います。
アンジェ
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
共和国側のスパイチーム「コントロール」のエースです。物語の主人公となっています。
後述する「プリンセス」とは瓜二つの顔をしており、普段はそれを隠すために眼鏡をかけています。
スパイとしての能力は非常に高く、彼女の手にかかればどんな任務も安心というほど。
無口で平坦な物言いですが、実は「プリンセス」とは親しい間柄であり、2人きりのときは笑いながら話をしていました。
プリンセス
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
王国側の王女。おっとりしていて、いかにもお嬢様というような少女だが、芯がしっかりしているため自分の意志を成し遂げようと多少無茶な行動を起こすこともあります。
彼女は実は本物の「プリンセス」ではなく、幼少期に「アンジェ」と入れ替わってしまった元孤児なのです。
革命の折に入れ替わってしまい、その後、血のにじむような努力の末、「プリンセス」に成りきることに成功しました。努力家で明るい性格をしている、人の痛みを誰より理解している優しい少女です。
ドロシー
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
スパイチーム「コントロール」のリーダー的存在。
女子高生のふりをして学校に通うが、実は20歳。
車の運転は専ら彼女の役割であり、お色気を使いながら任務を遂行する大人の女性。
性格は明るく人情味に溢れています。
そのため時々任務に私情を持ち込んでしまうこともあるようです。
ベアトリス
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
小さな身体で誰よりエネルギーに溢れている可愛らしい子です。
「プリンセス」の友人兼侍女として、小さい頃より行動を共にしています。
実の父により人工声帯に改造されてしまい、それ故に迫害を受けていた過去があります。
しかし任務では自在に操れる声を武器に活躍しているため、本人はそのことを気にすることを辞めたようでした。
ちせ
© Princess Principal Project
アニメ「プリンセス・プリンシパル」より引用
日本からの留学生で、剣術や体術に優れたメンバー。
日本独特の義理堅く実直な性格を持ち、曲がったことは大嫌いのようです。
普段は「コントロール」のメンバーとして任務に就いていますが、実は共和国と王国のどちらが日本にとって有益となるかを調べる間者のような仕事もこなしているダブルスパイのような存在。
戦闘では迫力のある戦いを見せてくれました。
アニメ「プリンセス・プリンシパル」」の感想
物語後半、「アンジェ」と「プリンセス」が幼少期に入れ替わっていたという真実が明かされたときは本当に驚愕しました。
それまでにもなんとなく違和感を覚えたり、2人の関係が謎に包まれたままの展開にモヤモヤっとした感情を抱いていましたが、まさかそんなカラクリがあろうとは…という感じでした。
これを見抜けた視聴者はいないのではないでしょうか。きっと誰もが騙されたはずです。
それにしても本物の「プリンセス」になるための努力はどれほど大変なことだったのでしょうか。
孤児が全てを完璧にこなせるようになるまでに費やす労力は、並大抵のものではないはずなのに。
物語自体は非常に面白いものだったと思っています。
主軸となるスパイ活動に加え、個人に焦点を当てたエピソードも盛り込まれており、主要人物の全員を満遍なく楽しめる構成になっていました。
ただスパイ活動だけを淡々とこなすような展開だとしたら、ここまで人気にもならなかったと思います。
その中でも「ドロシー」は不遇すぎると多少不憫になりましたね。
諍いはあったにしろ、父親が会いにきてくれるのを楽しみに待っていたのに殺されて永遠に合えない終い、旧友のスパイは必死の抵抗も虚しく目の前で頭を打ち抜いて自殺…。
強靭な精神がないととても耐えられそうにないエピソードばかりでした。
個人的に好きなキャラだっただけに可哀相で仕方ありませんでした。
物語自体も細かな設定、稚拙なものでなく大人でも楽しめる内容となっているので、誰でも楽しめると思いますが、女の子たちの可愛いさを堪能できるアニメでもあります。
これはキャラ原案を務めた「黒星紅白」の功績でしょう。
シリアスになりすぎないキュートなキャラがアンマッチながらもマッチしていたのですから。毛嫌いせずに大人の人に見てもらいたい、そんな作品でした。